作り込みすぎない大人の余裕、ヘアクリームで作る自然な髪型
「整髪料は使ってみたいけれど、ヘアワックスのように固めたり、ヘアジェルのように艶を出しすぎたりするのは、少し自分の好みとは違う」。日々の髪のお手入れの中で、そのように感じていらっしゃる男性は、実は少なくないのではないでしょうか。頑張りすぎていない、あくまで自然な佇まいでありながら、きちんと手入れが行き届いている。そんな洗練された大人の髪型を求める声に、静かに、しかし確実に応えてくれる存在が「ヘアクリーム」です。この記事では、まだその魅力に気づかれていない方も多いかもしれない、ヘアクリームが持つ多くの可能性と、その能力を最大限に引き出すための上手な使い方について、詳しく解説してまいります。
ヘアクリームとは、どのような整髪料なのか
ヘアクリームとは、その名の通り、水分と油分がバランス良く配合された、乳液のような柔らかい質感が特徴の整髪料です。その最も大きな役割は、髪を「固める」ことではなく、髪を「まとめ」「潤し」「整える」ことにあります。整髪料としての最低限のセットする力を持ちながら、同時に髪に潤いを与えるトリートメントのような役割も果たしてくれる、いわば整髪と髪のお手入れの中間に位置するような存在とご理解いただくと、その立ち位置が分かりやすいかもしれません。
ヘアクリームを選ぶことの大きな利点
ヘアクリームを日々の整髪に取り入れることには、多くの利点がございます。その最大の魅力は、まるで何もつけていないかのような、極めて「自然な仕上がり」にあります。髪が本来持つしなやかさや柔らかさを損なうことなく、清潔感のある、さりげないおしゃれを演出することができます。また、髪に潤いとまとまりを与える効果が高いため、乾燥や生まれつきの癖などで広がりがちな髪を、優しく落ち着かせることができます。製品によっては保湿成分や補修成分が豊富に含まれているものも多く、日々の整髪を通じて、髪を健やかな状態に導く手助けともなります。伸びが良く、髪全体に均一になじませやすい手軽さも、毎日使う上で嬉しい点です。
ヘアクリームが特に適している髪質と髪型
その優しい特性から、ヘアクリームは特に、ご自身の髪質にお悩みの方にその真価を発揮します。日々のダメージや、元々の髪質によって髪の乾燥やパサつきが気になる方、あるいは湿気などで髪が広がりやすい方にとっては、理想的なまとまりを与えてくれる心強い味方となるでしょう。髪の長さとしては、自然な毛流れが重要となる「中くらいから長い髪」の方と非常に相性が良いといえます。もちろん、短い髪の方であっても、固めすぎずにごく自然なまとまりが欲しい、という場合には有効な選択肢となります。作り込みすぎない自然な髪型や、パーマの柔らかな動きを優しく表現したい髪型などに最適です。
ヘアクリームの能力を引き出す、正しい使い方
セットする力が穏やかなヘアクリームの能力を最大限に引き出すためには、その使い方に少しの工夫を凝らすと良いでしょう。整髪料をつける最も効果的なタイミングは、お風呂上がりのタオルで乾かした後の、髪が少し湿り気を持っている状態です。量はつけすぎてしまうと重さの原因となりますので、まずは小豆一粒くらいの少量から始め、手のひら全体に薄く伸ばしてから、髪の内側から手ぐしを通すようにしてなじませます。根元は避け、特にパサつきが気になる毛先を中心に、優しく揉み込むようにしてつけるのが基本です。その後、ドライヤーで全体の形を整えながら乾かすことで、ヘアクリームが持つ保護成分が熱から髪を守りながら、自然な毛流れを髪に記憶させることができます。
「整える」という新しい発想を、あなたの髪に
ヘアクリームは、「固めて作る」という従来の整髪料の考え方から一歩進んだ、「髪そのものの質感を優しく整える」という、新しい発想をもたらしてくれる道具です。頑張りすぎない、大人の余裕を感じさせる洗練された髪型は、こうした日々の丁寧な手入れの質によって作られます。もし、ご自身の髪質やライフスタイルに本当に合ったヘアクリームを見つけたい、あるいは、髪の乾燥やダメージといった根本的なお悩みから相談したいとお考えでしたら、ぜひ一度、私たち髪の専門家である理容師にお声がけください。お客様一人ひとりの髪の状態を拝見し、最適な日々の手入れと整髪を両立する、あなただけの一品をご提案させていただきます。