2025.09.06

「柔らかい髪」を自在に操る整髪料の選び方と、ボリュームを出すための整髪術

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ご自身の髪に触れた時の、そのしなやかで「柔らかい髪」の質感。それは、他の髪質の方にはない、素晴らしい長所であると同時に、「髪にボリュームが出にくく、整髪してもすぐに形が崩れてしまう」「整髪料をつけると、かえってその重みでぺたんこになってしまう」といった、その髪質特有の、非常に根深いお悩みの原因ともなっていることと存じます。多くの方が、ご自身の柔らかい髪質を、整髪が難しいものと捉え、理想の髪型を諦めてしまっているのかもしれません。しかし、ご自身の髪が持つ特性を正しく理解し、それに完璧に合った整髪料を選び、そして専門的な使い方を身につけることで、そのお悩みは驚くほど改善され、むしろ柔らかい髪ならではの、軽やかで魅力的な髪型を、一日中楽しむことが可能になるのです。

Contents

なぜ柔らかい髪は、整髪が難しいと感じるのか
柔らかい髪のための整髪料選び、三つの絶対条件
柔らかい髪の、最高の相棒となる整髪料の種類
整髪料の前に、すべては髪の乾かし方で決まる
軽やかさと動きを両立する、プロのつけ方
柔らかさを、洗練された個性として楽しむ

なぜ柔らかい髪は、整髪が難しいと感じるのか

まず、なぜ柔らかい髪は、ボリュームを維持したり、形を保ったりするのが難しいのか、その理由についてご説明いたします。柔らかい髪は、髪一本一本が持つ、構造的な「ハリ」や「コシ」が、硬い髪質の方に比べて、どうしても弱いという特性がございます。そのため、ご自身の髪が持つ重さや、重力といった、ほんのわずかな力にも負けてしまい、髪の根元から寝てしまいやすいのです。そこへ、油分などを多く含む重たい質感の整髪料をつけてしまうと、ただでさえ繊細な髪はその重みに耐えきれず、あっという間に根元から潰れてしまいます。これが、整髪料をつけると、かえって髪がぺたんこになってしまうという現象の、主な原因となっています。

柔らかい髪のための整髪料選び、三つの絶対条件

柔らかい髪の方が、理想の髪型を実現するための整髪料を選ぶ際に、守っていただきたい絶対の条件が三つございます。一つ目は、何をおいても「徹底的な軽さ」です。油分や水分を多く含む重たい製品は避け、できる限り乾いた質感で、軽い使用感の整髪料を選ぶことが、全ての基本となります。二つ目は、髪をガチガチに「固める」力ではなく、ドライヤーなどで作ったふんわりとした形を、内側から優しく「支える」力を持つ整髪料を選ぶ、という視点です。そして三つ目は、その質感は「マット」一択である、ということです。艶の出る整髪料は、油分を多く含むため髪を重くしがちですが、艶のないマットな質感のものは、光を吸収し、髪に空気感があるように見せてくれるため、ボリューム感を演出する上で、非常に効果的です。

柔らかい髪の、最高の相棒となる整髪料の種類

上記の三つの条件を踏まえますと、柔らかい髪の方に、特におすすめできる整髪料の種類は、自ずと見えてまいります。その最も代表的な選択肢が、「クレイワックス」や「マットワックス」です。これらのワックスは、油分が少なく非常に乾いた質感が特徴で、高いセットする力を持ちながらも、髪に余計な重さを与えません。柔らかい髪の根元を優しく支え、空気感のある髪型を維持するのに、最も適した種類の一つといえるでしょう。また、ドライヤーなどで作ったふんわりとした形を、重さをほとんど加えることなく、そのままの状態で維持するためには、仕上げの「ヘアスプレー」も、欠かすことのできない必需品となります。

整髪料の前に、すべては髪の乾かし方で決まる

ここで、皆様にぜひ知っていただきたい、最も重要なこつがございます。それは、柔らかい髪の整髪は、整髪料をつける前の、ドライヤーで髪を乾かす段階で、その成否の全てが決まってしまう、ということです。髪を乾かす際には、ボリュームを出したいトップの部分の髪を、本来生えている方向とは逆の方向に優しく持ち上げ、その髪の「根元」に、下からドライヤーの温風を集中して当ててください。そして、ドライヤーを離し、髪の熱が冷めるまで数秒間その状態を保ちます。この「温めて、形を作り、そして冷ます」という作業を丁寧に繰り返すことで、髪の根元に、上向きの力強い癖をつけることができるのです。

軽やかさと動きを両立する、プロのつけ方

ドライヤーで立ち上がりの土台を作り終えたら、いよいよ整髪料を使って仕上げていきます。整髪料は、米粒ほどの本当にごく少量を指先に取ります。手のひら全体ではなく、指先と指の間で、薄く透明になるまで伸ばしてください。そして、ドライヤーで作った根元の立ち上がりを決して潰してしまわないよう、整髪料は絶対に根元にはつけません。髪の中間から毛先を、ご自身の指先で優しくつまんだり、あるいは髪全体をくしゃっと握るようにして散らしたりして、髪に束感と、より豊かな表情を加えていきます。

柔らかさを、洗練された個性として楽しむ

柔らかい髪という髪質は、決して整髪が難しいだけの短所ではございません。むしろ、硬い髪質の方では表現することが難しい、軽やかで、空気感のある、優しい質感を表現できる、あなただけの素晴らしい個性なのです。その個性を最大限に輝かせるためには、髪を重さから解放し、ドライヤーで根元を優しく立ち上げるという、正しい知識と技術が必要となります。もし、ご自身の柔らかい髪の特性に合わせた、より具体的な整髪方法や、それを実現するための最適な整髪料について、専門家からの助言が必要でしたら、どうぞお気軽に、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。

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