白髪染めの落とし方|肌についた時の対処法と、髪色をリセットするプロの技術
「白髪染めをしたら、額や耳、手に色がついてしまった」「染めてみたものの、イメージと違う色になってしまった」。白髪染めにまつわる「落とし方」の悩みは、大きく二つに分けられます。
この記事では、肌についてしまった染料の落とし方という緊急の対処法と、染めた髪の色自体をリセットしたい場合の、プロによる専門的な方法について詳しく解説します。
【緊急対処】肌についてしまった白髪染めの落とし方
ご自宅でセルフカラーをした際に、最もよくあるトラブルが、染料が皮膚についてしまうことです。
時間が経つ前に、優しく落とすのが基本
皮膚についてしまった染料は、時間が経つほど角質層に浸透し、落ちにくくなります。気づいたらすぐに、そして強く擦らずに優しく落とすことを心がけましょう。
- クレンジングオイルを使う
メイク落とし用のクレンジングオイルをコットンに含ませ、染料がついた部分に優しくクルクルと馴染ませてから、ティッシュなどで拭き取ります。カラー剤の油性の汚れを、オイルが浮かせて落とす効果が期待できます。 - 石鹸で洗い流す
まだついて間もない場合であれば、石鹸やボディソープをよく泡立てて、優しくマッサージするように洗い流すだけでも落ちる場合があります。 - 専用のリムーバー
どうしても落ちない場合は、ドラッグストアなどで販売されている、皮膚についた染料を落とすための専用リムーバーを使うのも一つの手です。
染める前の「予防」が最も重要
そもそも肌につけないための予防が一番の対策です。染める前には、髪の生え際や耳周り、首筋などに、ワセリンや油性のコールドクリームを厚めに塗っておきましょう。肌の表面に油膜を作ることで、染料が直接皮膚に付着するのを防いでくれます。
【専門技術】染めた髪の色を落としたい場合
「染めた髪の色が暗すぎた」「黒染めをやめて、また明るい色にしたい」など、髪の色そのものを落としたい、というケース。これは、全く別の話になります。
セルフは絶対NG!髪の色を落とすことの危険性
染めた髪の色を落とす「脱染」や、髪自体を明るくする「ブリーチ」は、数あるヘア施術の中でも、最も髪に大きな負担をかける専門技術です。市販の製品を使って安易にご自身で行うと、髪が深刻なダメージを負ってチリチリになったり、色が抜けずにムラになったり、最悪の場合、二度とパーマやカラーができなくなるほどの状態になる危険性があります。髪の色をリセットしたい場合は、必ずプロにご相談ください。
プロが行う「カラーリセット」の方法
- 脱染剤(カラーリムーバー)の使用
髪にもともとあるメラニン色素は極力残し、人工的に髪の内部に入れた染料(酸化染料)だけを分解する薬剤です。ブリーチに比べて髪への負担は少ないですが、黒染めなどを完全に落とすのは難しい場合もあります。 - ブリーチ(脱色剤)の使用
髪のメラニン色素も、人工的な染料も、全てを分解して髪の色を明るくする方法です。髪へのダメージは大きいですが、より明るい色にしたい場合や、次のカラーをきれいに発色させたい場合には必須となる工程です。プロは、髪の体力を見極めながら、慎重に施術を行います。
なぜカラーの悩みはプロに相談すべきなのか
そもそも「落とす」という事態にならないことが、髪にとっては一番です。
そもそも「失敗しない」ことが最大の対策
- 肌につけないプロの技術
プロの理容師は、頭皮に薬剤を極力つけずに根元ギリギリから染める「ゼロテク」など、肌を汚さないための高度な技術を持っています。 - 完璧なカウンセリング
お客様のなりたいイメージと、現在の髪の状態で可能なスタイルを、施術前にしっかりとすり合わせます。「思った色と違う」という失敗を未然に防ぐことが、プロの重要な役割です。
ダメージを最小限に抑える知識
- 薬剤の選定とコントロール
髪の色を落とす際も、染める際も、プロは髪の状態を見極め、ダメージを最小限に抑えるための最適な薬剤と施術時間を選択します。 - 徹底したアフターケア
施術後の髪は非常にデリケートです。サロン専用の高濃度トリートメントで失われた栄養を補給し、髪の状態を安定させるところまでがプロの仕事です。
まとめ
肌についてしまった白髪染めは、慌てず優しく対処しましょう。しかし、最も重要なのは、そもそも肌につけないように予防すること、そして髪の色選びで失敗しないことです。
髪に一度入れた色を落としたい、という場合は、セルフで行うのは絶対に避けてください。あなたの髪の悩みに真摯に耳を傾け、最小限のダメージで理想の状態へと導く。それが私たちプロの理容師の役目です。手遅れになる前に、ぜひ一度ご相談ください。