整髪料で髪がパリパリになる理由とは?求める質感に合わせた選び方
整髪料をお使いになった後の、髪が「パリパリ」になる、あの独特の硬い感触。ある方は、一日中髪型を崩さないためにその質感を求めて、またある方は、自然な仕上がりにするためにその質感を避けたいと、お考えになるかもしれません。この「パリパリ」という現象には、実は明確な理由がございます。その仕組みを正しくご理解いただくことで、ご自身の求める髪の質感を、自在に選び、操ることが可能になります。ここでは、髪がパリパリになる整髪料の特徴から、その使い方、そしてパリパリ感を避けたい場合の選択肢まで、詳しくご説明いたします。
なぜ髪は「パリパリ」になるのか
まず、髪がなぜパリパリとした感触になるのか、その原理からお話しいたします。この現象の主な原因は、整髪料に含まれている「樹脂成分」にあります。ジェルやスプレーといった整髪料を髪につけると、そこに含まれる水分やアルコール分が蒸発し、後に残った樹脂成分が髪の表面で薄い膜となって固まります。この硬い膜が髪の毛同士を接着し、髪型を強力に固定するのです。この樹脂が固まった時の硬質な手触りこそが、「パリパリ感」の正体です。
「パリパリ」の質感をつくる整髪料
意図的に、髪をパリッと固めて、一日中その形を維持したいとお考えの場合には、この樹脂成分を豊富に含んだ整髪料が適しています。その代表格が「ジェル」です。ジェルは、水分と樹脂成分を多く含んでおり、乾くと強力に固まるため、パリパリとした質感をつくるのに最も適した整髪料と申せます。濡れたようなつやを出しながら、作った髪型を微動だにさせない固定力が魅力です。また、「ヘアスプレー」、特にハードタイプと呼ばれるものも、髪をパリパリに固めるのに使われます。霧状の樹脂を髪に吹きかけて表面をコーティングし、髪型を最終的に固定する役割を果たします。
「パリパリ」を上手に活かす使い方
これらの整髪料で、きれいなパリパリ感を実現するためには、いくつかのこつがございます。ジェルの場合は、髪が濡れている状態で、乾き始める前に素早く髪全体に均一になじませ、形を整えることが重要です。スプレーの場合は、髪から少し距離をとって、全体にまんべんなく吹きかけるようにしてください。そして、どちらの整髪料にも共通する最も大切な約束事は、「一度固めた後は、むやみに髪を触らないこと」です。乾いた後に手ぐしやブラシを通してしまうと、固まった樹脂が剥がれて、白い粉のように見えてしまうことがございますので、ご注意ください。
「パリパリ」させたくない場合の選び方
一方で、髪を固めることなく、自然で柔らかな仕上がりにしたい、つまりパリパリ感を避けたい場合には、髪を固めない性質の整髪料を選ぶのが基本となります。その代表格が「ワックス」です。ワックスは、油分や繊維で髪にまとまりや動きを与えるのが得意で、固まることがないため、一日を通して何度でも手直しが可能です。また、「ヘアクリーム」や「ヘアバーム」は、保湿力が高く、髪に潤いを与えながら、しなやかで自然なまとまりをつくってくれます。パリパリ感とは正反対の、柔らかな質感を求める方に最適です。
求める質感を実現するための製品選び
これまでご説明いたしましたように、整髪料はその種類によって、仕上がりの質感が全く異なります。さらに、同じ「ジェル」や「ワックス」という分類の中でも、ブランドや製品によって、その固まり方の強弱や、つやの度合いは千差万別です。ご自身の髪質や、なりたい髪型の微妙なニュアンスに合わせて、無数にある製品の中から最適な一品をご自身だけで選び出すのは、非常に難しいことかもしれません。そのような時は、ぜひ私ども髪の専門家にご相談ください。お客様が求める質感を正確に理解し、それを実現するための最適な製品とその使い方を、責任をもってご提案させていただきます。
「パリパリ」を理解し、質感を自在に操る
整髪料による「パリパリ」という現象は、その仕組みをご理解いただければ、意図的に作り出すことも、また上手に避けることも可能です。ご自身のその日の気分や服装、お出かけになる場面に合わせて、整髪料を自在に使い分けることで、皆様の髪のおしゃれの幅は、より一層大きく広がることでしょう。質感に関するどのような些細なこだわりでも、どうぞお気軽に、私どもにお聞かせくださいませ。