シャンプーの「二回洗い」は必要?プロが解説する、その意味と正しい方法
美容室でシャンプーをしてもらう際、ほとんどの場合、二回に分けてシャンプーをされることにお気づきでしょうか。ご自宅でのセルフケアにおいても、「シャンプーは二回するのが良い」と、一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、その本当の意味や、どのような場合に二回洗いが必要なのか、そしてその正しいやり方については、意外と知られていないようです。ここでは、私達プロフェッショナルが実践している「二回洗い」の目的と、その効果を最大限に引き出すための方法について詳しく解説いたします。
一回目と二回目のシャンプー、それぞれの役割
シャンプーを二回行う「二回洗い」は、単に同じことを二度繰り返しているのではありません。一回目のシャンプーと二回目のシャンプーには、それぞれ明確に異なる目的と役割があります。この違いを理解することが、効果的なヘアケアの第一歩です。
一回目のシャンプーは「髪の汚れ」を落とす準備
一回目のシャンプーの主な目的は、髪の表面に付着したほこりや、ヘアワックス、ヘアスプレーといったスタイリング剤、そして余分な皮脂などを、大まかに洗い流すことです。スタイリング剤などが多く付着していると、この段階ではあまり泡立たないことがありますが、それはシャンプーの洗浄成分が、油性の汚れを分解するために働いている証拠ですので、全く問題ありません。いわば、本格的な洗浄のための「準備洗い」と位置づけられます。
二回目のシャンプーで「頭皮」を本格的に洗う
一回目のシャンプーで髪表面の大きな汚れが取り除かれると、二回目のシャンプーは驚くほど豊かに、そしてきめ細かく泡立ちます。この豊かな泡のクッションを使って、いよいよ「頭皮」を本格的に洗浄していきます。髪を洗うというよりも、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗い、毛穴に詰まった皮脂や、落としきれなかった汚れを丁寧に浮かび上がらせることが、二回目のシャンプーの最も重要な役割です。
「二回洗い」が特に効果的な、こんな時
毎日必ず二回洗いをしなければならない、というわけではありません。ご自身のその日の頭皮や髪の状態に合わせて、必要かどうかを判断するのが良いでしょう。特に、以下のような場合には、二回洗いが非常に効果的です。
ハードなスタイリング剤を使用した日
セット力の強いワックスや、キープ力の高いヘアスプレーなどを多めに使用した日は、一度のシャンプーでは成分が落としきれないことがあります。洗い残しは頭皮トラブルの原因となるため、二回洗いで確実にリセットすることをおすすめします。
汗や皮脂で、特に頭皮がべたつくと感じる日
スポーツで大量に汗をかいた日や、一日中帽子をかぶっていて頭皮が蒸れてしまった日など、皮脂や汗の分泌が特に多いと感じる日は、二回洗いをすることで、毛穴の奥からすっきりと洗い上げ、においの原因も解消することができます。
一回の質を高める、という選択
二回洗いは、頭皮と髪を理想的な状態に導くための、非常に有効なプロのテクニックです。しかし、毎日スタイリング剤を使わない方や、皮脂の分泌がそれほど多くない方にとっては、一回のシャンプーの「質」を高めることで、必ずしも二回洗いにこだわる必要はなくなります。洗浄力がマイルドでありながら、優れた泡立ちと洗浄効果を持つ高品質なシャンプーを選び、丁寧な「予洗い」を徹底すれば、一度のシャンプーでも、髪と頭皮の両方を十分に、そして優しく洗い上げることが可能です。ご自身のライフスタイルや髪質にとって、どのような洗浄習慣が最適なのか。もし迷われることがあれば、いつでも私達のような髪の専門家にご相談ください。