センターパートのオーダー方法。理想の髪型を叶える「伝え方」の全て
「次のヘアサロンでは、絶対に失敗したくない」
人気のセンターパートだからこそ、サロンでのオーダーで少しでもイメージがズレてしまうと、満足のいく仕上がりにはなりません。「こんなはずじゃなかった…」と、鏡の前でため息をついた経験は、多くの男性にあるのではないでしょうか。
あなたの理想を120%形にする。その鍵は、あなたの「伝え方」と、それを正確に汲み取るプロの「カウンセリング」にあります。この記事では、もう二度とオーダーで失敗しないための、魔法のような「伝え方」の技術を、プロの視点から全て解説します。
なぜ、あなたのオーダーは今まで伝わらなかったのか
多くの人が経験する「オーダーの失敗」。その原因は、決してあなただけのせいではありません。しかし、いくつかの典型的な原因を知っておくことで、失敗の確率を劇的に下げることができます。
- 使う「言葉」が、あまりにも曖昧すぎる
「いい感じにしてください」「すっきりさせてください」といった言葉は、残念ながらプロには伝わりません。「いい感じ」の定義は、人によって全く違うからです。
- 「完成形」のイメージしか伝えていない
なぜその髪型にしたいのか、という「目的」や「背景」が伝わっていないと、プロはあなたの本当の要望を理解しきれません。
- 自分の「悩み」を、恥ずかしくて隠している
「絶壁が気になる」「直毛すぎるのがコンプレックス」といった、あなたの悩みを伝えずにいると、プロはそれに配慮したカットをすることができません。
- 「おまかせします」の意味を誤解している
本当の「おまかせ」は、何度も通い、担当者があなたの好みや髪質を完全に把握した、深い信頼関係の上で初めて成り立つ、最高の褒め言葉なのです。
失敗しないオーダーのための「3つの準備」
最高のオーダーは、サロンの椅子に座る前から始まっています。来店前に、以下の3つを準備しておくだけで、成功率は格段に上がります。
- 準備①:理想のスタイル写真を3枚以上用意する
なぜ複数枚なのでしょうか。それは、1枚だけだと、その写真のモデルの顔立ちや髪質に印象が引っ張られてしまうからです。複数の写真を見せることで、「この写真の、前髪のゆるいカール感が好き」「でも、サイドはこっちの写真くらいすっきりさせたい」というように、あなたが好きな「雰囲気」や「要素」を伝えることができます。正面、サイド、後ろ姿があると、さらに完璧です。
- 準備②:自分の「好き」と「嫌い」を言葉にする
写真を見せながら、「このスタイルの、ここが好きです」と具体的に伝えましょう。そして、それと同じくらい重要なのが、「嫌いな点」を伝えることです。「刈り上げ部分は、こんなに白くしたくない」「前髪が重すぎるのは苦手です」など、なりたくないイメージを伝えることで、失敗の範囲を狭めることができます。
- 準備③:自分の「悩み」と「ライフスタイル」を整理しておく
- 悩み:「直毛で動きが出にくい」「スタイリングが苦手」「トップにボリュームが出ない」など。
- ライフスタイル:「普段はスーツを着る仕事です」「朝はセットに5分しかかけられません」「バイクに乗るのでヘルメットを被ります」など。
これらの情報は、プロがあなたに最適なスタイルを提案する上で、非常に重要なヒントになります。
これを伝えれば完璧!オーダーで話すべき「5つの要素」
準備ができたら、いよいよカウンセリングです。以下の5つの要素について、あなたの希望を伝えましょう。
- ① 前髪の「長さ」と「分け目」
長さは「眉毛にかかるくらい」「目と眉の間で」など、顔のパーツを基準に伝えると正確です。分け目は「真ん中(5:5)で」「少しずらして(6:4)で」といった比率や、「自然に分かれるところで」と伝えます。
- ② サイドの「処理」
「刈り上げる(ツーブロック)か」「刈り上げずに自然に繋げるか」が大きな分かれ道です。刈り上げる場合は、「何mmくらいにしたいか」「地肌は透けない程度か」などを伝えます。
- ③ 襟足の「処理」
サイドと同様に、「刈り上げるか」「自然に残すか」を伝えます。残す場合は、「シャツの襟にかからない程度」といった、具体的な長さを伝えましょう。
- ④ 全体の「シルエット」と「質感」
シルエットは「マッシュのような丸みのある感じで」「シャープでタイトな感じで」など。質感は「毛先を軽くして動きやすく」「重さを残してまとまりやすく」といった希望を伝えます。
- ⑤ 「パーマ」や「カラー」の希望
「スタイリングを楽にするために、パーマも考えている」「今の髪色より、少しだけ明るくしたい」など、カット以外の希望があれば、この段階で相談しましょう。
なぜ最高のオーダーはプロ、特に「理容師」との対話で生まれるのか
理想のヘアスタイルは、あなたが一方的にオーダーして完成するものではありません。それは、あなたの想いと、プロの技術・知識が融合する「対話(カウンセリング)」を通じて、一緒に創り上げていくものなのです。
プロの理容師は、最高の「聞き出す力」を持っています。あなたの曖昧な言葉の裏にある、本当の「なりたいイメージ」や、言葉にしていない「悩み」を、専門的な質問を通じて、丁寧に引き出してくれます。
そして、あなたの骨格、髪質、生え癖を総合的に判断し、「あなたが伝える理想のスタイル」と、「あなたに本当に似合うスタイル」をすり合わせ、最高の着地点を提案します。時には、あなたの髪質では希望のスタイルが難しい場合、その理由と、それに代わるもっと良いスタイルを正直に伝えてくれる誠実さも持ち合わせています。
まとめ:最高の髪型は、最高の対話から
理想のセンターパートを手に入れるための最も重要な技術は、ハサミを握る技術の前に、あなたの想いを深く理解するための「対話の技術」なのかもしれません。
「どう伝えようか」と一人で悩むのではなく、ぜひ一度、メンズヘアのプロフェッショナルである理容師との「対話」を、楽しみにサロンを訪れてみてください。きっと、これまで経験したことのない、満足と発見があなたを待っています。