【接客業の話し方】お客様が心地よいと感じる「声」と「間」の作り方
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
たとえ、全く同じ言葉を発したとしても、その「話し方」一つで、お客様に与える印象は、天と地ほどに変わります。
心地よい話し方は、お客様の心を和ませ、お店への信頼感を育みます。逆に、不快な話し方は、どれだけ丁寧な言葉を選んでいたとしても、お客様の足を遠のかせてしまう原因になり得ます。
今回は、お客様に「この人と話していると、なんだか心地よいな」と感じていただくための、プロフェッショナルな「話し方」の基本について、解説します。
心地よい「話し方」を構成する、4つの要素
お客様が心地よいと感じる話し方は、主に以下の4つの要素で構成されています。
- 1.声のトーン
一般的に、人が最も心地よいと感じる声の高さは、普段自分が話している声よりも、ほんの少しだけ高い「ソ」の音階であると言われています。意識的に、少しだけ明るく、高いトーンで話すことで、歓迎の気持ちが伝わりやすくなります。
- 2.声のボリューム
大きすぎず、小さすぎない、相手が聞き取りやすい、適切な声量で話すことが基本です。お店のBGMの大きさや、周りの環境に合わせて、常に最適なボリュームを意識しましょう。
- 3.話すスピード
焦りや、興奮は、話すスピードを速めます。プロとして、常に、少しだけゆっくりと、落ち着いたスピードで話すことを心がけましょう。お客様に安心感を与え、話の内容も、より伝わりやすくなります。
- 4.間の取り方
立て板に水のように、一方的に話し続けるのは、良い話し方とは言えません。お客様が話すきっかけを作ったり、重要なことを伝える前に、一瞬、呼吸を置く「間」を意識することで、会話にリズムと奥行きが生まれます。
【状況別】プロの「話し方」使い分けテクニック
常に同じ話し方をするのではなく、状況に応じて、これらの要素を使い分けるのが、一流のプロです。
- お客様をお迎えする時
最も明るく、少し高めのトーンで、歓迎の気持ちを最大限に表現します。
- 商品説明や、重要なご案内をする時
少しスピードを落とし、一言一言を、はっきりと、明瞭に話すことを意識します。
- お客様のお話を伺う時
声のトーンを少しだけ落ち着かせ、相手の話すスピードに合わせながら、適切な相槌を打ちます。
- クレーム対応など、お詫びをする時
声のトーンを普段より一段階低くし、ゆっくりと、誠実さが伝わるように話します。
【私たちの仕事から】理容室の「静かな会話」という価値
私たち理容室の空間は、お客様に心からリラックスしていただくための場所です。そのため、私たちの「話し方」は、常に、穏やかで、落ち着いていることを、何よりも大切にしています。
ハサミがリズミカルに髪を切る音。心地よい蒸しタオルの温かさ。そして、お客様の邪魔にならない、静かで、落ち着いた声。
これら全てが合わさって、最高の癒やしの時間という、一つのサービスが完成するのです。
最高の話し方は、最高の「あなた」から
様々なテクニックをご紹介しましたが、心地よい話し方の、最も重要な土台。それは、話しているあなた自身が、心身ともに、穏やかで、自信に満ちた状態であることです。
自分自身のコンディションが整っていれば、自然と、声にも、表情にも、余裕と落ち着きが生まれます。
そして、その自信の源泉となるのが、プロフェッショナルとしての、完璧な「身だしなみ」です。
清潔感にあふれ、手入れの行き届いた髪型や服装は、あなたに自信を与え、その自信が、お客様を安心させる、穏やかで、説得力のある「話し方」へと繋がっていくのです。
最高の話し方を手に入れるための、最高の自分作り。ぜひ一度、私たちプロにお任せください。