整髪料で髪のボリュームダウンを|広がる髪を抑える選び方と使い方
「髪の量が多くて、なかなか思うようにまとまってくれない」「湿気が多い日は特に、髪が大きく広がってしまって困る」。そうした、ご自身の髪のボリュームがありすぎることにお悩みの方は、少なくないかと存じます。髪の力を無理に抑え込もうと、ただやみくもに整髪料をたくさんつけても、不自然なべたつきの原因になるだけで、根本的な解決には至りません。そのお悩みは、髪がなぜ広がるのか、その原因を正しく理解し、ご自身の髪質に合った適切な整髪料と使い方を選ぶことで、すっきりと解消される可能性がございます。
ボリュームが出てしまう髪の原因
まず、なぜ髪が意図せず広がってしまうのか、その主な原因からお話しいたします。一つは、髪質そのものによるものです。髪の一本一本が太くて硬い「剛毛」の方や、髪の密度が高い「多毛」の方、そして髪にうねりがある「くせ毛」の方は、髪そのものが持つ力によって、自然とボリュームが出やすい傾向にございます。もう一つの大きな原因が、「髪の乾燥」です。髪が乾燥していると、静電気が起きやすくなって髪がまとまりにくくなるほか、空気中の余分な水分を吸い込んでしまい、一本一本が膨らんで、結果として全体のボリュームが増してしまうのです。これらの原因から、ボリュームダウンの鍵は、髪に「適度な重さ」と「十分な潤い」を与えてあげることにある、と申せます。
ドライヤーで作る「まとまり」の土台
広がりやすい髪を落ち着かせるためには、整髪料をお使いになる前の、ドライヤーをかける工程が非常に重要になります。髪のボリュームを抑えるための基本的な乾かし方は、ドライヤーの風を、必ず「上から下へ」と当てることです。髪の流れに沿って風を送ることで、髪の表面を覆うキューティクルが整い、広がりが抑えられます。特に、横の部分のふくらみが気になる方は、手のひらで髪を優しく頭に沿わせるように押さえつけながら、その上から温風を当ててみてください。そして、全体が乾いたら、最後に冷風を当てることで、整った状態が記憶され、つややかでまとまりのある髪の土台が完成します。
ボリュームダウンに適した整髪料の種類
ドライヤーで髪の広がりを抑える土台をつくったら、その状態を一日中維持するための整髪料を選びます。広がる髪を抑えるには、ある程度の重さや粘性、そして保湿力を持った製品が適しています。「グリース」や「ジェル」は、その重さと粘性によって、髪の広がりを強力に抑え込む力を持っています。つやのある、きっちりとした髪型に仕上げたい場合に最適です。また、「ヘアクリーム」や「ヘアバーム」は、非常に高い保湿力が魅力です。髪にたっぷりと潤いを与え、乾燥による広がりを防ぎながら、自然なまとまりをつくってくれます。軽すぎるワックスや、乾いた質感のマット系の整髪料は、髪を抑える力が弱いため、ボリュームダウンを第一の目的とする場合には、あまり向いていない場合がございます。
広がりを抑える使い方のこつ
整髪料のつけ方にも、ボリュームを効果的に抑えるためのこつがございます。まず、手のひらでよく伸ばした整髪料を、髪の表面からつけるのではなく、髪の「内側」からしっかりとつけることを意識してください。髪の広がりは、その内側にある膨大な量の髪が原因であることが多いのです。まず土台となる内側を落ち着かせ、その後、手のひらに残ったわずかな整髪料で、表面の毛流れを整えるようにすると、べたつかずにすっきりとまとまります。
髪質に合わせた最適なご提案
これまでご説明いたしましたのは、ボリュームダウンのための基本的な方法です。最適な整髪料やその使い方は、お客様一人ひとりの髪質、特にくせの種類やその強さによって、大きく変わってまいります。ご自身の髪質を正確に見極め、その髪の力に負けない、適切な重さと保湿力を持った製品をご自身だけで見つけ出すのは、簡単なことではないかもしれません。そのような専門的な判断こそが、私ども髪の専門家の役割です。お客様の髪の状態に合わせた最適な製品選びと、日々の扱いが楽になるような使い方を、責任をもってご提案させていただきます。
悩みの種を、魅力的な個性へ
ボリュームがありすぎるという髪のお悩みは、正しい「乾かし方」と「整髪料選び」によって、コントロール可能な「豊かな髪」という、ご自身の魅力的な個性へと変えることができます。ご自身の髪質と上手に付き合っていくことで、これまで諦めていた髪型にも挑戦できるかもしれません。髪の広がりに関するどのようなお悩みでも、どうぞお気軽に私どもにご相談くださいませ。