白髪染めで髪がパサパサに?ツヤと潤いを取り戻すメンズヘアケア術
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白髪を隠して若々しく見せるために白髪染めをしたはずが、髪は潤いを失い、乾燥してパサパサになってしまった。そんな経験はありませんか。清潔感のために染めたにもかかわらず、パサついてツヤのない髪は、かえって疲れた印象や手入れを怠っている印象を与えかねません。この厄介な「パサパサ髪」の原因と、しっとりと潤う健康的な髪を取り戻すための方法について、プロの視点から解説します。
Contents
なぜ白髪染めで髪は「パサパサ」に乾燥するのか?
白髪染め後の髪が乾燥してパサパサになるのは、カラー剤が髪に作用する過程で、髪が本来持っている「潤いを保つ力」が損なわれてしまうからです。
髪の砂漠化を招くプロセス
- 潤いを守るバリア「キューティクル」の損傷
カラー剤は、染料を髪の内部に浸透させるため、まずアルカリ剤の力で髪の表面を覆う鎧のような「キューティクル」をこじ開けます。このプロセスでキューティクルが傷ついたり、剥がれたりすると、そこから髪内部の水分が簡単に蒸発しやすい状態、つまり乾燥しやすい状態になってしまいます。 - 天然の保湿成分である「内部脂質」の流出
開いたキューティクルの隙間からは、水分だけでなく、髪のしなやかさや潤いを保つための天然の油分(専門的にはCMCなどと呼ばれます)も一緒に流れ出てしまいます。この内部脂質が失われると、髪は水分を蓄えておく力を失い、パサパサとした手触りになってしまうのです。 - セルフカラーで悪化しやすい
特に、ご自宅で染めるセルフカラーは、薬剤のパワーが強めに設定されていることが多く、また、毎回毛先まで染めてしまいがちです。これにより、ダメージがどんどん蓄積し、髪のパサつきがより深刻化しやすくなります。
自宅でできる!パサパサ髪のための応急保湿ケア
一度失われた潤いを完全に取り戻すのは簡単ではありませんが、日々のヘアケアを保湿重視に切り替えることで、髪の状態を改善し、さらなる乾燥を防ぐことは可能です。
日々の保湿習慣
- 保湿力の高いシャンプー・トリートメントを選ぶ
シャンプーは、洗浄力がマイルドなアミノ酸系の洗浄成分をベースにしたものを選びましょう。トリートメントは、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸といった、保湿効果の高い成分が豊富に配合された製品がおすすめです。 - トリートメントで潤いを「閉じ込める」
シャンプー後、トリートメントを髪に塗布したら、すぐに洗い流さずに、蒸しタオルなどで髪を包み、3分から5分程度時間を置くと、成分が髪の内部まで浸透しやすくなり効果が高まります。 - 「洗い流さないトリートメント」を毎日の習慣に
お風呂上がりのタオルドライ後、ドライヤーをかける前に、オイルやミルクタイプの洗い流さないトリートメントを毛先中心に必ずつけましょう。これが、ドライヤーの熱から髪を守り、水分が過剰に蒸発するのを防ぐ、最も効果的な保湿ケアです。 - 「自然乾燥」はパサつきを悪化させる
濡れたまま髪を放置する自然乾燥は、キューティクルが開きっぱなしになり、水分がどんどん蒸発していく最悪の習慣です。お風呂から上がったら、できるだけ早く、根元から優しくドライヤーで乾かし、キューティクルを閉じてあげることが潤いを守る上で重要です。
根本から「パサパサにさせない」。理容室のプロ技術
ご自宅での保湿ケアは、失われた潤いを「補う」対症療法です。一方、理容室のプロは、そもそも髪をパサパサに「させない」ための、根本的なアプローチを行います。
潤いを守りながら染める、という発想
- ダメージレベルに合わせた的確な薬剤選定
プロの理容師は、お客様の髪の乾燥具合やダメージレベルを正確に診断し、保湿成分が豊富に配合されたものや、アルカリ度の低い髪に優しい薬剤を、数多くの選択肢の中から選び出します。 - 施術中に行う水分・油分の補給(前処理・中間処理)
カラー剤を塗る前や、施術の途中で、髪に不足している脂質や水分を、専用の処理剤を使って補給します。ダメージを予防しながら染めることで、仕上がりの潤いが格段に変わります。 - 乾燥の原因物質を徹底的に除去する「後処理」
施術後に髪に残留し、乾燥やパサつきを進行させるアルカリ成分などを、専用の薬剤を使って完全に除去します。髪を健康な弱酸性の状態に戻すことで、潤いを髪の内部にしっかりと閉じ込めます。 - サロン専用の「髪質改善」レベルのトリートメント
ホームケア製品とは全く異なる、髪の内部構造から再構築するような高濃度な保湿・補修成分を、専用のスチーマーなどを使って髪の芯まで浸透させます。カラーリングと同時に行うことで、染める前よりもしっとりと潤いのある質感に仕上げることも可能です。
まとめ
白髪染めによる髪のパサパサは、薬剤の化学反応によって髪の水分保持能力が低下することが主な原因です。日々の丁寧な保湿ケアで、ある程度の改善は期待できますが、本当に潤いのあるツヤ髪を維持するためには、染める段階でいかにダメージさせないか、そして専門的なケアで水分と油分を的確に補給するかが最も重要です。白髪は染めたい、でも美しい髪質も諦めたくない。その両方を叶えるのが、プロの理容師の仕事です。
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