センターパートはロールブラシ1本で変わる|基本の使い方と選び方
お洒落なメンズヘアの定番であるセンターパートですが、自分でスタイリングするとなぜか「トップがぺたんこになる」「前髪が上手く流れない」「全体的にパサついて見える」といった悩みを抱えている方は少なくありません。実はその悩み、スタイリングの土台作りを見直すことで解決できるかもしれません。そして、その土台作りをプロのレベルへと引き上げてくれる魔法の道具が、今回ご紹介する「ロールブラシ」なのです。
なぜプロはロールブラシを使うのか?その効果とは
理容室や美容室で、スタイリストがドライヤーと共に巧みにロールブラシを使っているのを見たことがあるでしょう。なぜ彼らは手ぐしではなく、ロールブラシを使うのでしょうか。それには明確な理由と、手ぐしでは得られない圧倒的なメリットがあるからです。
・効果1:根元をふんわり立ち上げる
ロールブラシは、髪の根元を内側からしっかりと捉え、持ち上げることができます。その状態でドライヤーの熱を効率よく伝えることで、髪の根元に自然で持続力のある「立ち上がり」を作ることができます。これが、ぺたんこ髪を解消する最も重要なポイントです。
・効果2:毛先に自然なカールを作る
毛先をブラシに軽く巻きつけて熱を加えることで、ヘアアイロンで作るカールよりも柔らかく、ナチュラルな毛流れ(Cカール)を演出できます。前髪を後ろに流すリバーススタイルなども、このテクニックで作られています。
・効果3:髪に驚くほどのツヤを与える
ブラシに使われている毛が、ドライヤーの熱で開きがちな髪のキューティクルを優しく整えながらブローすることで、髪の表面が驚くほど滑らかになり、美しいツヤが生まれます。
センターパートに適したロールブラシの選び方
ロールブラシと一言でいっても、様々な種類があります。ここでは、メンズのセンターパートに適したブラシの選び方をご紹介します。
・ブラシの太さ(直径)で選ぶ
メンズのセンターパートで根元の立ち上げと毛先のカールを両立したい場合、汎用性が高いのは「直径30mm~50mm」の中くらいの太さのものです。初めて購入する方は、このサイズから試してみるのが良いでしょう。
・ブラシの毛の素材で選ぶ
豚毛や猪毛といった「天然毛」のブラシは、髪に含まれる水分と油分に馴染みやすく、静電気を抑えながら美しいツヤを出してくれるのが特徴です。一方、「ナイロン毛」は熱に強く、しっかりとしたカールをつけやすいというメリットがあります。
基本から学ぶ、ロールブラシを使ったセンターパートの作り方
ここからは、ロールブラシを使った具体的なスタイリング方法を解説します。最初は難しく感じるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば誰でも実践できます。
・STEP1:根元の立ち上げ(最重要ポイント)
まず、分け目部分の髪を取り、ブラシを髪の内側から根元にしっかりと当てます。次に、ブラシで髪を少し持ち上げながら、ドライヤーの熱を根元に2~3秒当てます。そして、すぐにドライヤーを離し、ブラシで持ち上げたままの状態で数秒待ち、熱が冷めるのを待ちます。髪は熱が冷める瞬間に形が記憶されるため、この「冷ます」時間がおろそかになると、立ち上がりはキープされません。
・STEP2:毛流れの方向付け
根元が立ち上がったら、今度は毛先に向かってブラシを通していきます。前髪を後ろに流したい場合は、ブラシで髪を後ろ方向にとかしながら、ドライヤーの風を当てていきます。毛先まで来たら、ブラシを少し内側に巻き込むようにして熱を当て、自然なカールをつけます。
・STEP3:仕上げ
全体のフォルムが整ったら、ワックスやバームなどのスタイリング剤を軽く馴染ませます。ロールブラシで土台がしっかり作られているため、スタイリング剤はごく少量で十分です。
理容室でのオーダーと相談
ロールブラシを最大限に活かすためには、それを計算したカットが施されていることが前提となります。理容室でオーダーする際は、「自宅でロールブラシを使ってスタイリングしやすいようにカットしてください」と伝えてみましょう。プロの理容師は、あなたの髪質や生え癖を見極め、毛流れや軽さを調整してくれるため、自宅でのスタイルの再現性が格段に向上します。普段お使いのロールブラシを持参し、直接使い方をレクチャーしてもらうのも良いでしょう。
まとめ
これまでなんとなくスタイリングが上手くいかなかった方も、ロールブラシを一本取り入れるだけで、センターパートのクオリティが劇的に向上することを実感できるはずです。それは、髪の「根元の立ち上がり」「毛先の流れ」「全体のツヤ」という、ヘアスタイルの印象を決定づける三つの要素を、同時にコントロールできる強力なツールだからです。そして、そのツールの性能を100%引き出すためには、土台となるカットが何よりも重要になります。ぜひ一度、プロの理容師に相談し、毎日のスタイリングが楽しくなるようなヘアスタイルを手に入れてみてはいかがでしょうか。