お洒落なセンターパートの9割は「ベースカット」で決まる|プロが最も重視する土台の作り方
なぜ、サロン帰りのスタイルは自宅で再現できないのか?
サロンで仕上げてもらった、完璧なセンターパート。しかし、翌朝、自分でスタイリングしてみると、なぜか同じようにならない。ワックスを変えても、ブローを工夫しても、あの絶妙なシルエットと束感はどこかへ消えてしまう。そんな経験はありませんか。多くの人が、その原因をスタイリング剤や自分の技術不足のせいだと考えがちです。しかし、本当の答えは、もっと根本的な部分にあります。お洒落なヘアスタイルの9割は、スタイリング剤を付ける前の、土台となる「ベースカット」の時点で、すでに決まっているのです。
スタイリングの前に、勝負はついている。「ベースカット」とは
ベースカットとは、一言で言えば、あなたのヘアスタイルの「設計図」そのものです。スタイリング剤を何もつけていない、ただ乾かしただけの状態で、どれだけ美しいシルエットとまとまりがあるか。それが、ベースカットの品質を物語ります。どんなに優れたワックスを使っても、土台となるカットが髪質や骨格に合っていなければ、それはまるで、歪んだ骨組みの家に、高級なインテリアを置くようなもの。すぐにバランスは崩れ、魅力は半減してしまいます。プロの理容師が施術において最も時間と神経を注ぐのが、この全ての土台となるベースカットなのです。
プロのベースカットは、ここを見ている
では、プロはカットの際に、一体何を見ているのでしょうか。それは、お客様一人ひとりが持つ、唯一無二の素材です。
・あなたの「骨格」
頭の形は、人それぞれ全く違います。サイドのハチが張っているのか、後頭部が平坦な絶壁なのか。プロは、それらをコンプレックスとして隠すのではなく、カットによって、どこから見ても美しい理想的な「ひし形シルエット」に見えるように、フォルムをデザインします。
・あなたの「髪質」と「生え癖」
髪が硬いのか、柔らかいのか。毛量は多いのか、少ないのか。そして、最も重要なのが、髪がどの方向に向かって生えているかという「生え癖」です。優れたベースカットは、この生え癖に逆らうのではなく、むしろ流れを活かし、髪が自然に収まるべき場所に収まるように、緻密に計算されています。
・あなたの「ライフスタイル」
普段、スタイリングにどれくらい時間をかけられるのか。仕事柄、帽子やヘルメットを被ることはあるか。そういった、あなたの日常までを考慮して、再現性が高く、持続可能なスタイルを創り出すのが、プロの仕事です。
優れたベースカットがもたらす、3つの恩恵
質の高いベースカットは、あなたの日常に、計り知れないほどの恩恵をもたらします。
・恩恵1:毎朝のスタイリングが劇的に楽になる
髪がすでに、あるべき形に収まるようにデザインされているため、朝のスタイリングは、その形を軽く整え、質感を加えるだけの、非常に簡単で短い時間で済むようになります。
・恩恵2:スタイルの「持ち」が全く違う
計算されずにただ量を減らしただけのカットは、数週間もすれば形が崩れ、まとまりがなくなります。しかし、骨格と毛流れに合わせて創られたベースカットは、髪が伸びてきても、その美しいシルエットが崩れにくく、良い状態を長くキープすることができます。
・恩恵3:コンプレックスが根本から解消される
「サイドが膨らむ」「トップがぺたんこになる」「つむじが割れる」。これらの悩みの多くは、ワックスでごまかすのではなく、ベースカットの段階で、その原因を取り除くことで、根本から解消することが可能です。
理容室でのオーダー方法:「悩み」と「理想」を伝える
最高のベースカットを手に入れるために、あなたが理容室で伝えるべきことは、とてもシンプルです。
・あなたの悩みを正直に伝える
「サイドが膨らんで、頭が大きく見えてしまうのが悩みです」
「スタイリングが苦手なので、できるだけ何もしなくても形になるようにしたいです」
このように、あなたの具体的な悩みを伝えましょう。
・なりたいイメージを共有する
「清潔感のある、まとまりやすいセンターパートにしたいです」
といったように、あなたがなりたい理想のイメージを共有してください。プロは、その二つを結びつけ、あなたにとって最適なベースカットを提案します。
まとめ
あなたが毎日鏡の前で格闘しているその髪の悩みは、もしかしたら、優れた「ベースカット」一つで、全て解決できるものなのかもしれません。スタイリング剤やテクニックを追い求める前に、まずは、全ての土台となるご自身のカットを見直してみませんか。それは、あなたの髪質、骨格、そしてライフスタイルまでを深く理解し、最高のデザインを提案してくれる、プロの理容師にしかできない仕事です。ぜひ一度、本物の技術が創り出す、究極のベースカットを体験し、スタイリングの悩みから解放された、新しい毎日を手に入れてみてはいかがでしょうか。