シャンプーにかける時間はどれくらいが正解?プロが教える、理想的な時間配分
慌ただしい毎日の中で、バスタイム、特にシャンプーにかける時間は、つい短縮してしまいがちなプロセスかもしれません。「髪を濡らして、シャンプーをつけて、洗い流す」。その一連の流れを、一体どのくらいの「時間」をかけて行うのが正解なのか、深く考えたことはございますでしょうか。実は、髪と頭皮の健康を考える上で、シャンプーにかける時間の「配分」は、非常に重要な意味を持っています。ここでは、私達プロフェッショナルが実践している、理想的なシャンプーの時間術について、詳しく解説いたします。
シャンプーの成否は「すすぎ」の時間で決まる
シャンプーと聞くと、多くの方が、シャンプー剤を泡立てて「洗っている時間」が最も重要だとお考えになるかもしれません。しかし、プロの視点から見ると、それは少し違います。私達が最も大切にしているのは、シャンプー剤が髪についていない時間、すなわち、お湯だけで行う「予洗い」と「すすぎ」の時間です。もし、シャンプーの全工程を5分間と仮定するならば、そのうちの実に3分から4分は、この「すすぎ」に費やすべき、というのが私達の考えです。
理想的なシャンプーの時間配分、その内訳
それでは、具体的な時間の配分について、その目的と共に見ていきましょう。
最初の1分から2分:「予洗い」に、最も時間をかける
シャンプーのプロセスにおいて、最も効果を左右すると言っても過言ではないのが、シャンプー剤をつける前の「予洗い」です。38度程度のぬるま湯で、最低でも1分、できれば2分ほどの時間をかけて、髪と頭皮をまんべんなく、そして丁寧にすすぎます。この工程をしっかりと行うことで、汗やほこりといった、髪と頭皮の汚れの約7割は洗い流されると言われています。この一手間が、その後のシャンプーの泡立ちを劇的に改善し、洗浄効果を最大限に引き出すための、最高の準備となります。
次の1分:「洗浄」は、優しく、そして手際よく
丁寧な予洗いが完了していれば、シャンプー剤を使った「洗浄」の時間は、実はそれほど長くなくても十分です。適量のシャンプーを手のひらでよく泡立て、その豊かな泡をクッションにして、髪を擦るのではなく、頭皮を指の腹で優しくマッサージするように、手際よく洗い上げていきます。時間の目安は、1分程度で十分でしょう。
最後の2分:「すすぎ」は、洗う時以上に念入りに
そして、最後の仕上げとなるのが、シャンプー剤を洗い流すための「すすぎ」です。シャンプー剤のすすぎ残しは、かゆみやフケ、べたつき、においといった、あらゆる頭皮トラブルの最大の原因となります。洗っていた時間の、少なくとも倍の時間をかける意識で、髪の生え際や耳の後ろ、襟足といった残りやすい部分まで、ぬめり感が完全になくなるまで、徹底的に洗い流してください。
時間の質を高める、という考え方
この理想的な時間配分は、質の高いシャンプーと組み合わせることで、その真価を最大限に発揮します。優れたシャンプーは、丁寧な予洗いを行うことで、少量でもきめ細かく豊かな泡が立ち、その泡の力で、短い時間でも効率よく汚れを浮かび上がらせてくれます。そして、頭皮や髪に余計な成分を残すことなく、スムーズに洗い流すことができます。
毎日の5分間を、未来の髪への投資へ
シャンプーにかける全体の時間が同じでも、その内訳、すなわち時間配分への意識を変えるだけで、あなたの髪と頭皮の状態は、きっと良い方向へと変わっていくはずです。日々の何気ない5分間を、ご自身の未来の髪を育むための、価値ある投資の時間へと変えてみませんか。ご自身の髪質に合った、より効果的な時間配分やケアの方法についてお知りになりたい方は、いつでも私達にご相談ください。