白髪染め後の髪のゴワゴワ、諦めないで。原因とプロが教える改善策
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白髪はきれいに染まったけれど、以前のようなしなやかさがなくなり、指通りが悪く、髪全体がゴワゴワ、ギシギシになってしまった。そんな、白髪染め後の髪の質感の低下に悩んでいる男性は少なくありません。この不快なゴワゴワ感はなぜ起こるのでしょうか。そして、潤いのある健康的な髪を取り戻すための方法はあるのでしょうか。プロの視点から、その原因と対策について詳しく解説します。
Contents
なぜ白髪染めで髪はゴワゴワになるのか?
白髪染めによる髪のゴワつきは、カラー剤が髪に作用する過程で起こる、化学的な変化が主な原因です。髪の内部では、主に3つの変化が起きています。
髪の内部で起きている変化
- アルカリ剤による髪の膨潤
白髪染めの薬剤には、染料を髪の内部に浸透させるために、髪の表面を覆うキューティクルを開く役割を持つ「アルカリ剤」が含まれています。このアルカリ剤が、髪の主成分であるタンパク質を膨張させ、髪を不安定な状態にします。これが、ゴワつきの第一歩です。 - キューティクルの損傷と剥がれ
アルカリ剤によって無理に開かれたキューティクルは、非常にデリケートな状態です。薬剤を洗い流す際や、その後のシャンプーで、このキューティクルが剥がれたり、ささくれたりしてしまいます。髪の表面がデコボコになるため、手触りが悪くなり、ギシギシとした感触の原因となります。 - 髪の内部成分の流出
開いたり、剥がれたりしたキューティクルの隙間からは、髪のしなやかさや潤いを保つために不可欠な、内部のタンパク質や水分、脂質といった成分が流出してしまいます。髪の芯がスカスカの状態になり、硬く、弾力のないゴワゴワとした質感に変わってしまうのです。
自宅でできる!ゴワゴワ髪への応急処置と予防ケア
一度ゴワゴワになってしまった髪を完全に元に戻すのは難しいですが、日々のヘアケアを見直すことで、質感を改善し、今後のダメージを予防することは可能です。
毎日のヘアケアを見直す
- トリートメントで内部補修を
髪の表面をコーティングするリンスやコンディショナーだけでなく、髪の内部に栄養分を補給し、ダメージを補修する「トリートメント」の使用が不可欠です。シャンプー後、髪の水気をよく切り、毛先を中心に揉み込むように馴染ませ、数分間置いてから洗い流すとより効果的です。 - 洗い流さないトリートメントを習慣に
お風呂上がりのタオルドライ後、ドライヤーをかける前に、オイルやミルクタイプの洗い流さないトリートメントをつけましょう。ドライヤーの熱から髪を守ると同時に、髪の水分蒸発を防ぎ、指通りを滑らかにしてくれます。 - 正しいシャンプーとドライでダメージを防ぐ
洗浄力の強すぎるシャンプーは避け、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分の製品を選びましょう。洗う際は38度程度のぬるま湯で、指の腹で優しく。そして、お風呂から上がったら自然乾燥はせず、すぐにドライヤーで根元からしっかりと乾かし、キューティクルを閉じることが大切です。
根本から「ゴワゴワさせない」。理容室のプロ技術
ホームケアはあくまでダメージに対する「対症療法」です。一方、理容室のプロは、そもそも髪をゴワゴワにさせないための「予防」を、施術の段階から徹底的に行います。
ダメージを最小限に抑えるための緻密な施術
- ダメージレベルの正確な診断と薬剤選定
プロは、お客様一人ひとりの髪のダメージレベルを正確に見極め、その髪の状態に耐えられる、最も負担の少ない最適な薬剤を選定・調合します。これが、ゴワゴワを防ぐための最も重要な第一歩です。 - ダメージを重ねない「塗り分け」技術
新しく生えてきた健康な根元と、既に染まっていてダメージが蓄積している毛先とで、薬剤の強さや種類を使い分けます。毛先に不要なダメージを与えない、プロならではの繊細な技術が、髪のゴワつきを防ぎます。 - 施術中に行う栄養補給(前処理・中間処理)
カラー剤を塗る前や、薬剤を流す途中といった施術の工程内で、髪に不足しているタンパク質(ケラチンなど)を補給する処理剤を使用します。ダメージを予防しながら染めることで、仕上がりの質感が大きく向上します。 - ゴワゴワの原因を絶つ「後処理」
施術後に髪や頭皮に残留し、ダメージやゴワゴワの原因となるアルカリ成分を、専用の薬剤を使って完全に取り除きます。このプロならではの「後処理」が、髪を健康な弱酸性に戻し、キューティクルをしっかりと引き締めるために不可欠な工程です。 - サロン専用の高濃度な集中トリートメント
ホームケアとは比較にならない高濃度な栄養成分を、専用のスチーマーなどを使って髪の芯まで浸透させます。その日のダメージを、その日のうちにリセットすることで、ゴワつきのない、しなやかな状態を維持します。
まとめ
白髪染めによる髪のゴワゴワは、薬剤による化学的なダメージが原因であり、日々の丁寧なトリートメントケアで一定の改善は期待できます。しかし、本当にゴワつきのない、指通りの良いしなやかな髪を保つためには、染める段階でのダメージコントロールと、施術後の専門的なケアが最も重要です。「白髪染めをするから、髪が傷むのは仕方ない」。そんな風に諦めていませんか?プロの技術は、白髪を美しく染め上げると同時に、あなたの髪の健康を未来まで守ります。
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