シャンプーが水っぽくなる原因とは?品質を保つための正しい保管と知識
お気に入りのシャンプーをいつものように使おうとした時、手に取った感触が、以前と違ってやけに「水っぽい」と感じた経験はございませんでしょうか。とろみのあった液体が、まるで水のようにサラサラになってしまう。その予期せぬ変化に、「もしかして、品質が劣化してしまったのだろうか」「このまま使い続けても大丈夫なのだろうか」と、不安に感じられる方も少なくないはずです。ここでは、そのシャンプーが水っぽくなる現象の主な原因と、製品の品質を損なうことなく、最後まで快適に使い切るための、正しい知識について詳しく解説いたします。
シャンプーが水っぽくなる、主な二つの原因
シャンプーの質感が変わってしまう背景には、主に二つの原因が考えられます。その多くは、日々のバスルームでの、何気ない習慣の中に潜んでいます。
原因1:ボトル内への「水分」の混入
最も一般的で、そして最も多い原因が、シャンプーボトルの内部に、意図せずして水分が混入してしまうことです。例えば、シャワーを使いながら、ポンプのノズル部分にお湯をかけてしまったり、詰め替え用のボトルを洗った後、完全に乾かしきらないまま新しいシャンプーを注いでしまったり。こうした行為によってボトル内に水が侵入すると、シャンプーの成分が希釈され、本来の粘度が失われて水のような質感になってしまいます。
原因2:高温による「成分」の変化
もう一つの原因が、保管場所の「温度」です。シャンプーのとろみは、配合されている増粘剤などの成分が、絶妙なバランスで組み合わさることによって生まれています。しかし、夏場の浴室や、直射日光の当たる窓際といった、高温の環境に長期間置かれると、熱によってこれらの成分の構造が変化したり、成分同士が分離してしまったりすることがあります。これもまた、シャンプーが水っぽくなる原因となり得ます。
水っぽくなってしまったシャンプーは、使っても良いのか
では、一度水っぽくなってしまったシャンプーは、そのまま使い続けても問題ないのでしょうか。私達プロフェッショナルの見解としては、「原則として、ご使用を中止していただくこと」を強くおすすめいたします。その理由は、安全への配慮にあります。特に、ボトル内に水分が混入してしまった場合、その水分を栄養源として、ボトル内で雑菌が繁殖している可能性が否定できません。雑菌が繁殖したシャンプーを使い続けることは、頭皮のかゆみやフケ、炎症といった、深刻な肌トラブルを引き起こすリスクを伴います。また、成分が変化してしまった場合、製品本来の洗浄効果や保湿効果が期待できないだけでなく、予期せぬ肌への刺激となる可能性もあります。
シャンプーの品質を守る、正しい保管方法
シャンプーの品質を最後まで保つためには、日々の少しの心がけが大切です。
高温・多湿・直射日光を避ける
シャンプーの保管場所は、浴室乾燥機を使用する際の高温や、直射日光が当たる場所は避け、なるべく涼しく、風通しの良い場所を選びましょう。
ボトルの口を清潔に保ち、水の混入を防ぐ
シャワー中は、ボトルのポンプ部分に直接お湯がかからないように注意し、使用後はポンプの口を清潔に保つことを心がけてください。
詰め替え時の、ひと手間を惜しまない
詰め替え用のボトルを再利用する際は、内部をきれいに洗浄した後、カビや雑菌の繁殖を防ぐため、完全に乾燥させてから詰め替えることを徹底してください。
最高の状態で、最高のヘアケアを
シャンプーの質感は、その製品が持つ品質と安定性を示す、大切なバロメーターです。高品質なシャンプーは、その効果を最大限に発揮できるよう、緻密な計算のもとに処方設計されています。その価値を損なうことなく、最高の状態でヘアケアをお楽しみいただくためにも、日々の保管方法に、少しだけ意識を向けてみてはいかがでしょうか。もし、製品の選び方や管理方法についてご不明な点がございましたら、いつでも私達にご相談ください。