ダメージケアシャンプーの選び方|傷んだ髪を、芯から補修する本質的アプローチ
ヘアカラーやパーマ、毎日のドライヤーやヘアアイロンの熱、そして夏場の強い紫外線。私たちの髪は、思いのほか、日々の様々な要因によってダメージを受けています。髪のパサつきや、指通りの悪さ、切れ毛や枝毛といったサインは、そのダメージが進行している証拠です。こうした髪の傷みを本気でケアしたいと考えた時、多くの方はトリートメントに目を向けがちですが、実は、最も基本的で、そして最も重要なのが、毎日使う「シャンプー」そのものを見直すことなのです。
まずは、髪の「ダメージ」の正体を理解する
効果的なダメージケアを行うためには、まず、髪の内部で何が起こっているのか、その「ダメージ」の正体を正しく理解する必要があります。
髪の内部にできる「ダメージホール」
私たちの髪の芯は、そのほとんどがケラチンというタンパク質で構成されており、健康な状態では、このタンパク質がぎっしりと詰まっています。しかし、カラーやパーマの薬剤、あるいは熱などの影響を受けると、このタンパク質が破壊され、髪の外部へと流出してしまいます。その結果、髪の内部には、成分が失われた空洞、いわゆる「ダメージホール」ができてしまうのです。この空洞化が、髪のハリやコシを失わせ、弱々しく、切れやすい状態にしてしまう根本的な原因です。
表面を覆う「キューティクル」の剥離
髪の最も外側は、キューティクルという、うろこ状の組織が何層にも重なり合うことで、内部を保護しています。ダメージを受けると、このキューティクルが剥がれたり、逆立ったりしてしまいます。鎧を失った髪は、内部のタンパク質や水分が、さらに流出しやすい無防備な状態となり、ダメージの悪循環に陥ってしまうのです。
ダメージケアシャンプーが果たす、二つの重要な役割
ダメージケアを目的としたシャンプーは、単に髪を洗浄するだけでなく、この深刻なダメージ状態を、内側と外側の両方から補修するための、特別な役割を担っています。
役割1:「補修成分」で、髪の内部を満たす
ダメージケアシャンプーの最も重要な役割は、ダメージホールができた髪の内部を、失われた栄養分で満たし、補強することです。髪の主成分に近い、加水分解ケラチンなどのタンパク質由来の「補修成分」は、分子が非常に小さく、髪の内部にまで浸透する性質を持っています。これらの成分が、ダメージホールを埋め、髪の密度を高めることで、芯から強く、しなやかな髪へと導きます。
役割2:「保護成分」で、キューティクルを整える
内部補修と同時に、髪の表面を整え、保護することも大切です。加水分解シルクなどの成分は、剥がれかけたキューティクルを滑らかに整え、指通りを良くしてくれます。また、良質な保湿成分などが、髪の表面に薄い保護膜を形成し、これ以上の栄養分の流出や、外部からの刺激を防いでくれます。
全てのケアの土台となる、洗浄成分の「優しさ」
どんなに優れた補修成分や保湿成分を配合していても、シャンプーのベースとなる洗浄成分が、髪や頭皮に必要なうるおいまで奪い去るような、強いものであっては意味がありません。ダメージケアシャンプーを選ぶ大前提として、洗浄成分が、髪への負担が少ない、アミノ酸系などのマイルドなものであることを確認しましょう。優しく洗い上げることで、初めて、その後に与える補修成分が、その真価を発揮するのです。
毎日のシャンプーを、最高のトリートメントへ
ダメージケアシャンプーとは、いわば「洗う」という行為を通じて、髪に栄養を補給する、日々の「トリートメント」そのものです。しかし、ご自身の髪のダメージの原因や、そのレベルによって、どのような補修成分が最適なのかは、一人ひとり異なります。その最も的確な答えは、お客様の髪の状態を、誰よりも深く理解している、私達のような髪の専門家が知っています。あなたの髪を、芯から生まれ変わらせるための、特別な一本を見つけに、ぜひ一度サロンへお越しください。