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散髪の際に、多くの方が一度は口にしたことがあるであろう、この言葉。「全体的に、すいてください」。髪の重さを取り、軽やかさを出すための、この非常にポピュラーな注文ですが、その裏には、多くの疑問や、時には失敗のリスクも隠されています。
この記事では、「髪をすく」ことに関する、お客様からよくいただく質問に、プロの理容師がQ&A形式で、分かりやすくお答えしていきます。
「髪をすく」に関する、よくある質問(Q&A)
Q1. 「髪をすく」とは、具体的に何をしているのですか?
- A. 髪の「量」を調整し、「質感」を創り出す、専門的なカット技術です。
私たちは、「すきバサミ」と呼ばれる、特殊なハサミなどを使います。これを用いて、ヘアスタイルの中間や内側の髪の毛を、長さを変えずに、間引くようにカットしていきます。これにより、髪全体の量を減らしたり、毛先に柔らかな動きを出したり、スタイルに立体感を与えたりすることができるのです。
Q2. どんな人が「髪をすく」と、良い効果がありますか?
- A. 主に、髪の量が多い方や、髪質が硬くて動きが出にくい方です。
髪の量が多い方の、サイドの膨らみや、全体の重さを、すくことで解消し、コンパクトで、まとまりの良いシルエットにすることができます。また、髪質が硬く、直毛で動きが出にくい方の髪をすくことで、ワックスなどをつけた際に、簡単に束感や動きを創り出すことが可能になります。
Q3. 頼み方が分かりません。「量を減らして」とだけ言えば良いですか?
- A. あなたの「悩み」や「なりたいイメージ」を伝えるのが、一番のコツです。
「量を減らしてほしい」という素晴らしい第一歩に、ぜひ、あなたの目的を付け加えてみてください。
「サイドが膨らんで、頭が大きく見えてしまうのが悩みです」
「ワックスをつけた時に、簡単に束感が出るような、軽い質感にしたいです」
このように伝えてくれると、プロは、あなたの悩みを解決するための、最適な「すき方」を、正確に判断することができます。
Q4. 髪を「すきすぎる」と、どうなってしまうのですか?
- A. パサつきや、まとまりの悪さ、スタイルの崩れの、最大の原因になります。
これが、髪をすく際に、最も注意すべき点です。髪は、ある程度の重さがあることで、初めてまとまりが生まれます。必要以上に髪をすきすぎてしまうと、髪が軽くなりすぎてパサついたり、まとまりがなくなり、かえってスタイリングが難しくなってしまいます。また、カットで創り上げた、ヘアスタイルのベースとなる形(シルエット)が、崩れてしまうこともあります。
Q5. 髪が元々少ないのですが、すいてもらえますか?
- A. ほとんどの場合、おすすめしません。
髪をすくという技術は、あくまで「多すぎる量」を、適量に調整するためのものです。元々、髪の量が少ない方や、髪が細い方の髪をすいてしまうと、かえって髪がペタッとしてしまい、貧相な印象になってしまう可能性があります。優れた理容師は、その場合は、すくのではなく、別のカット技術で、ボリューム感を出す方法を提案します。
最高の仕上がりは、プロの「さじ加減」にある
なぜ、プロの判断が不可欠なのか
- 髪質と骨格を、的確に見極める
プロの理容師は、お客様一人ひとりの髪質や骨格を瞬時に見極めます。そして、ヘアスタイルのどの部分を、どのくらいすけば、あなたの悩みが解決され、そして最も格好良く見えるのかを、完璧に理解しています。
- カットとの、緻密な連動
髪をすくことは、独立した作業ではありません。ベースとなるカットと緻密に連動させ、スタイル全体の完成度を高めるための、重要な仕上げの工程なのです。
- セルフカットの、大きな危険性
ご自身で、すきバサミを使って髪をすくことは、ヘアスタイルを修復不可能なレベルまで傷めてしまう、非常に危険な行為です。
まとめ
散髪における「髪をすく」という技術は、あなたのヘアスタイルを、より軽やかに、そして、よりスタイリングしやすくするための、非常に有効な手段です。そのオーダーを成功させる鍵は、ただ「すいてください」と伝えるだけでなく、あなたが「なぜ、すいてほしいのか」という、その目的や悩みを、プロの理容師に、正直に話してみることです。
そして、優れた理容師は、あなたの髪の状態を見極め、時には「ここは、すかない方が良いですよ」という、最善の提案もしてくれます。
ぜひ、安心して、あなたの髪の悩みを、私たちプロに相談してみてください。
ABOUT ME

天神大牟田線・西鉄小郡駅前のメンズヘアサロン「FRESHNESS BARBER shop」の広報担当です。福岡県出身。学生時代は水泳部に所属。趣味は、漫画やアニメを見ること(HUNTER×HUNTER、NARUTO -ナルト-、BLEACHなど)。