【接客業で身につく力】お客様を「診断」し、最高の「処方箋」を出すための3つの力
接客業という仕事を通じて、私たちは、どのような「力」を身につけることができるのでしょうか。
それは、単なる作業をこなすためのスキルではありません。お客様一人ひとりと深く向き合い、その方の抱える、言葉にならない課題を解決し、未来をより良い方向へと導くための、専門家としての、本質的な「力」です。
その仕事は、さながら、患者様の声に耳を傾け、最善の治療法を施す「医師」の姿にも似ています。
今回は、接客のプロフェッショナルが身につけるべき、お客様を「診断」し、最高の「処方箋」を出すための、3つの力について解説します。
力1:お客様の「症状」を見抜く、「診断力」
まず、最も基本となるのが、お客様の状態を、正確に把握するための「診断力」です。優れたプロは、五感を使い、お客様を深く理解しようと努めます。
- 傾聴による「問診」
お客様が、何に悩み、何を望んでいるのか。その言葉に、真摯に耳を傾け、本質的な課題(症状)を探ります。
- 観察による「視診」
お客様の表情や、仕草、雰囲気といった、言葉以外の情報から、その方の心の状態や、潜在的なニーズを、注意深く観察します。
- 共感による「触診」
お客様の立場に立ち、その喜びや、不安といった感情に、心から寄り添います。この共感が、お客様との間に、信頼という名の絆を築きます。
力2:最適な「処方箋」を組み立てる、「構成力」
お客様の課題を正確に「診断」した後は、それを解決するための、最高の「処方箋」を組み立てる、知的な「構成力」が求められます。
- 深い専門知識
自身が扱う、商品やサービスに関する、誰にも負けない、深い専門知識。これが、処方箋の、最も基本的な材料となります。
- 複数の選択肢を提示する力
「これしかありません」という一方的な提案ではなく、「Aという方法も、Bという方法もございます」と、複数の選択肢を、それぞれのメリットと共に提示し、お客様自身に選んでいただく力。
- お客様と共に、ゴールを設定する力
「この処方箋によって、あなたの未来は、こう変わります」と、お客様と、輝かしいゴール(目標)を共有し、そこに向かうための、モチベーションを高める力。
力3:最高の「治療」を施す、「技術力」
そして、最後に、どれだけ素晴らしい処方箋を描いたとしても、それを実行するための、確かな「技術力」がなければ、全ては絵に描いた餅となります。
- 専門分野における、熟練の技
日々の、地道な修練によって磨き上げられた、専門家としての、揺るぎない技術。
- 常に安定した品質を提供する力
その日、その時の、自分自身のコンディションに左右されることなく、常に、100%の品質を、安定して提供し続ける、精神的な強さ。
- 最後まで、気を抜かない集中力
最初から、最後の仕上げ、そして、お見送りの瞬間まで、一切の気を抜くことなく、最高の集中力を維持する力。
【私たちの仕事から】理容師という、髪の「主治医」
私たち理容師の仕事は、まさに、この「診断」「処方」「治療」のプロセスそのものです。
お客様の髪の悩みや、なりたいイメージを、カウンセリングで「診断」し、
その方の骨格や、ライフスタイルに合わせた、最高のヘアスタイルを「処方」し、
そして、カットやシェービングという、持てる全ての「技術」で、最高の「治療」を施す。
私たちは、いわば、お客様一人ひとりの、髪の「主治医」でありたいと、常に考えています。
最高の「力」は、最高の「信頼」から
これらの3つの力は全て、お客様からの「信頼」を得るために存在します。
そして、その信頼の第一歩は、あなたが、信頼に足るプロフェッショナルであることを、一瞬で伝える「身だしなみ」から始まります。
清潔感にあふれ、手入れの行き届いた身だしなみは、あなたが、最高の「診断力」「構成力」「技術力」を持つ、優れた専門家であることの、何よりの証明です。
最高の力を発揮するための、最高の準備。ぜひ、私たちにお任せください。