お子様の大切な髪に、子供用整髪料の選び方と安心して使うための注意点
七五三やピアノの発表会、あるいはスポーツの試合の日など、ご自身のお子様の髪型をいつもより少しだけ格好良く決めてあげたい、そう思われる保護者の方は多いことでしょう。また、最近では特別な日だけでなく、日常的におしゃれを楽しむお子様も増えています。その一方で、「子供に大人が使うような整髪料を使っても大丈夫だろうか」「子供の肌は弱いけれど、かぶれたりしないだろうか」といった、親御様ならではの安全性に関するご不安を感じるのも、また当然のことです。この記事では、お子様に安心して整髪料を使ってあげるための、正しい選び方の知識と、使い方や落とし方の注意点について、髪の専門家である理容師の視点から詳しく解説してまいります。
お子様の整髪料選びで最も大切なこと
お子様の整髪料を選ぶ際に、私たちが最も重要だと考える基準は、ただ一つ、「安全性」と、それに付随する「落としやすさ」です。
肌への優しさを第一に考える
まずご理解いただきたいのは、お子様の皮膚は、大人の皮膚に比べて非常に薄く、外部からの刺激に対してとてもデリケートであるということです。そのため、整髪料を選ぶ際には、できる限り刺激の少ない成分で作られているものを選ぶことが大前提となります。天然由来の成分が主体のものや、「アレルギーテスト済み」といった記載があるものは、一つの安心材料となるでしょう。
お湯や石鹸で簡単に落とせること
整髪料の洗い残しは、頭皮のかゆみや湿疹といった肌荒れの原因となります。お子様の洗髪は、大人ほど隅々まで丁寧に行うのが難しい場合も多いため、普段お使いの子供用の石鹸やシャンプーで、特別な手間をかけることなく、簡単にかつ完全に洗い流せる製品を選ぶことが不可欠です。
どのような種類の整髪料が子供に適しているか
上記の基準を踏まえると、お子様の整髪に適している整髪料の種類は、自ずと絞られてきます。様々な髪型に対応しやすく、動きや束感を出すのに適した「ヘアワックス」をお使いになる場合は、主成分が水でできており、洗い流しやすい「水溶性」のものを選ぶようにしましょう。また、サッカーの試合などで汗をかく場面で、髪型をある程度しっかりと固定してあげたい場合には、「ヘアジェル」も有効ですが、これも必ずお湯で簡単に落ちる水溶性の製品を選ぶのが基本です。大人の男性が使うような、油分が強く落としにくいグリースや、髪を強力に固めてしまうハードスプレーなどは、洗浄時の髪と頭皮への負担が大きいため、特別な理由がない限りは、お子様へのご使用は避けるのが賢明です。
お子様の髪を上手に整えるための工夫
実際に、じっとしているのが苦手なお子様の髪を整える際には、いくつかの上手に行うための工夫がございます。まず、整髪料の量ですが、お子様の髪は大人よりも細く、量も少ないため、大人が使う量の半分以下、米粒から小豆一粒くらいの、ごく少量で十分な場合がほとんどです。つけすぎてしまうと、不自然なべたつきの原因となります。整髪料は手のひらでよく伸ばし、少し温めてからつけてあげると、髪なじみが良くなり、白い塊などができにくくなります。そして何よりも、お子様が嫌がらないよう、好きな動画などを見せている間に、遊びの延長のような感覚で、素早く楽しく仕上げてあげるという、親御様の心の余裕も大切です。
忘れてはいけない、その日のうちの「リセット」
どれだけ安全な成分の整髪料を選んだとしても、整髪料を使った日は、必ずその日の夜の入浴時に綺麗さっぱりと洗い流し、頭皮と髪を清潔な状態に戻してあげることが絶対の約束です。髪を洗う際には、まずお湯だけで十分に髪をすすぐ「予洗い」を行い、整髪料をおおよそ浮かび上がらせてからシャンプーをつけましょう。決して爪を立てず、指の腹を使って優しく頭皮を洗い、シャンプーの成分が頭皮に残らないよう、すすぎは時間をかけて念入りに行ってあげてください。
正しい知識で、お子様とのおしゃれを楽しむ
子供用の整髪料は、「安全性」と「落としやすさ」という二つの大切な基準を守って正しく選べば、お子様のおしゃれの幅を広げ、特別な日をさらに輝かせるための素晴らしい道具となります。親子で一緒に鏡の前に立ち、髪型を整える時間は、きっと笑顔あふれる楽しいコミュニケーションの時間にもなることでしょう。もし、お子様の髪質に合った製品選びや、アレルギーに関するご不安など、より専門的な助言が必要な場合は、どうぞお気軽に、私たち理容師にご相談ください。デリケートなお子様の髪にも安心してお使いいただける製品のご紹介など、ご家族皆様の髪の健康を守るためのお手伝いをさせていただきます。