センターパートの「寝癖」を直す方法。毎朝の悩みを解消する、プロの法則
朝、鏡の前に立つ。そこに映るのは、トップがぺたんこに潰れ、分け目がどこかへ消え、毛先は四方八方に跳ね上がった、理想とは程遠い自分の姿…。
センターパートスタイルにした多くの男性が、毎朝繰り広げているであろう、この「寝癖」との戦い。
その戦いの原因は、あなたの寝相のせいだけではないかもしれません。
この記事では、あなたの毎朝の悩みを根本から解消し、一日中、自信を持って過ごすための、プロが実践する寝癖の予防法と、完璧な直し方を解説します。
なぜ、あなたのセンターパートは、毎朝、爆発しているのか
まず、なぜ、これほどまでに頑固な寝癖がついてしまうのでしょうか。その科学的な理由を、簡単に理解しておきましょう。
- 原因①:髪の「水素結合」という性質
髪の毛の形は、髪の内部にある「水素結合」という、水に濡れると切れ、乾くと固まる性質によって決まります。あなたが寝ている間にかく汗や、空気中の湿気で、髪がわずかに湿ります。その湿った髪が、枕などで押し付けられた、いびつな形のまま、朝までに乾いてしまう。これこそが、「寝癖」の正体です。
- 原因②:「根元」が、完全に乾いていないまま寝てしまっている
夜、シャンプーをした後に、髪の根元が少しでも湿っていると、寝癖は100%つきます。毛先が乾いていても、頭皮に近い根元が湿っていれば、寝ている間の体温と枕との密閉空間で、最悪の寝癖が形成されてしまいます。
- 原因③:あなたの、どうにもならない「生え癖」
元々の髪の生え方、特につむじ周りの強い毛流れが、寝癖をさらに頑固で、複雑なものにする場合があります。
戦いは、夜から始まっている。「寝癖を予防する」ための、夜の習慣
朝の戦いを、少しでも楽にするために。全ての準備は、前の日の夜から始まっています。
- 習慣①:根元から、髪を「完全に」乾かす
これが、寝癖を予防するための、最も重要で、最も効果的な方法です。お風呂から上がったら、できるだけ早く、ドライヤーで髪の根元を中心に、頭皮を指の腹でこするようにしながら、完全に乾かしきってください。
- 習慣②:いろんな方向から、風を当てて乾かす
一方方向からだけ乾かすと、髪がその方向に寝てしまう癖がつきやすくなります。分け目を決めずに、前後左右、あらゆる方向から根元に風を当てて乾かすことで、髪がニュートラルな状態になり、頑固な寝癖がつきにくくなります。
- 習慣③:洗い流さないトリートメントで、髪を保湿する
髪が乾燥していると、より癖がつきやすくなります。タオルドライ後の濡れた髪に、洗い流さないトリートメント(ヘアオイルやミルクなど)を馴染ませ、髪の水分バランスを整えておくことも、寝癖の抑制に繋がります。
朝の最終決戦。「寝癖を完璧に直す」ための、正しい手順
それでもついてしまった寝癖と朝、対峙する方法です。絶対にやってはいけないのは、乾いた髪の上から、水を手でつけて撫でつけることです。それでは、根本的な解決にはなりません。
- STEP1:【必須】癖がついている部分の「根元」を、地肌までしっかり濡らす
寝癖の本体は、毛先ではなく、根元にあります。スプレイヤーなどを使って、癖がついている部分の根元を、地肌まで、しっかりと濡らしてください。これが、何よりも重要です。
- STEP2:ドライヤーで、根元をこするように、あらゆる方向から乾かす
濡らした根元部分に、ドライヤーの温風を当てながら、指の腹でわしゃわしゃと、いろんな方向にこするように乾かします。これにより、寝癖の原因である、根元の結合が一度、リセットされます。
- STEP3:根元が乾いたら、理想の分け目を作り、毛流れを整えながら乾かす
根元の癖がリセットされたら、あなたが本来作りたい、センターパートの分け目を作り、その毛流れに沿って、髪全体を整えながら乾かしていきます。
- STEP4:最後に「冷風」を当てて、形を完全に固定する
全体の形が決まったら、最後にドライヤーの「冷風」を全体に当てることで、形がしっかりと記憶され、一日中、崩れにくいスタイルが完成します。
毎朝の戦いに、終止符を打つ。プロが提案する、根本的な解決策
「毎朝、こんなに丁寧にセットする時間はない…」
「そもそも、自分の髪は、何をしても言うことを聞いてくれない…」
そんなあなたのための、プロが提供する、究極の解決策があります。
それは、「あなたの髪そのものを、寝癖がつきにくく、そして、ついても簡単に直るように、デザインし直す」ことです。
- 「カット」で、解決する
プロの理容師は、あなたの髪の生え癖や骨格を正確に見極め、寝癖がつきやすい部分の重さを取り除いたり、自然な毛流れが生まれるように、カットで「仕込み」をします。
- 「パーマ」で、解決する
これが、最も効果的で、究極の時短技術です。根元を立ち上げる「ポイントパーマ」や、髪全体に自然な毛流れを与える「ニュアンスパーマ」をかけることで、髪に、寝癖よりも強い「形状記憶」を与えます。これにより、朝起きて、手ぐしを通すだけで、スタイルがほぼ完成する、という状態を創り出すのです。
なぜ「寝癖の悩み」はプロ、特に「理容師」に相談すべきなのか
あなたの「寝癖」の悩みは、あなただけの特別なものではありません。それは、多くの男性が抱える、非常に普遍的な悩みです。そして、プロの理容師は、その悩みを、長年、専門家として解決し続けてきました。
プロは、あなたの生え癖を正確に診断し、なぜ、あなたの髪の、その部分に、いつも同じ寝癖がつくのか、その根本原因を突き止めます。
そして、その悩みを解決するための、最適なカットをデザインし、必要であれば、あなたの毎日を劇的に楽にするための、最高のパーマを提案します。
たとえ寝癖が少し残っていても、シャープな刈り上げや、きれいに整えられた襟足といった、清潔感のある土台があれば、スタイル全体がだらしなく見えることはありません。その、崩れない土台を創り出すことこそ、メンズヘアを知り尽くした、理容師の真骨頂なのです。
まとめ:朝の余裕は、髪型で創り出す
毎朝、鏡の前で、寝癖と格闘する、あの数分間のストレス。
その時間は、プロの技術に頼ることで、もっと穏やかで、もっと自信に満ちた豊かな時間へと変えることができます。
あなたの髪質や、寝相のせいだと諦めてしまう前に。ぜひ一度、メンズヘアの専門家である理容師に、あなたの「毎朝の悩み」を相談してみてはいかがでしょうか。