センターパートは「カーラー」で変わる。自然な根元の立ち上げを叶える方法
サロン帰りのような、センターパートの、あの自然でふんわりとした根元の立ち上がり。ヘアアイロンで一生懸命作ろうとしても、なんだか不自然な角度になったり、すぐにぺたんこになったり…。
その理想的なシルエット、実は多くのプロが、女性だけのものだと思われがちな「カーラー」を使って作り出していることをご存知ですか。ヘアアイロンとは一味違う、ナチュラルで柔らかなシルエットを叶えるための、カーラーを使ったプロのテクニックを、この記事で徹底的に解説します。
なぜ今、メンズのセンターパートにカーラーが有効なのか
ヘアアイロンが主流のメンズスタイリングにおいて、あえてカーラーを使うことには、多くのメリットが隠されています。
- 圧倒的に「自然」なカールが作れる
ヘアアイロンのように、高温のプレートで髪を挟んで角のあるカールを作るのではなく、カーラーは髪を円筒に沿わせて形を作るため、大きく、ふんわりとした、まるで元々のクセ毛のような極めて自然なカールを簡単に作ることができます。
- 髪への「ダメージ」が少ない
高温のプレートで直接髪を挟み続けるアイロンに比べ、カーラーはドライヤーの熱を短時間当てるだけなので、日々のスタイリングによる髪への負担を大幅に軽減できます。
- 「ながら」スタイリングで、朝の時間を有効活用
カーラーを前髪に巻いたまま、着替えをしたり、歯を磨いたりと、朝の忙しい時間を有効に使うことができます。
- 根元の「立ち上がり」作りに最適
センターパートの分け目の根元に巻くだけで、ぺたんこになりがちなトップに、最も重要な、理想的なボリュームをいとも簡単に生み出すことができるのです。
メンズセンターパートに適したカーラーの選び方
これからカーラーを試してみる方は、以下のポイントを参考に選んでみてください。
- 種類:マジックカーラーがおすすめ
表面がマジックテープのようになっていて、髪にぴたっとくっつく「マジックカーラー」が、ピンなどで留める必要がなく、最も手軽で初心者にも扱いやすいためおすすめです。
- 太さ(直径)の選び方
- 前髪の根元の立ち上げ用:直径が40mmから50mm程度の、かなり「太め」のものを選びましょう。太いほど、大きな、自然なカールが生まれます。
- 毛先のカール用:毛先に動きをつけたい場合は、直径30mm程度の、中くらいの太さのものを追加で用意すると、デザインの幅が広がります。
これで完璧!カーラーで作る、ふんわりセンターパートの手順
難しそうに見えるかもしれませんが、手順は非常にシンプルです。鍵は「熱を加えて、完全に冷ます」ことです。
- STEP1:髪を8割から9割程度乾かす
まず、髪全体を濡らした後、ドライヤーで根元を中心に乾かします。完全に乾かしきる手前の、少しだけ湿り気が残っているくらいが、カールが最もつきやすいベストな状態です。
- STEP2:前髪の根元にカーラーを巻く(最重要工程)
分け目にかかる前髪の毛束を、地面と平行になるように真上に持ち上げます。そして、毛先から巻くのではなく、「根元」にカーラーを置き、そこに髪を巻きつけるようにして、根元までしっかりと巻き込みます。
- STEP3:ドライヤーで熱を当て、そして「完全に冷ます」
カーラーを巻いた部分に、ドライヤーの温風を5秒ほど、まんべんなく当てます。その後、ドライヤーを離し、カーラーに触れてみて、熱が「完全に冷める」まで、最低でも5分以上は放置してください。髪は、熱が冷める瞬間に形が記憶されるため、この「冷ます」時間が最も重要です。
- STEP4:カーラーを優しく外し、スタイリング剤で仕上げる
根元がふんわりと立ち上がっているのを確認したら、髪の流れに逆らわないように、優しくカーラーを外します。その後、ヘアオイルやバーム、ソフトワックスなどを髪全体に馴染ませて、シルエットを整えたら完成です。
なぜ「カーラーが活きる髪」はプロ、特に「理容師」にしか作れないのか
ここまでカーラーの使い方を解説してきましたが、「自分の髪では、こんなに綺麗なカールがつかない」と感じる方もいるかもしれません。
それもそのはず。カーラーで美しいカールが作れるかどうかは、その土台となる「カット」で、実はそのほとんどが決まっているのです。
プロの理容師は、あなたがカーラーを巻いた時に、毛先が綺麗にまとまり、自然なカールが生まれるように、毛先の質感や毛量を計算してカットします。あなたの骨格に対して、どこにボリューム(カールの頂点)を持たせれば、最もバランスが良く見えるかをデザインするのです。
さらに、「毎朝カーラーを巻く時間すらない」「直毛すぎて、すぐにカールが取れてしまう」という悩みを持つ方には、究極の解決策として「パーマ」という選択肢も提案できます。カーラーで作ったような、ふんわりとした自然なカールを、乾かすだけで再現できる「ニュアンスパーマ」や「根元パーマ」は、プロならではの究極の時短技術です。
まとめ:ツールを賢く使い、理想の自分へ
カーラーは、センターパートに、ヘアアイロンでは表現しきれない、自然な生命感と柔らかな印象を与えるための、非常に賢く、効果的なツールです。
そして、そのツールの性能を100%引き出すのは、プロによって完璧に作られた「カット」という名の土台です。毎日のスタイリングを、もっと楽しく、もっと簡単にするために。ぜひ一度、メンズヘアの専門家である理容師に、あなたに最適な方法を相談してみてはいかがでしょうか。