整髪料で髪のボリュームアップを|ふんわり感を出すための選び方と使い方
「髪が細く、時間が経つとどうしても頂点部がぺたんとしてしまう」「もう少し髪に自然な量感があれば、髪型がもっと格好良く決まるのに」。そうした、髪のボリュームに関するお悩みをお持ちの方は、決して少なくないかと存じます。そのお悩みは、日々の整髪料の選び方と、特にその前の「髪の乾かし方」を少し工夫するだけで、大きく改善される可能性を秘めています。ここでは、髪のボリュームアップを実現するための基本的な考え方と、明日からすぐに実践できる具体的な手順についてご説明いたします。
ボリュームアップの鍵は「根元の立ち上がり」
まず、髪のボリュームがどこで決まるのか、その根本的な原理からお話しいたします。髪全体のふんわりとした量感の正体は、つまるところ「髪の根元が、地肌からどれだけしっかりと立ち上がっているか」にかかっています。どんなに優れた整髪料を使ったとしても、髪の土台である根元が寝てしまっていては、毛先だけで軽さや動きを出そうとしても、その効果は一時的なものになってしまいます。したがいまして、整髪料をお使いになる前の、ドライヤーをかける工程こそが、ボリュームアップにおける最も重要な「土台作り」であると、私ども専門家は考えております。
ドライヤーで作る「ふんわり」の土台
それでは、髪の根元を立ち上げるための、ドライヤーの基本的な使い方をご紹介いたします。髪を洗った後、まずはタオルで優しく水気を拭き取り、髪を立ち上げたい部分、例えば頭頂部などの毛流れとは逆の方向に髪を指でかき分けながら、その根元にドライヤーの風を当てていきます。この時、指の腹で髪の根元を優しく持ち上げ、そこに下から温風を送るようなイメージで行うと、より効果的です。そして、根元が十分に乾いて立ち上がったと感じたら、最後に冷風を当てることで、その形が髪に記憶され、ふんわりとした状態が長持ちいたします。
ボリュームアップに適した整髪料の種類
ドライヤーでふんわり感の土台をつくったら、次はその状態を一日中維持し、さらに質感を高めるための整髪料を選びます。ボリュームアップが目的の場合、油分が多く重たい整髪料は、せっかく立ち上げた根元を重さで潰してしまう可能性があるため、避けるのが賢明です。おすすめなのは、油分が少なく、軽い使用感の「ワックス」です。特に、つやを抑えたマットな質感のものは、より自然で柔らかな量感を演出してくれます。また、ドライヤーと手ぐしでつくった形を、そのままの質感で維持したい場合には、仕上げに「ヘアスプレー」を全体に軽く吹きかけるのも非常に有効です。
ボリュームを潰さない使い方のこつ
整髪料のつけ方にも、ボリュームを損なわないための大切なこつがございます。まず、使用する量は、つけすぎによる重さを避けるためにも、ごく少量からお試しください。そして、手に取った整髪料を手のひらでよく伸ばした後、立ち上げた根元を潰してしまわないように、髪の中間から毛先にかけて、下から髪を持ち上げるように優しくもみ込むのが基本的なつけ方です。もし根元の保持力がもう少し欲しいと感じる場合は、ワックスなどを直接根元につけるのではなく、仕上げにハードタイプのスプレーを、髪の内側から根元に向かって軽く吹きかけるのが効果的です。
髪質に合わせた最適なご提案
ここまで、ボリュームアップのための基本的な方法についてお話しいたしましたが、最適な手順や製品は、その方の髪質、例えば元々髪が柔らかいのか、あるいは硬いのか、直毛なのか、少し癖があるのか、といった要素によって大きく異なってまいります。ご自身の髪質に本当に合った、軽やかで保持力のある整髪料をご自身だけで見つけ出すのは、簡単なことではないかもしれません。また、ご自身では気づかないような、より効果的なドライヤーの当て方が見つかることもございます。そうした一人ひとりに合わせた最適な製品選びと、専門的な技術の助言を行うことこそが、私ども髪の専門家の役割です。
正しい方法で、髪の悩みを自信に
髪のボリューム不足というお悩みは、正しい「乾かし方」と、ご自身に合った「整髪料選び」という二つの柱によって、解決へと導くことができます。髪がふんわりと自然に立ち上がるだけで、全体の印象は驚くほど若々しく、活力に満ちたものへと変わります。髪に関するどのようなお悩みでも、どうぞお気軽に、私どもにご相談くださいませ。