【接客業に向いてる人】「話好き」より「聞き上手」。プロが語る3つの本質的な資質
「自分は、接客業に向いているのだろうか?」
これから接客の仕事に挑戦しようと考えている方や、今、まさに現場で働いている方も、ふと、そんな風に自問することがあるかもしれません。
一般的に、「明るくて、話が上手な、社交的な人」が、接客業に向いている、と思われがちです。しかし、長年、この仕事でお客様と向き合い続けてきた私たちは、必ずしも、それだけが答えではない、と確信しています。
今回は、本当に接客業に向いている人が持つ、より本質的な「3つの資質」について、お話しします。
資質1:「人」そのものへの、尽きない興味がある人
接客業の基本は、目の前の「人」に、心からの関心を寄せることです。
- お客様の物語に、心から耳を傾けられる
このお客様は、どんな人生を歩み、何を大切にし、今日、どんな気持ちで、ここにいらっしゃるのだろうか。その人の背景にある、唯一無二の物語に、純粋な好奇心と、敬意を抱けること。
- 人の喜びを、自分の喜びとして感じられる
お客様が、私たちのサービスを通じて、笑顔になってくださった時。その喜びを、まるで自分のことのように、心から嬉しく感じられること。
- 多様な価値観を、否定せずに受け入れられる
自分とは異なる考え方や、価値観に触れた時に、それを否定するのではなく、「そういう考え方もあるのだな」と、面白がれる、知的な柔軟性。
「話が上手い」ことよりも、まず、相手を深く知りたい、と願う、この「聴く姿勢」こそが、全ての信頼関係の、出発点となります。
資質2:変化を楽しみ、学ぶことが好きな人
接客の現場は、毎日が、予測不能な出来事の連続です。
- マニュアルのない状況でも、自分で考えて行動できる
お客様の要望は、千差万別です。マニュアルに書かれていない、初めての状況に直面した時に、それを「困難」と捉えるのではなく、「どうすれば、このお客様を喜ばせられるだろう」と、創造力を働かせて楽しめること。
- 失敗を、次の成功への「学び」と捉えられる
ミスをしてしまったり、お客様から厳しいご意見をいただいたりした時に、ただ落ち込むのではなく、「次は、こうしてみよう」と、自分を成長させるための、貴重な「学び」の機会として、前向きに捉えられること。
- 新しい知識や技術を、常に吸収しようとする向上心がある
現状に満足せず、より良いサービスを提供するために、新しい知識やスキルを、常に、貪欲に学び続けられること。
資質3:自分を律し、整えることができる人
プロフェッショナルとして、お客様の前に立つためには、自分自身を、常に最高の状態に保つ、という強い意志が必要です。
- どんな時でも、感情をコントロールし、平常心を保てる
たとえ、プライベートで嫌なことがあったとしても、その感情をお店に持ち込むことなく、常に、穏やかで、安定した自分でいられる、精神的な強さ。
- 細部まで気を配り、常に最高の準備を怠らない
お客様をお迎えするための、空間の清掃や、道具のメンテナンスなど、見えない部分での準備を、決して怠らない、実直さ。
- 自らの「身だしなみ」に、プロとしての誇りを持っている
プロとして、お客様の前に立つにふさわしい、清潔感にあふれた、完璧な身だしなみを、自分自身に課すことができる、規律心。
【私たちの仕事から】最高の理容師は、最高の「聞き役」である
私たち理容師の仕事も、お客様との会話が非常に重要ですが、必ずしも、雄弁である必要はありません。
むしろ、お客様が、安心して、リラックスして、ご自身の悩みや、理想を話してくださるような、穏やかで、聞き上手な理容師こそが、最高の信頼を得ることができます。
お客様の想いを、静かに、そして、深く聴き、それを、黙々と、技術で形にしていく。そのために、私たちは、日々、人間性を磨き続けています。
最高の資質は、最高の「あなた」であること
接客業に向いているかどうかは、生まれ持った性格だけで決まるものではありません。
人と向き合い、学び、自分を律する。その、プロとしての「覚悟」さえあれば、あなたは、あなたのままで、あなただけのやり方で、最高のプロフェッショナルになれるはずです。
その覚悟を、まず、形にすること。最高の「身だしなみ」作りは、ぜひ、私たちにお任せください。