センターパートの「整髪料」、正しく選べていますか?プロが教える基本の教科書
人気のセンターパートにしたけれど、どんな整髪料を使えばいいのか分からない。なんとなく家にあったワックスを使っているけれど、これで本当に合っているのだろうか…。
多くの男性が、実はよく分かっていない、この「整髪料」の選び方。
あなたのセンターパートを完成させる、最後の重要なワンピース。その正しい見つけ方と使い方を、プロの視点から、基本の「き」から解説します。
整髪料選びの、たった一つの正解
ワックス、ジェル、グリース、オイル、バーム…。星の数ほどある整髪料の中から、あなたにとっての「正解」を見つける、たった一つの、しかし最も重要な羅針盤があります。
それは、「今日は、どんな印象の自分になりたいか?」という、あなた自身の心の中にあります。
整髪料選びは、ブランドや価格、流行りで選ぶものではありません。あなたが目指す「仕上がりの質感」や「なりたい印象」で選ぶ。これが、失敗しないための、唯一絶対の法則です。
【なりたい印象で選ぶ】整髪料マップ
では、具体的な「なりたい印象」から、あなたが選ぶべき整髪料の種類を逆引きしてみましょう。
- Case 1:自然で、サラッとした「ナチュラルな印象」にしたい
- 選ぶべき整髪料:ヘアオイル、ヘアバーム
- 特徴:セットする、というよりは、「髪の質感を整える」ためのアイテムです。セット力はほとんどありませんが、髪のパサつきを抑え、自然で美しいツヤとまとまりを与えてくれます。作り込みすぎていない、清潔感あふれる、最も自然な印象に仕上がります。韓国風のサラサラなセンターパートを目指すなら、まずこの選択肢です。
- Case 2:無造作で、動きのある「カジュアルな印象」にしたい
- 選ぶべき整髪料:ワックス(ソフト、ハード、ファイバー、クレイなど)
- 特徴:メンズスタイリングにおいて、最もポピュラーな選択肢です。髪に束感や、立体的な動きを作ることを得意とします。ツヤのないマットな質感の「クレイワックス」から、ツヤの出るタイプまで種類は様々。あなたの好みで選べます。
- Case 3:ツヤがあり、ビシッと決まる「フォーマルな印象」にしたい
- 選ぶべき整髪料:グリース、ポマード、ジェル
- 特徴:ウェットな、濡れたようなツヤ感と、高いセット力が特徴です。髪を面でまとめ、美しい毛流れを作るのに適しており、クラシカルで、品格のあるスタイルに仕上がります。スーツスタイルとの相性も抜群です。
失敗しない、整髪料の付け方「3つの基本ルール」
どんなに良い整髪料を選んでも、その付け方を間違えてしまっては、効果は半減してしまいます。以下の、どんな整髪料にも共通する「3つの基本ルール」を、必ず守ってください。
- ルール①:必ず、ごく少量から試すこと
これが、失敗を防ぐための最大の鉄則です。「足りなければ、後から足せば良い」という意識で、まずは小豆一粒大くらいの、ごく少量から始めましょう。一度にたくさんつけすぎると、ベタつきや、重さでスタイルが潰れる、取り返しのつかない原因になります。
- ルール②:手のひらで、完璧に、透明になるまで伸ばすこと
スタイリング剤が、指先に白い塊のまま残っていませんか。整髪料は、手のひら、そして指の間まで、あなたの体温で温めるように、完全に透明になるまで、これでもかというくらいしっかりと伸ばしてください。このひと手間が、髪にムラなく馴染ませるための、最も重要な工程です。
- ルール③:根元から、髪の内側からつけること
いきなり、スタイルの表面となる前髪からつけるのはNGです。まず、髪の内側から手を入れて、髪全体をわしゃわしゃと揉み込むように、根元に近い部分から馴染ませていきます。そして、最後に、手のひらに残った、ごくわずかな整髪料で、表面の毛流れや、毛先の束感を整える。この手順を守るだけで、ベタつきを防ぎ、プロのような、自然な仕上がりになります。
なぜ、最高の整髪料は「最高のカット」を求めるのか
ここまで、整髪料の選び方と使い方を解説してきました。しかし、もしかしたら、あなたはこう感じているかもしれません。「同じ整髪料を使っているのに、なぜかサロンのようには決まらない…」と。
それもそのはずです。
なぜなら、整髪料は、あくまであなたの髪が持つポテンシャルを、最大限に引き出すための「補助」的な役割でしかないからです。その仕上がりの9割は、全ての土台となる「カット」で、すでに決まっているのです。
プロの理容師は、あなたが使うであろう整髪料のことまでを、全て計算してカットしています。
- ヘアオイルが活きるように、髪が自然にまとまり、ツヤが出やすいように、毛先のラインを整える。
- ワックスをつけた時に、自然な束感が簡単に生まれるように、髪の内側の毛量を的確に調整する。
- グリースとコームが、スムーズに、そして美しく流れるように、毛流れを創り出す。
あなたのスタイリングを、もっと簡単に、もっと楽しく、そしてもっとかっこよくするための「仕込み」が、プロのカットには、全て施されているのです。
なぜ整髪料の相談はプロ、特に「理容師」に相談すべきなのか
最高のセンターパートを手に入れるための最短ルートは、新しい整髪料を探す旅に出る前に、まず、最高のカットという、最高の土台を手に入れることです。
プロの理容師は、あなたの髪質を、誰よりも正確に理解しています。あなたの髪が、油分が多いのか、乾燥しやすいのか、ハリがあるのか、柔らかいのか。それを完璧に見極めた上で、あなたのためだけに、最適な整髪料を、数ある選択肢の中から提案します。
そして、その整髪料が最も活きるように、あなたの髪をカットし、デザインします。髪だけでなく、眉や髭とのトータルバランスまで含めて、あなたの「かっこいい」をプロデュースしてくれる、最も頼れる相談相手。それが、メンズヘアの専門家である理容師なのです。
まとめ:整髪料選びは、自分探し
整髪料を選ぶことは、単に髪をセットするためだけのものではありません。
それは、「今日は、どんな印象の自分でいたいか」という、あなた自身と向き合う、創造的で、楽しい時間です。
その自分探しの旅の、最高のガイドとして、私たちプロがいます。もし、あなたが整髪料選びで迷ったら、ぜひ一度、気軽に相談してみてください。きっと新しい自分に出会う、最高の扉が開かれるはずです。