キャップを脱いでも格好良い、帽子をかぶる日の整髪料の選び方と使い方
おしゃれを表現するための一部として、あるいは日差しから頭部を守るための実用的な道具として、キャップは多くの男性の生活に欠かせない身近な存在です。しかしその一方で、キャップを愛用する方ならではの、共通の髪に関するお悩みもございます。「キャップを脱いだ瞬間、髪がぺしゃんこに潰れていて、人前で脱ぐのがためらわれる」「帽子の中が蒸れて、整髪料と汗でべたついて気持ちが悪い」。そうしたご経験に、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。しかし、ご安心ください。キャップをかぶる日の整髪料の選び方と、その使い方をほんの少し工夫するだけで、こうしたお悩みは大きく改善することが可能です。
キャップをかぶる日の整髪料選び、三つの視点
帽子をかぶるという前提がある日には、普段とは少し違う視点で整髪料を選ぶことが、一日を快適に過ごすための鍵となります。重視すべきは、次の三つの点です。
潰れても手直しできる「再整髪力」
帽子をかぶる以上、髪が物理的に押さえつけられてしまうのは、ある程度は仕方のないことです。そのため、ヘアジェルやハードスプレーのように、髪をガチガチに固めてしまう整髪料はあまり適していません。それよりも、キャップを脱いだ後に、ご自身の手ぐしで簡単に元の髪型に近い状態に戻せるような、柔軟性のある「再整髪力」の高い整髪料を選ぶことが最も重要なポイントとなります。
蒸れやべたつきを防ぐ「軽い使用感」
帽子の中は、ご自身が思う以上に熱や湿気がこもりやすい空間です。油分の多い重たい質感の整髪料は、汗や皮脂と混ざり合うことで、不快な蒸れやべたつきの原因となってしまいます。さらっとした軽い質感のものや、油分の少ないものを選ぶことで、帽子の中の環境を少しでも快適に保つことができます。
帽子を汚しにくい「成分」
お気に入りのキャップを長く綺麗に使い続けるためには、整髪料が帽子の内側に付着しにくいかどうか、という点も考慮に入れると良いでしょう。べたつきが少なく、色移りなどもしにくい製品を選ぶことは、大切な持ち物を守る上でのささやかな配慮となります。
キャップスタイルにおすすめの整髪料の種類
上記の三つの視点を踏まえると、キャップをかぶる日に特に推奨される整髪料の種類が見えてきます。
ヘアワックス(特にマット、クレイタイプ)
キャップをかぶる日において、最も頼りになるのがヘアワックスです。その最大の利点は、非常に高い再整髪力にあります。中でも、油分が少なく乾いた質感に仕上がるマットタイプやクレイタイプのワックスは、べたつきにくく、キャップを脱いだ後に髪をほぐした際にも、ふんわりとした自然なボリューム感を再現しやすいのが特徴です。
ヘアクリームやヘアミルク
強いセットする力は必要なく、髪の広がりを抑えて自然なまとまりだけが欲しい、という場合に最適なのがヘアクリームやヘアミルクです。非常に軽く、べたつきがほとんどないため、快適な使用感を保ちながら、帽子を汚してしまう心配もほとんどありません。
キャップを脱いだ後も格好良くいるための使い方
最適な整髪料を選んだとしても、その使い方一つで、キャップを脱いだ後の髪の状態は大きく変わってきます。まず、整髪料は「つけすぎない」ことが鉄則です。帽子をかぶる日は、普段よりも気持ち少なめの量を心がけ、特に髪の根元につけすぎてしまうと、潰れた時に元に戻りにくくなるため、毛先を中心に軽くなじませるのが基本です。そして、整髪料をつける前の、ドライヤーで髪を乾かす段階での仕込みが非常に重要になります。この時に、髪の根元をしっかりと立ち上げておくことで、髪に「形状を記憶させる」ことができ、キャップで押さえつけられた後でも、その記憶が髪を元の状態に戻そうとする復元力を生み出します。キャップを脱いだ後には、まず指を髪の根元に入れ、頭皮を優しく揺らすようにしながら髪全体に空気を含ませます。その後、毛先を軽くつまんで全体のシルエットを整えるだけで、驚くほど自然な髪型がよみがえるはずです。
整髪料を味方につけて、キャップスタイルをもっと自由に
キャップをかぶる日の髪型のお悩みは、「どうせ潰れてしまうから」と諦める必要は全くありません。ご自身の髪質や目指す髪型に合った整髪料を正しく選び、そして使いこなすことで、帽子を脱ぐ瞬間を気にすることなく、一日を通しておしゃれを心から楽しむことができるようになります。もし、ご自身の髪質に最適な一品や、より高度な手直しの技術についてお知りになりたい場合は、ぜひ一度、私たち髪の専門家である理容師にご相談ください。お客様の日々の生活に寄り添い、最適な製品選びと専門的な技術で、お悩み解決のお手伝いをさせていただきます。