高校生の髪型をおしゃれに、校則の中でも差がつく整髪料の選び方と使い方
高校生になり、少しずつ校則の範囲も広がる中で、ご自身の髪型でおしゃれを楽しみたい、周りから少しでも格好良く見られたい、という気持ちが強くなるのは、誰にとってもごく自然なことです。そして、その気持ちの第一歩として、整髪料を使い始める「デビュー」を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。しかしそこには、「一体何を選べば良いのだろう」「どう使えば自然で格好良い髪型になるのか」、そして何よりも「先生に注意されたりしないだろうか」といった、たくさんの期待と、同じくらいの疑問や不安がつきまとうことと存じます。この記事では、そんな高校生の皆さんが、校則をきちんと守りながら、清潔感のあるおしゃれな髪型を手に入れるための、整髪料選びの基本的な考え方と、その上手な使い方について、髪の専門家である理容師の視点から詳しく解説してまいります。
高校生の整髪料選び、基本となる三つの心構え
まず、整髪料と上手に付き合っていく上で、皆様にぜひ持っていただきたい、三つの基本的な心構えがございます。一つ目は、「清潔感がすべての基本」であるということです。どれだけおしゃれな髪型であっても、そこに清潔感が伴っていなければ、その魅力は半減してしまいます。整髪料は、寝癖を直し、髪をまとめ、爽やかな印象を与えるための道具である、という意識を常に持つことが大切です。二つ目は、「校則を正しく理解し、守る」ことです。決められた規則の中で、最大限のおしゃれを楽しむことこそが、周囲への配慮ができる、賢い大人の流儀です。そして三つ目は、「ご自身の髪と頭皮をいたわる」ことです。思春期の頭皮は、皮脂の分泌が活発で、非常にデリケートな状態にあります。洗い残しや、刺激の強い成分は、ニキビや肌荒れの原因ともなりますので、製品選びと日々の丁寧な手入れがとても重要になります。
初めての整髪料におすすめの種類と選び方
それでは、具体的にどのような種類の整髪料から始めるのが良いのでしょうか。多くの方が最初に手に取るであろう「ヘアワックス」は、使い方を覚えれば非常に万能な整髪料です。しかし、最初からセットする力の強すぎるハードタイプなどを選んでしまうと、つけすぎて失敗しやすいため、まずは髪に自然な束感や毛流れを作ることができる、「ソフトタイプ」や「ミディアムタイプ」のものから始めてみることをお勧めいたします。また、質感としては、つけていることが分かりにくく、自然な仕上がりになる「マットタイプ」、すなわち艶の出ないものが、学校生活には最も適しているといえるでしょう。もし、ワックスほどのセットする力は必要なく、主に髪の広がりを抑えたい、あるいは寝癖を直して自然にまとめたい、という目的であれば、「ヘアクリーム」や「ヘアミルク」も非常に優れた選択肢です。そして、どの種類の整髪料を選ぶにせよ、部活動の汗や一日の皮脂と混ざった汚れを、その日の夜に簡単にリセットできるよう、お湯や普段お使いのシャンプーで簡単に落とせる「水溶性」の製品を選ぶことが、絶対の条件です。
格好良く、かつ自然に見せるための使い方
「いかにも整髪料をつけました」という印象にならず、自然でこなれた感じに仕上げるためには、その使い方にいくつかの大切なこつがございます。まず、格好良くしようとして、つい多くの量をつけすぎてしまうのが、初心者に最も多い失敗です。整髪料は、小豆一粒くらいのごく少量を、手のひらと指の間に、透明になるまでしっかりと伸ばしてから使うのが基本です。そして、髪型は整髪料だけで「作る」のではなく、ドライヤーで髪を乾かす段階で「土台を作り」、整髪料で「仕上げる」という意識が非常に重要です。乾かす際に、トップの根元を立ち上げたり、サイドのボリュームを抑えたり、大まかな毛流れを作っておくことこそが、自然な仕上がりへの近道となります。
健やかな頭皮を保つための約束
整髪料を使った日は、どんなに疲れていたとしても、その日のうちにシャンプーで丁寧に洗い流すことを、自分自身との約束にしてください。思春期は、皮脂の分泌がとても活発になる時期です。洗浄力と保湿力のバランスが取れた、ご自身の肌質に合ったシャンプーを選び、毎日きちんと頭皮の汚れをリセットすることが、ニキビなどの肌の不調を防ぐ上で、何よりも大切なことなのです。
整髪料を、自分を磨くための味方に
高校生活における整髪料は、校則という社会のルールの中で、清潔感を大切にしながら、ご自身の個性を表現するための、素晴らしい道具となり得ます。正しい知識を持って整髪料と付き合うことは、ご自身の身だしなみを整えるという、社会人として求められる基本的なマナーを学ぶ、良い機会でもあるのです。もし、ご自身の髪質に本当に合った整髪料の選び方や、もっと格好良くなるための専門的な整髪の方法についてお知りになりたくなった際には、ぜひ一度、私たち理容師に相談してみてください。