【理容師が最も重視する】洗髪の『すすぎ方』。頭皮トラブルを防ぐための徹底解説
毎日の洗髪において、皆様はシャンプーで「洗う」工程と、シャワーで「すすぐ」工程、どちらにより時間をかけていらっしゃいますでしょうか。多くの方が、洗うことには意識を向けても、すすぐことは手早く済ませてしまっているかもしれません。しかし、私たち理容師がお客様の髪を洗わせていただく際に、最も神経を使い、時間をかけているのが、実はこの「すすぎ」の工程なのです。
なぜなら、なかなか改善しないフケやかゆみ、頭皮のべたつきといったお悩みの原因の多くが、この「すすぎ残し」にあるからです。今回は、なぜそれほどまでにすすぎが重要なのか、その理由と今日から実践できる正しいすすぎ方のコツを、プロの視点から徹底的に解説してまいります。
なぜ「すすぎ」がそれほどまでに重要なのか
シャンプーやトリートメントに含まれる洗浄成分や保湿・コーティング成分は、髪や頭皮の汚れを落とし、状態を整えるためには不可欠です。しかし、その役割を終えた後、これらの成分が頭皮に残留してしまうと、毛穴を塞ぎ、皮脂と混ざり合って酸化し、雑菌が繁殖するための格好の栄養源となってしまいます。これが、かゆみや炎症、フケ、気になる臭いを引き起こす直接的な原因となるのです。また、すすぎ残しは頭皮だけに留まりません。洗い流した泡が顔の生え際や首、背中に付着したままになると、肌荒れやニキビを誘発することもあり、すすぎの重要性がいかに高いかをお分かりいただけるかと存じます。
すすぎの基本:時間と温度
正しいすすぎの第一歩は、適切な「時間」と「温度」を意識することです。まず時間については、「シャンプーで洗っていた時間の倍以上」を目安にしてください。具体的には2分から3分ほど、たっぷりと時間をかけることが理想です。髪のぬめり感がなくなったと感じてから、さらに30秒ほど追加ですすぐくらいの意識を持つと万全です。そして、お湯の温度は38度前後のぬるま湯を保ちましょう。熱すぎるお湯は頭皮を乾燥させ、逆に冷たすぎる水は洗浄成分が固まって落ちにくくなるため、適切な温度設定が効果的なすすぎを支えます。
すすぎ残しを防ぐプロのテクニック
時間をかける意識と共に、いくつかの具体的なテクニックを実践することで、すすぎの質は格段に向上します。最も重要なのは、シャワーヘッドを頭皮に近づけてすすぐことです。上からお湯を流すだけでは、髪の表面を水が伝うだけで、肝心の頭皮まで届きません。手で髪をかき分けながら、シャワーヘッドを頭皮に密着させるようにして、頭皮そのものを洗い流すイメージで行ってください。
特に泡が残りやすいのは、①髪の生え際(額やもみあげ)、②耳の後ろ、③襟足の3箇所です。これらの「残りやすいゾーン」から意識的にすすぎ始め、最後に頭全体を流すという順番も効果的です。
トリートメントのすすぎ方にも注意が必要です
シャンプーだけでなく、トリートメントやコンディショナーのすすぎ方にも注意が必要です。髪の滑りを良くする成分が含まれているため、多少のぬめり感を残した方が効果が持続すると誤解されがちですが、これも間違いです。髪の内部に必要な成分はすでに浸透していますので、頭皮や髪の表面に残った余分な成分は、シャンプー同様、トラブルの原因となり得ます。指通りが滑らかになったと感じるまで、きちんとすすぎ切ることを心がけてください。
完璧なすすぎをサロンで体験するということ
ここまでにご紹介したコツを、ご自身の後頭部や見えない襟足に至るまで、すべて完璧に実践するのは、実のところ非常に難しいものです。私たち理容師は、お客様一人ひとりの頭の形や髪の生え方を熟知し、どの角度からシャワーを当てれば、どこに泡が残りやすいかを経験則で理解しています。サロンでのシャンプーは、この「完璧なすすぎ」によって、ご自宅では得られない格別の爽快感と、頭皮トラブルのリスクを根本から取り除くという安心感をご提供できるのです。
すすぎを制する者は、美髪を制す
まさに「すすぎを制する者は、美髪を制す」と言っても過言ではないほど、すすぎはヘアケアの根幹をなす重要な工程です。もし長年の頭皮トラブルにお悩みで、ご自身のすすぎ方に自信が持てない場合は、ぜひ一度、私たち専門家にお任せください。お客様一人ひとりに合わせた丁寧な施術で、頭皮が深呼吸するような、本物の爽快感をお届けすることをお約束します。誠実な技術で、お客様のお悩み解決をサポートさせていただきます。