整髪料を毎日使うあなたのための、正しいシャンプーの選び方と洗い方
毎朝、鏡の前で整髪料を使い、ご自身の髪型を思い通りに整えることは、多くの男性にとって一日の始まりに欠かせない大切な習慣です。その一方で、一日の終わりにその整髪料を洗い流すための「シャンプー」について、皆様はこれまでどれくらい深く意識を向けていらっしゃったでしょうか。「整髪料で髪型を美しくつくること」と、「シャンプーでその日の汚れをきちんと洗い流すこと」は、健やかな髪と頭皮を未来にわたって維持するための、いわば表裏一体の、どちらも欠かすことのできない重要な行為なのです。この記事では、整髪料を毎日お使いになることを前提とした、最適なシャンプーの選び方と、整髪料を効果的に洗い流すための正しい洗い方について、髪の専門家である理容師の視点から詳しく解説してまいります。
なぜ、整髪料を落とすためのシャンプー選びが重要なのか
まずご理解いただきたいのは、現代の整髪料が、汗や湿気にも負けず、一日中髪型を維持できるように、非常に高い性能を持っているということです。それはつまり、髪への付着力が高く、耐水性を持つように作られているものが少なくない、ということを意味します。そのため、もしご自身の頭皮の状態や、お使いの整髪料の特性に合っていない洗浄力のシャンプーを使い続けていると、整髪料や一日の皮脂汚れが頭皮の毛穴に少しずつ残留してしまう可能性がございます。この日々の「洗い残し」の蓄積こそが、頭皮のかゆみやフケ、不快なべたつき、さらには抜け毛といった、様々な頭皮の不調を引き起こす大きな原因となるのです。かといって、ただ洗浄力が強ければ良いというわけでもありません。強すぎる洗浄力は、頭皮を守るために必要な潤いまで根こそぎ奪ってしまい、かえって頭皮の乾燥や、それを補おうとする皮脂の過剰な分泌を招くこともあります。
あなたの整髪料に合わせたシャンプー選びの考え方
最適なシャンプーは、普段お使いになる整髪料の種類によっても変わってきます。例えば、ヘアクリームやヘアミルクといった、比較的軽い質感の整髪料をお使いの場合は、洗浄力が穏やかで、髪と頭皮への優しさを重視したシャンプーでも十分に洗い流すことが可能です。一方で、セットする力の強いハードワックスや、髪を固めるヘアスプレーなどを多用される方は、やはりある程度の洗浄力が必要となります。そして、最も洗い落とすのが難しいとされる、昔ながらの油性のグリースなどをお使いの場合は、油性の汚れを浮かせて落とすことに特化した、クレンジング効果の高いシャンプーを選ぶのが、頭皮を清潔に保つための効果的な選択といえるでしょう。
整髪料を完全に洗い流すための、正しいシャンプーの手順
どのようなシャンプーをお使いになる場合でも、その洗浄能力を最大限に引き出すための、正しい洗い方の手順がございます。まず、シャンプーを髪につける前の「予洗い」が最も重要です。38度程度のぬるま湯で、1分半から2分ほどの時間をかけて、頭皮と髪を念入りにすすいでください。これだけで、髪に付着した汚れの7割程度は落ちるといわれており、その後のシャンプーの泡立ちが劇的に変わります。シャンプーは手のひらでよく泡立て、そのきめ細かな泡で髪を洗うのではなく、「頭皮を洗う」という意識を持ってください。指の腹を使い、頭皮を優しくマッサージするように動かしながら洗うのが基本です。髪の毛自体は、その泡が全体に行き渡るだけで十分に綺麗になります。そして、最後の「すすぎ」は、洗う時にかけた時間の倍ほどの時間をかける意識で、シャンプーの成分が頭皮に残らないよう、ぬめり感が完全になくなるまで、丁寧に行ってください。
最高の整髪は、最高のシャンプーから始まる
毎日の整髪料の効果を最大限に活かし、日々のおしゃれな髪型を心から楽しむためには、その土台となる頭皮と髪そのものが、健康であることが不可欠です。そして、その健康を力強く支えるのが、一日の汚れをきちんとリセットし、頭皮環境を清潔に整えるという、「シャンプー」が持つ大切な役割なのです。もし、ご自身がお使いの整髪料や、現在の頭皮の状態に、本当に合ったシャンプーはどれなのか、その選び方にお迷いになることがございましたら、ぜひ一度、私たち髪と頭皮の専門家である理容師にご相談ください。お客様一人ひとりの状態を拝見し、数ある専門的な製品の中から、あなたのための最適な一本を選び出すお手伝いをさせていただきます。