【接客業で気をつけること】お客様の信頼を失う「無意識のNG行動」
お客様の信頼を築くのには、長い時間がかかります。しかし、その信頼は、ほんの些細な、自分では気づかないような「無意識の行動」によって、一瞬で失われてしまうことがあります。
プロフェッショナルな接客とは、特別なことをするだけでなく、お客様に不快感や不信感を与えかねない、無意識のNG行動を、一つ一つ丁寧に取り除いていく作業でもあります。
今回は、接客業に携わる上で、私たちが常に気をつけなければならない、見落としがちなポイントについて解説します。
お客様が「不快」に感じる、言葉遣いの注意点
丁寧な言葉遣いを心がけているつもりでも、知らず知らずのうちに、お客様を不快にさせてしまう言葉を使ってしまっているかもしれません。
- 「バイト敬語」(さ入れ言葉など)
「〇〇円からお預かりします」「こちらでお召し上がりですか?」といった、いわゆる「バイト敬語」は、正しい日本語ではなく、人によっては稚拙な印象を与えてしまいます。
- お客様を急かすような言葉
「〇〇でよろしかったでしょうか?」という過去形の確認は、相手に「早く決めてほしい」という焦りを無意識に感じさせてしまうことがあります。「〇〇でよろしいでしょうか?」が正しい表現です。
- 専門用語の多用
自分たちにとっては当たり前の専門用語も、お客様にとっては意味の分からない外国語と同じです。できるだけ平易な言葉で説明する配慮が必要です。
- 否定的な言葉から会話を始める
お客様の要望に対して、いきなり「できません」「ありません」と否定から入るのではなく、「あいにく〇〇はございませんが、代わりに△△はいかがでしょうか」と、代替案を提示する姿勢が大切です。
態度や仕草で損をしないための注意点
言葉以上に、あなたの態度や仕草は、お客様に多くの情報を伝えています。
- 腕組みや、ポケットに手を入れる
これらの仕草は、相手に対して威圧感や、「早く帰ってほしい」という拒絶のサインとして受け取られてしまう可能性があります。
- お客様から見えない場所での私語
たとえお客様からは姿が見えなくても、スタッフ同士の私語や笑い声が聞こえてくると、「自分のことを言われているのではないか」と、お客様を不安な気持ちにさせてしまいます。
- 気のない返事や、上の空
お客様と話している最中に、他のことを考えたり、視線が泳いだりするのは、最も失礼な行為の一つです。「あなたの話に興味がありません」という、無言のメッセージになってしまいます。
- 物音を立てる、乱暴な物の扱い
商品の陳列や、ドアの開閉、道具の扱いなどが乱暴で、大きな物音を立ててしまうと、お店全体の品位を下げ、お客様を不快にさせてしまいます。
【私たちの仕事から】理容師が最も気をつけること
私たち理容師の仕事は、お客様の顔のすぐ近くで、カミソリやハサミといった、鋭利な刃物を使います。
そのため、私たちが何よりも気をつけているのは、お客様の「安心・安全」です。少しでも手の動きが乱暴だったり、集中力が散漫だったりすれば、お客様を不安にさせ、お怪我をさせてしまう危険性さえあります。
一つ一つの動作を、丁寧に行う。常に最高の集中力を保つ。この、安全への徹底したこだわりが、私たちの仕事の全ての基本となっています。
【最重要】「身だしなみ」にこそ、意識の高さが表れる
そして、これらの注意点全ての土台となるのが、「身だしなみ」です。
髪が乱れていたり、制服にシワが寄っていたり。そんな、自分自身の管理ができていないスタッフが、お客様への細やかな配慮ができるでしょうか。
手入れの行き届いた身だしなみは、「私は、あなた様をお迎えするにあたり、細部にまで気を配れる、プロフェッショナルです」という、無言の宣言なのです。
最高のプロは、最高の「意識」を持つ
優れた接客とは、常に「お客様からどう見えているか」という、客観的な視点を持つことから始まります。自分の無意識の癖や行動が、お客様にどのような影響を与えているかを、常に意識し、改善し続ける。その地道な努力が、お客様からの揺るぎない信頼を築き上げます。
私たちはお客様の前に立つプロとして、自らの全ての行動に責任を持つ、という高い意識を常に持ち続けたいと考えています。その意識の表れである、完璧に整えられた身だしなみ。ぜひ、私たちにお任せください。