【プロが答える】接客業の「知恵袋」|よくあるお悩みと、その解決策
日々、多くのお客様と接する中で、教科書には載っていない、様々な疑問や悩みに直面する。それが、接客業という仕事です。
「こんな時、どうすればいいんだろう?」
「もっとお客様に喜んでもらうには、どうすれば?」
そんな、現場で働くプロフェッショナルの方々が抱える、よくあるお悩み。今回は、その一つ一つに、長年お客様と向き合い続けてきた私たちの経験から、具体的な解決策とヒントをお答えする、「プロの知恵袋」をお届けします。
Q1. お客様との会話が続きません。どうすれば良いですか?
無理に、自分が話し続ける必要は全くありません。会話の主役は、あくまでお客様です。
- 回答
まず、会話は「量」ではなく「質」が大切です。沈黙は、必ずしも気まずいものではなく、お客様がリラックスしている証拠かもしれません。
基本は「聞き役」に徹し、お客様が話したくなるような、肯定的な「質問」を投げかけることを意識してみてください。例えば、お客様の持ち物や服装を褒めながら、「その〇〇、素敵ですね。どちらで手に入れられたのですか?」と尋ねるなどです。
大切なのは、「私が話さなければ」という焦りを手放し、お客様が「話したい」と感じる雰囲気を作ることです。
Q2. ミスをして、お客様を怒らせてしまいました。どうすれば?
ミスは誰にでも起こり得ます。重要なのは、その後の対応です。誠実な対応は、むしろ、お客様の信頼をより深めるチャンスにもなり得ます。
- 回答
1.まずは、言い訳をせず、誠心誠意、謝罪する。
2.何が問題だったのか、お客様のお話を最後まで、真摯に聴く。
3.自分にできる最善の解決策を、迅速に提示し、実行する。
4.必ず、上司や先輩に事実を正確に報告し、指示を仰ぐ。
この4つのステップを、冷静に、そして誠実に実行することが重要です。あなたの真摯な姿勢は、必ずお客様に伝わります。
Q3. 常連のお客様の顔と名前が、なかなか覚えられません。
記憶力には個人差があります。覚えられない自分を責めるのではなく、覚えるための「工夫」をしてみましょう。
- 回答
人の顔と名前を、ただ丸暗記しようとしても、なかなか定着しません。大切なのは、「情報」を紐付けることです。
例えば、お客様の特徴(メガネをかけている、など)や、その日お話しした会話の内容(「〇〇へ旅行に行く」と話していた、など)を、名前と一緒に、小さなメモに残しておきます。
そして、次にご来店された際に、そのメモを見て、「〇〇様、こんにちは。以前お話しされていたご旅行は、いかがでしたか?」とお声がけするのです。
この「あなただけの情報を、私は覚えていますよ」という姿勢が、お客様に特別な喜びと、信頼感を与えます。
【私たちの仕事から】理容師という、究極の「お悩み解決業」
私たち理容師の仕事は、お客様の「お悩み」を解決することの連続です。
「髪がまとまらない」(お悩み)→「扱いやすくなるように、毛量を調整しましょう」(解決策)
「絶壁が気になる」(お悩み)→「後頭部に丸みが出るように、シルエットを補正しましょう」(解決策)
お客様一人ひとりの、言葉にならない悩みを、カウンセリングという「知恵袋」を通じて引き出し、カットという技術で解決していく。それこそが、私たちの仕事の本質です。
最高の答えは、最高の「身だしなみ」から
お客様の悩みに、自信を持って答えるために。プロとして、的確な解決策を提示するために。その土台となるのが、あなた自身の「信頼性」です。
そして、その信頼性を、言葉以上に雄弁に物語るのが、あなたの「身だしなみ」です。
清潔感にあふれ、手入れの行き届いた髪型や服装は、あなたが提供する「答え」への説得力を、何倍にも高めてくれます。
最高の答えを導き出す、最高のプロであるために。ぜひ、私たちに、あなたの身だしなみ作りのお手伝いをさせてください。