【メンズヘア】ソフトモヒカンのセットが決まる、正しいワックスの使い方
爽やかで男らしいヘアスタイルの王道、ソフトモヒカン。その魅力をさらに引き立て、一日中、完璧な状態をキープするために不可欠なアイテムが、ヘアワックスです。しかし、その種類は非常に多く、また、使い方を少し間違えるだけで、かえって髪型が重たく見えたり、清潔感を損なったりする原因にもなりかねません。今回は、プロの理容師が実践する、ソフトモヒカンの魅力を最大限に引き出すための、ワックスの選び方と、正しいセットの仕方について、基本から詳しく解説してまいります。
あなたの理想を叶える、ワックスの選び方
まず初めに、ご自身がなりたいイメージに合わせて、最適な種類のワックスを選ぶことが大切です。
束感と動きを重視するなら「ファイバーワックス」
ワックスの中に、細い繊維(ファイバー)が含まれており、非常に伸びが良く、髪になじませやすいのが特徴です。自然な毛束感や、軽やかな動きを創り出すのに適しており、ソフトモヒカンのスタイリングにおいて、最もベーシックで、扱いやすい選択肢と言えるでしょう。
力強い立ち上がりとキープ力なら「クレイワックス」
泥(クレイ)成分などが配合されており、ツヤのないマットな質感と、非常に高いセット力が特徴です。髪質が硬い方や、トップの髪を、一日中、力強く立ち上げておきたい場合に最適です。
清潔感のあるツヤと、まとまりを求めるなら「グリース」
ウェットな質感で、美しいツヤのある仕上がりが特徴です。髪をきれいにまとめ、清潔感や品格を演出したい、ビジネスシーンなどのスタイリングにおすすめです。
失敗しない、ワックスセットの基本手順
理想のワックスを選んだら、いよいよセットの実践です。いくつかの基本的な手順を守るだけで、仕上がりは劇的に変わります。
準備:ドライヤーで、八割がた完成させる
まず心に留めておいていただきたいのは、ワックスは、あくまでドライヤーで創り上げたシルエットに、「質感」と「キープ力」を加えるための、最後の仕上げであるということです。トップを根元から立ち上げ、サイドを抑えるという、ソフトモヒカンの基本の形を、ドライヤーの段階で、ほぼ完璧に創り上げておくことが、何よりも重要です。
手順その一:量は「小豆一粒分」から
ワックスを手に取る量は、まず「小豆一粒分」程度の、ごく少量から始めるのが鉄則です。一度にたくさんつけすぎると、重さで髪が潰れたり、ベタベタになったりする原因になります。足りなければ、後から少しずつ足していく、という考え方が、失敗しないための秘訣です。
手順その二:手のひらで「透明になるまで」よく伸ばす
ワックスが、髪の一部だけにダマになってついてしまうのを防ぐため、そして髪全体に均一になじませるために、この工程が最も重要です。手のひら、そして指と指の間まで、ワックスが体温で温まり、完全に透明になるまで、しっかりと伸ばしてください。
手順その三:根元から、髪全体にもみ込む
毛先だけにつけるのではなく、トップの髪の内側、根元に近い部分から、髪全体に空気を含ませるように、下から上へと、優しく、そして大胆にもみ込むようになじませていきます。
手順その-四:指先で「毛束をつまみ」シルエットを整える
全体にワックスがなじんだら、最後に、指先に残ったワックスで、トップの毛束を少しずつつまみ、軽くねじったり、散らしたりしながら、ご自身が理想とするシルエットと束感を創り上げていけば、プロのような仕上がりの完成です。
ワックスをつけても、上手くいかない時は
もし、これらの正しい手順でワックスをつけても、トップがうまく立ち上がらなかったり、サイドが膨らんでしまったりする。そんな問題が起こる場合、その原因は、あなたのスタイリング技術ではなく、その土台となっている「カット」そのものにある可能性が、非常に高いと言えます。
誠実な理容師は、ただ髪を切るだけでなく、お客様がご自宅に帰られてから、ご自身でワックスをつけた時に、自然な束感が生まれ、簡単に格好良く形が決まるように、毛量や毛流れを、ミリ単位で緻密に計算しながらカットしています。その「再現性の高さ」こそが、プロのカットが持つ、本当の価値なのです。あなたの髪質に最適なワックスの種類から、具体的な付け方のコツまで、最も的確なアドバイスをくれるのは、あなたの髪を誰よりも深く知っている、担当の理容師です。ぜひ一度、信頼できる理容室で、カットからスタイリングまで、トータルでのアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。