【これで安心】理容室での髪型の伝え方|理想を叶えるコミュニケーション術
理想のヘアスタイルを手に入れるための最も重要な鍵、それはお客様と私達理容師との間で行われる、丁寧なコミュニケーションにあります。しかし、いざ理容室の椅子に座ると、「自分のイメージをどう言葉にすれば良いか分からない」「専門用語も知らないし、うまく伝えられるだろうか」と、ご不安に思われる方も少なくありません。どうぞ、ご安心ください。この記事では、専門的な知識がなくても、誰でも簡単に実践できる、理想のヘアスタイルを叶えるための「伝え方のコツ」をご紹介いたします。
最も効果的な伝え方、それは「写真」を見せること
ご自身の「なりたい」というイメージを、最も簡単かつ正確に理容師と共有できる方法。それは、理想とするヘアスタイルの「写真」をお見せいただくことです。言葉で説明するのが難しい全体のシルエットや、毛先の細かな質感、そして何よりも「こんな雰囲気になりたい」という抽象的なイメージまで、一枚の写真が瞬時に伝えてくれます。お手持ちのスマートフォンに、いくつかお好みのスタイルの画像を保存してご来店いただくだけで、カウンセリングは驚くほどスムーズに進みます。
言葉で伝える際の、3つの基本要素
もしお手元に写真がない場合でも、ご心配には及びません。いくつかの基本的な要素に沿ってお話しいただければ、私達プロは十分にお客様のイメージを具体化することが可能です。
要素1:全体の「長さ」の基準を伝える
まずは、仕上がりの長さに関するご希望をお聞かせください。「耳がすっきりと出るくらいに」「襟足がシャツの襟にかからないように」といったように、ご自身の顔のパーツや服装などを基準にしていただくと、仕上がりのイメージが非常に正確に伝わります。
要素2:デザインの「希望」を伝える
次に、ヘアスタイルの輪郭となるデザインのご希望です。「サイドは短く刈り上げてほしい」「トップは自然な動きが出るようにしたい」といった、具体的なデザインに関するご要望をお伝えください。「ツーブロックにしてみたい」といったご相談も大歓迎です。
要素3:なりたい「雰囲気」のイメージを伝える
「清潔感のある、爽やかな感じに」「少し大人っぽく、落ち着いた雰囲気に」というように、お客様がそのヘアスタイルを通じて、周りの人に「どう見られたいか」という、なりたい雰囲気のイメージを伝えていただくことも、理想のスタイルを創る上で非常に重要な要素となります。
髪の「お悩み」も、大切な“伝え方”の一部です
ご自身の希望を伝えることと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが、髪に関する「お悩み」を正直にお話しいただくことです。「ハチが張っていて、頭が四角く見えやすい」「つむじが割れて、トップがぺたんとしてしまう」「毎朝のスタイリングに時間をかけたくない」といったお客様の具体的なお悩みは、私達理容師がそれを解決するための最適なカット技法やスタイルをご提案する上で、何よりも重要な情報となるのです。
「おまかせ」という伝え方を成功させる秘訣
「自分に似合うスタイルが分からないので、おまかせで」というご要望も、もちろん承ります。その際に、もしよろしければ「これだけは避けたい」というNGポイントを一つだけお伝えください。例えば、「短すぎるスタイルだけは苦手です」という一言があるだけで、私達はその範囲を避け、お客様に似合うスタイルを安心してご提案することができます。
最高の伝え方とは、素直な気持ちを「相談」すること
これまで様々な方法をご紹介しましたが、最高の伝え方の本質は、ただ一つ。お客様がご自身の髪について感じていること、悩んでいること、そして「こうなりたい」と願う素直なお気持ちを、どうぞ飾らない言葉で、私達に「相談」していただくことです。お客様の言葉にならない想いまでをも汲み取り、それをプロの技術で形にすることこそ、お客様一人ひとりに真摯に向き合う、誠実な理容師の使命です。