理容室へは整髪料をつけたまま行っても良い?お客様の素朴な疑問にお答えします
お仕事帰りや、お出かけのついでに理容室へ立ち寄って、さっぱりと身だしなみを整えたい。そうお考えになる方は多くいらっしゃることでしょう。しかしその際に、「朝、ワックスやジェルでセットした髪、このままでお店に行っても良いのだろうか」「事前に洗い流していくのがマナーなのだろうか」と、ふと疑問に思われた経験はございませんか。これは、実は多くのお客様が一度は抱かれる、素朴ながらも大切な疑問です。この記事では、そんなお客様の疑問に、プロの理容師の視点から正直にお答えいたします。
結論から申し上げますと、全く問題ございません
まず、お客様が最もお知りになりたいであろう結論から申し上げます。整髪料(ワックス、ジェル、スプレーなど)をつけたままの状態でご来店いただくことについては、全く問題ございません。どうぞ、お気になさらず、普段通りの「そのまま」の状態で、お気軽にお店の扉を開けてください。事前にシャンプーをしてきていただくといったお心遣いも、一切ご不要です。
なぜ、整髪料をつけたままご来店いただいて良いのか
お客様に「気にしなくて良い」とお伝えするには、明確な理由がございます。それは、お客様に余計なご心配やお手間をおかけしたくないという私達の想いと、プロとしての技術的な準備があるからです。
施術の前に髪の状態をリセットするのが基本です
ほとんどの理容室では、ヘアカットを始める前に、まずシャンプーで髪と頭皮の汚れや整髪料を洗い流すか、あるいはスプレイヤーで髪を十分に濡らして、一度リセットされた状態にします。これは、髪が本来持っている生え癖や毛流れを正確に把握し、ミリ単位の精度が求められるカットを正しく行うための、非常に重要な準備工程です。したがいまして、お客様がどのような状態でご来店されたとしても、私達は常に最高の施術ができる状態を整える準備ができております。
普段のスタイルを知る、貴重な手がかりになります
実は、お客様が整髪料をつけたままご来店いただくことは、私達理容師にとって、むしろ歓迎すべき側面もございます。お客様が普段、どのような種類の整髪料を、どのくらいの量お使いになり、どのようなヘアスタイルにセットされているのか。それは、お客様の好みやライフスタイル、髪に関するお悩みを私達が理解するための、非常に貴重な手がかりとなるのです。その情報を基に、「もっとスタイリングしやすいように、この部分を軽くしましょう」「こんな整髪料を使えば、さらに理想のスタイルに近づけますよ」といった、より的確なご提案をさせていただくことが可能になります。
お客様に気を遣わせない、それも誠実な理容室の務め
私達理容師の仕事は、お客様の髪を整え、格好良く仕上げることだけではございません。サロンでお過ごしいただく時間そのものを、心からリラックスできる心地よいものにすることも、同じくらい大切な務めであると考えております。「こんな状態で訪れたら、迷惑ではないだろうか」といった、お客様に余計なご心配をおかけすることなく、いつでも思い立った時に気軽にお立ち寄りいただくこと。それこそが、私達が目指すおもてなしの理想の形です。
どうぞ、あなたの「そのまま」の姿でお越しください
整髪料をつけたままのご来店は、マナー違反でもなければ、施術の妨げになることもございません。むしろ、お客様のことをより深く知るための、大切なヒントをいただく機会となります。お仕事帰りに、お出かけのついでに。あなたのライフスタイルに合わせて、いつでもお気軽に、そしてありのままの姿で、どうぞ私達のサロンへお立ち寄りください。