シャンプーの「予洗い」正しいやり方|プロが教える、効果を最大限に引き出す一手間
シャンプーで髪を洗う際、皆様はどのような手順で始めていらっしゃいますでしょうか。多くの方が、髪をさっと濡らして、すぐにシャンプー剤を手に取っているかもしれません。しかし、そのシャンプー剤をつける前の、ほんの僅かな時間こそが、その日のシャンプーの効果、ひいては髪と頭皮の健康を大きく左右する、非常に重要なプロセスなのです。私達プロフェッショナルが、シャンプーにおいて最も大切にしている工程の一つ、それが「予洗い」です。ここでは、その絶大な効果と、正しいやり方について詳しく解説いたします。
シャンプー前の「予洗い」がもたらす、絶大な効果
予洗いとは、シャンプー剤をつける前に、お湯だけで髪と頭皮を十分にすすぐことです。この、一見すると地味な工程には、計り知れないほどの重要な意味が隠されています。
汚れの7割以上は、お湯だけで落ちる
実は、一日の活動で髪や頭皮に付着した汗やほこり、軽い皮脂汚れといったものの約7割から8割は、お湯だけで洗い流すことができると言われています。予洗いを丁寧に行うことで、シャンプー本来の役割である、お湯だけでは落ちにくい頑固な皮脂やスタイリング剤といった汚れに、その力を集中させることができるのです。
シャンプーの泡立ちが、劇的に向上する
予洗いが不十分なままシャンプー剤をつけると、髪や頭皮に残った汚れや油分に洗浄成分が反応してしまい、泡立ちが悪くなります。豊かな泡は、髪同士の摩擦を防ぐクッションとなり、毛穴の汚れを吸着する大切な役割を担います。丁寧な予洗いは、シャンプーがその性能を最大限に発揮するための、最高の舞台を整える行為なのです。
髪と頭皮への負担を、最小限に抑える
豊かな泡が立つことで、ゴシゴシと強く擦る必要がなくなり、髪や頭皮への物理的な刺激を最小限に抑えることができます。また、洗浄が効率的に行われるため、シャンプーの使用量を減らすことにも繋がり、結果として経済的であるだけでなく、化学的な負担の軽減にもなります。
プロが実践する、正しい「予洗い」のやり方
予洗いの効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。ぜひ、今夜のバスタイムから実践してみてください。
お湯の温度は「38度前後」のぬるま湯で
熱すぎるお湯は、頭皮に必要な皮脂まで奪い去り、乾燥やかゆみの原因となります。逆に、冷たすぎると皮脂汚れが固まってしまい、十分に浮き上がらせることができません。人肌より少し温かいと感じる、38度前後のぬるま湯が、予洗いには最も適しています。
時間の目安は「1分から2分」しっかりと
普段、髪を濡らすだけなら、おそらく数十秒で終えていることでしょう。しかし、予洗いは「すすぎ」です。時計を意識して、最低でも1分、できれば2分ほど、時間をかけて行ってください。この時間が、頭皮を柔らかくし、汚れをじっくりと浮き上がらせるために必要なのです。
洗うのは「髪」ではなく「頭皮」を意識する
シャワーヘッドを片手に持ち、もう片方の手の指の腹を使って、頭皮全体を優しくマッサージするように動かしながら、お湯を頭皮にしっかりと届けていきます。髪の表面を濡らすだけでなく、頭皮そのものに、お湯を行き渡らせるという意識が大切です。
髪の生え際や襟足も、忘れずに
特に、皮脂が溜まりやすい髪の生え際や、スタイリング剤が残りやすいもみあげ、そして見落としがちな耳の後ろや襟足といった部分は、意識して念入りにすすぎましょう。
予洗いを制する者は、ヘアケアを制す
予洗いという一手間を惜しまないこと。それが、あなたの毎日のシャンプーを、プロフェッショナルなレベルへと引き上げる、最もシンプルで、最も効果的な方法です。質の高いシャンプーは、この正しい予洗いと組み合わせることで、初めてその真価を発揮します。あなたのヘアケアを、本質から見直してみませんか。