白髪染めの黄ばみ対策に「紫シャンプー」。メンズの正しい使い方と効果
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白髪染めをしてから数週間、特にアッシュ系やグレー系のおしゃれな色に染めた髪が、だんだんと黄色っぽく、品なく見えてきてしまう。そんな経験をしたことがある男性は少なくないでしょう。この厄介な「黄ばみ」を抑え、サロンで染めたての美しい髪色を長持ちさせるための強力な味方が、近年注目を集めている「紫シャンプー(ムラシャン)」です。その効果と正しい使い方を、プロの視点から解説します。
Contents
なぜ紫シャンプーは白髪染めの黄ばみに効くのか?
シャンプー液そのものが紫色をしているため、初めて見る方は驚くかもしれません。しかし、この紫色には、髪の黄ばみを抑えるための科学的な根拠があります。
色彩の「補色」を利用したケア
- 髪が黄ばんでしまう原因
ヘアカラー剤に含まれる色素のうち、特にアッシュ系やグレー系を構成する青系の色素は、粒子が小さく髪の内部から抜けやすい性質があります。青系の色素が抜けてしまうと、髪に元々残っていた黄色系の色素が目立ってきてしまい、これが「黄ばみ」の正体です。 - 「黄色」の反対色は「紫色」
色彩の世界には、色相環と呼ばれる色の輪があります。その輪の上で、ちょうど正反対に位置する色同士を「補色」と呼びます。補色には、お互いの色を打ち消し合うという特性があり、まさに「黄色」の補色が「紫色」なのです。 - 紫シャンプーの役割
紫シャンプーは、シャンプー自体に紫色の色素が配合されています。このシャンプーで髪を洗うことにより、髪の表面に紫の色素を補充し、黄ばみの原因である黄色い色素を打ち消し、中和します。これにより、白やグレー、アッシュ系の持つ透明感やくすみ感を維持し、美しい髪色を長持ちさせることができます。
効果を最大化する!紫シャンプーの正しい使い方と注意点
紫シャンプーは、ただいつものシャンプーと置き換えるだけでは、その効果を十分に発揮できないことがあります。より効果的な使い方と、使用する上での注意点を知っておきましょう。
いつものシャンプーと置き換えるだけではない
- 使用する頻度の目安
紫シャンプーは、毎日使用する必要はありません。使いすぎると、逆に髪がうっすらと紫色っぽくなってしまう可能性もあります。週に2~3回程度、普段お使いのシャンプーと置き換えて使用するのが一般的です。 - より効果的な使い方
- まずは普段お使いのシャンプーで、髪と頭皮の汚れやスタイリング剤をしっかりと洗い流します。(※必須ではありませんが、泡立ちと効果が高まります)
- 紫シャンプーを適量手に取り、しっかりと泡立ててから髪全体に均一に馴染ませます。特に黄ばみが気になる部分には多めに付けると良いでしょう。
- すぐに洗い流さず、泡を髪に乗せたまま3分から5分程度時間を置きます。この「泡パック」の時間に、紫の色素が髪に浸透します。
- 紫色の水が出なくなるまで、ぬるま湯で丁寧に、そしてしっかりとすすぎます。
- 使用上の注意点
爪や手が染まる可能性
素手で長期間使用していると、爪の間などが薄く紫色に染まることがあります。気になる方は、ビニール手袋などを着用して使用することをおすすめします。
浴室の汚れ
泡が浴室の壁や床、タオルなどに付着したまま放置すると、シミになる可能性があります。使用後は、シャワーなどでしっかりと洗い流しましょう。
ホームケアの限界と理容室でのプロのサポート
紫シャンプーは非常に有効なホームケアアイテムですが、それだけで完璧な色を維持できるわけではありません。美しい髪色を保つためには、土台となるサロンでの施術が最も重要です。
美しい髪色を維持するためのトータルケア
- 紫シャンプーが活きる髪色
アッシュ系、グレー系、シルバー系、あるいはブリーチをしたハイトーンの白髪染めには絶大な効果を発揮します。一方で、濃いブラウンや地毛に近い黒髪に染めている場合は、その効果はほとんど感じられません。 - そもそも黄ばみにくいカラー設計
プロの理容師は、お客様の髪質や過去のカラー履歴から、色がどのように抜けていくかを予測します。そして、そもそも色落ちしても黄ばみが出にくいように、白髪染めの薬剤を調合する段階で、補色として紫の色素を微量に加える、といったプロならではの技術を用います。 - 髪質に合った製品の選定とアドバイス
紫シャンプーにも、色素の濃さや保湿成分の量など、様々な種類があります。プロは、お客様の髪質やダメージレベル、希望する髪色を維持するために最適な製品を選び出し、的確な使い方をアドバイスすることができます。 - サロンでの集中トリートメントの重要性
髪のダメージが進行すると、キューティクルが剥がれて色素が流れ出しやすくなり、黄ばみの原因にもなります。ホームケアだけでは補えない髪の内部ダメージを、サロンの集中トリートメントで定期的にケアすることが、色持ちを良くし、黄ばみにくい健康な髪を保つための基本となります。
まとめ
紫シャンプーは、白髪染め後の気になる黄ばみを抑え、アッシュ系やグレー系の美しい髪色を長持ちさせるための、非常に有効なホームケアアイテムです。しかし、その効果を最大限に発揮させるには、正しい使い方と、そもそも黄ばみにくい髪の土台を作るサロンでのプロの技術が不可欠です。日々のケアに紫シャンプーを取り入れ、定期的にサロンでメンテナンスを行う。この両立こそが、理想のヘアカラーを長く楽しむための秘訣です。
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