こなれ感を演出する「外ハネ」スタイル、最適な整髪料の選び方と作り方
近年、男性の髪型のおしゃれにおいても、襟足や顔周りの毛先を軽やかに外側にはねさせる「外ハネ」のスタイルが、すっかり人気の髪型の一つとして定着しました。肩の力が抜けたような、それでいて計算された「こなれ感」を演出し、髪型全体に軽やかな動きを与えてくれるのが、この外ハネスタイルの大きな魅力です。しかしその一方で、「自分で挑戦してみても、なんだか不自然な仕上がりになってしまう」「そもそも、どのような整髪料を使えば、あのような自然な動きが出せるのか分からない」といった、多くの方が抱えるであろうお悩みの声も、私たちはよく耳にします。この記事では、自然で洗練された外ハネスタイルをご自身のものにしていただくための、最適な整髪料の選び方と、その具体的な作り方の手順について、髪の専門家である理容師の視点から詳しく解説してまいります。
外ハネスタイルが持つ魅力とは
そもそも、なぜこれほどまでに外ハネの髪型が支持されているのでしょうか。その理由は、外ハネがもたらすいくつかの優れた効果にあります。まず、毛先に動きが生まれることで、髪型全体の印象が重たくなるのを防ぎ、見た目にも「軽やかさ」を演出してくれます。また、きっちりと固められた髪型とは一線を画す、作り込みすぎていない自然な雰囲気は、おしゃれ上級者のような「こなれ感」を醸し出します。そして、顔周りの毛先を効果的に外側にはねさせることで、見る人の視線を横方向に広げ、顔全体の輪郭を補正する、といった視覚的な効果も期待できるのです。
外ハネ作りに適した整髪料の選び方
美しい外ハネを作るためには、その目的を達成するのに適した整髪料を選ぶことが、非常に重要となります。まず、最も基本的な選択肢となるのが、「ヘアワックス」です。毛束感を作り出し、毛先の方向性をしっかりとコントロールすることができるヘアワックスは、外ハネの動きを作る上で非常に相性の良い整髪料です。固めすぎない自然な仕上がりをお好みであればソフトタイプのものを、作ったハネを一日中しっかりと維持したいのであれば、ある程度のセットする力があるハードタイプのものを選ぶと良いでしょう。あるいは、ワックスほどの明確なセットする力は求めず、より自然で柔らかな毛先の動きと、潤いのある艶感を重視するのであれば、「ヘアバーム」や「ヘアオイル」といった選択肢も非常に有効です。
整髪料の前に、熱で「ハネの土台」を作る
ここで皆様に知っていただきたい、プロの視点からの最も重要なこつがございます。それは、美しい外ハネは、整髪料の力だけで作るのではなく、その前の「熱」を使った下準備で、その土台が作られるということです。まず、ドライヤーで髪を乾かす際に、ハネさせたい部分の毛束をご自身の指でつまみ、外側に軽くねじりながらドライヤーの温風を当てます。そして、温まった髪が冷める瞬間に形が記憶されるという性質を利用し、そのままの状態で数秒おいてから、仕上げに冷風を当てることで、自然なハネの土台を作ることができます。よりくっきりとした、あるいは正確な外ハネを作りたい場合には、ストレートアイロンを使うのも非常に有効です。
整髪料を使った仕上げの手順
熱を使ってハネの土台を作り終えたら、いよいよ整髪料を使って髪型を完成させていきます。まず、ごく少量のヘアワックスなどを、手のひら、そして指の間まで薄く均一に伸ばします。次に、髪全体に空気を入れるように、髪の根元は避け、中間から毛先にかけて優しくなじませます。そして、先ほどドライヤーやアイロンでハネを作った部分の毛束を、指先でつまみ、軽くねじるようにして整髪料をなじませ、ハネの方向性をより明確にしてあげます。最後に、全体のシルエットのバランスを見ながら、他の部分の毛束も整えれば、自然で動きのある外ハネスタイルの完成です。
外ハネをマスターして、髪型のおしゃれをもっと楽しむ
自然でこなれた印象を与える外ハネスタイルは、熱を使った丁寧な土台作りと、それを活かすための適切な整髪料選び、この二つが揃って初めて、ご自宅でも美しく再現することが可能になります。最初は少し難しく感じられるかもしれませんが、何度か練習を重ねるうちに、その力加減やこつは、必ずご自身のものになるはずです。もし、ご自身の髪の長さや髪質に最適な外ハネの作り方や、それを実現するための具体的な整髪料について、より専門的な助言が必要でしたら、ぜひ一度、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。お客様一人ひとりの魅力を最大限に引き出す髪型のご提案から、ご自宅でそれを再現するための技術指導まで、心を込めてお手伝いさせていただきます。