シャンプーの全種類を徹底解説|自分に合う一本を見つけるための、完全分類
ドラッグストアや美容室の棚に、多種多様なシャンプーがずらりと並ぶ光景。その圧倒的な種類の多さを前に、「一体どれが自分に合っているのだろう」と、途方に暮れてしまった経験はございませんでしょうか。パッケージのデザインや香り、あるいは価格帯など、製品を選ぶ基準は様々ですが、その無数の選択肢の中から、ご自身にとって最良の一本を見つけ出すためには、まず、シャンプーがどのような「種類」に分けられるのか、その全体像を把握することが、何よりも確かな羅針盤となります。ここでは、プロフェッショナルの視点から、シャンプーの全種類を体系的に解説いたします。
最も本質的な分類、「洗浄成分」による種類分け
シャンプーの個性と品質を、最も根本的に決定づけているのが、その主成分である「洗浄成分」です。この洗浄成分の種類によって、洗い上がりの質感や、髪・頭皮への影響が大きく変わってきます。
市販品の主流である「高級アルコール系」
高い洗浄力と、豊かな泡立ちが特徴で、現在、市販されているシャンプーの多くが、この種類に分類されます。皮脂分泌の多い方や、ハードなスタイリング剤をすっきりと洗い流したい場合には適していますが、その洗浄力の高さゆえに、肌質によっては頭皮の乾燥や髪のきしみを引き起こす可能性があります。
優しい洗浄力の代表格「アミノ酸系」
私達がサロンワークで使用する、プロフェッショナル仕様のシャンプーの多くが、このアミノ酸系の洗浄成分を主としています。人間の皮膚や髪と同じ、弱酸性の性質を持ち、頭皮のうるおいを守りながら、不要な汚れだけをマイルドに洗い上げるのが最大の特徴です。乾燥肌や敏感肌の方、あるいはダメージが気になる方など、髪と頭皮をいたわりたいと考える、ほとんど全ての方に適した、バランスの取れた洗浄成分です。
自然派の選択肢「石けん系」
天然の油脂を原料とした、古くからある洗浄成分です。さっぱりとした強い洗浄力を持ち、環境にやさしいという側面も持っていますが、その性質がアルカリ性であるため、髪のキューティクルが開きやすく、洗い上がりに特有のきしみやごわつきを感じることがあります。
「お悩みに応える機能」による、目的別の種類分け
洗浄成分という土台の上に、どのようなプラスアルファの機能を持たせるかによっても、シャンプーは、さらに細かく分類されます。
頭皮環境を整える「スカルプシャンプー」
フケやかゆみ、べたつき、においといった、頭皮そのもののトラブルに着目し、その環境を健やかに整えることを目的としたシャンプーです。抗炎症成分や、皮脂バランスを整える成分などが配合されています。
髪のダメージを補修する「ダメージケアシャンプー」
ヘアカラーやパーマ、日々の熱などによって傷んだ髪を、内側から補修することを目的としています。髪の主成分であるケラチンなどのタンパク質や、保湿成分を豊富に含み、しなやかで潤いのある髪へと導きます。
年齢に応じたケアを施す「エイジングケアシャンプー」
年齢と共に失われがちな、髪のハリやコシ、ボリューム感の低下、あるいは頭皮の乾燥といった、複合的な悩みにアプローチするためのシャンプーです。髪を補強する成分や、頭皮の血行を促進する成分などが配合されています。
無数の種類から、あなただけの一本を選ぶために
シャンプーを選ぶ際は、まず、ご自身の頭皮の状態に合わせて、基本となる「洗浄成分」の種類を決めます。そして、その上で、ご自身が抱える髪や頭皮の悩みに応じた、「機能性」を掛け合わせる。この二つのステップで考えていくことで、無数の選択肢の中から、ご自身の進むべき方向性が見えてくるはずです。
最高の案内役は、あなたの髪を知る専門家
シャンプーの種類を理解することは、最適な一本を見つけるための、大きな助けとなります。しかし、ご自身の頭皮の状態を正確に診断し、数ある成分の中から、本当に必要なものを見極めることは、決して簡単なことではありません。私達、髪の専門家である美容師は、シャンプーに関する深い知識と、お客様の髪と頭皮を直接診断するプロの視点の両方から、あなたのためだけの、最高のシャンプーを選び出す、最も信頼できる案内役です。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。