髪だけでなく肌も守る、「肌に優しい」整髪料の選び方と正しい付き合い方
髪型を格好良く整えるために、日々の生活に欠かすことのできない整髪料。しかしその一方で、整髪料をつけた日におでこにニキビができてしまったり、髪の生え際にかゆみを感じたりといった、思いがけない肌の不調に悩まれてはいらっしゃいませんでしょうか。特に、元々お肌がデリケートな方にとっては、整髪料選びは、ご自身の髪型だけでなく、大切な肌の健康をも左右しかねない、非常に重要で、そして切実な問題です。ですが、ご安心ください。髪のおしゃれを諦めることなく、ご自身の肌を健やかな状態に保つことは、正しい知識と、ご自身の肌質に合った製品選びで、十分に可能となるのです。この記事では、髪だけでなく、あなたの肌にも優しい整髪料の選び方と、肌への負担を最小限に抑えるための正しい使い方について、専門家の視点から詳しく解説してまいります。
なぜ、整髪料で肌が荒れてしまうのか
そもそも、なぜ整髪料が原因で、肌が荒れてしまうことがあるのでしょうか。その主な原因は、三つございます。一つ目は、整髪料に含まれている特定の化学成分が、ご自身の肌質にとって刺激となり、かゆみや赤みを引き起こしてしまう場合。二つ目は、整髪料に含まれる油分が、汗や皮脂と混ざり合い、おでこや髪の生え際の毛穴を塞いでしまうことで、ニキビの原因となる場合。そして、三つ目が、最も多くの方に当てはまるであろう、「洗い残し」です。一日の終わりに、髪についた整髪料をシャンプーで洗い流す際に、そのすすぎが不十分であったり、あるいは洗顔の際に、髪の生え際までを丁寧に洗えていなかったりすると、整髪料の成分が肌の上に残ってしまい、睡眠中に長時間、肌を刺激し続けてしまうのです。
「肌に優しい」整髪料を見分けるための三つの約束
ご自身の肌を守りながら、安心してお使いいただける整髪料を見分けるためには、いくつかの大切な視点がございます。
約束1、できるだけシンプルな成分構成のものを選ぶ
まず基本となるのが、香料や着色料、防腐剤といった、肌への刺激となり得る可能性のある添加物の使用が少ない、あるいは含まれていない、できるだけシンプルな成分構成の製品を選ぶ、ということです。天然由来の植物成分や、オーガニック認証を受けた成分などが主体となって作られているものは、肌への優しさを考える上での、一つの良い目安となるでしょう。
約束2、「洗い流しやすさ」を何よりも重視する
肌の不調を引き起こす最大の原因である「洗い残し」を防ぐため、お湯や、石鹸系の優しい洗浄力の洗浄剤で、すっきりと、そして簡単に洗い流すことができる「水溶性」の製品を選ぶことが、何よりも不可欠です。
約束3、アレルギーテストなどを確認する
製品によっては、「敏感肌用」や「アレルギーテスト済み」、「パッチテスト済み」といった、肌への安全性を考慮して作られていることを示す記載がございます。こうした表記もまた、製品を選ぶ上での、一つの信頼できる基準となります。
肌への負担を最小限に抑える、日々の使い方と洗い方
肌に優しい製品を選んだとしても、その使い方や、その後の手入れを誤ってしまっては、その効果も半減してしまいます。例えば、前髪などに整髪料をつける際には、お顔の皮膚に直接付着してしまわないよう、細心の注意を払うことが大切です。また、整髪料をつけた後は、無意識にご自身の顔を触ってしまうことのないよう、すぐに石鹸で手を洗う習慣をつけることも、お勧めいたします。そして、一日の終わりには、髪を洗うだけでなく、髪の「生え際」の部分まで、洗顔料の泡で優しく、しかし確実に洗うことを、日々の習慣としてください。
髪のおしゃれと、健やかな肌は両立できる
「肌に優しい」整髪料を選ぶことは、単に肌荒れを防ぐという、消極的な理由からだけではございません。それは、ご自身の体を大切にいたわり、より質の高い、快適な毎日を送るための、非常に積極的な選択なのです。髪型のおしゃれと、健やかな肌。その両方を手に入れることは、正しい知識と、ご自身の肌に合った製品選び、そして日々の丁寧な習慣によって、十分に可能となります。もし、ご自身の肌質に本当に合った、安心して長くお使いいただける整髪料の選び方について、より専門的な助言が必要でしたら、どうぞお気軽に、私たち髪と肌の専門家である理容師にご相談ください。