もう迷わない「美容院」と「理容院」の見分け方。サインポールと、その先にある本質
街を歩いていて、ふと目に留まったお洒落なヘアサロン。「一度、行ってみたいな」と感じたものの、「ここは美容院だろうか、それとも理容院だろうか?」と、その違いが分からずに、入店をためらってしまった。そんなご経験はございませんか。
かつては、その佇まいから比較的容易に見分けることができた理容院と美容院ですが、近年では、洗練された空間デザインの「バーバー(理容院)」や、男性のお客様を積極的に歓迎する「メンズサロン(美容院)」が増え、その境界線はますます曖昧になっています。
この記事では、そんな現代のサロン事情の中で、美容院と理容院を確実に見分けるための具体的なポイントと、その見分け方の先にある、あなたにとって本当に価値のあるサロン選びの方法について、詳しく解説してまいります。
最も有名で、最も確実な見分け方「サインポール」
理容院と美容院を見分ける上で、最も分かりやすく、そして最も確実な目印となるのが、お店の店先に設置された、赤・白・青の三色の縞模様が回転する、あの「サインポール」です。
もし、あなたが訪れたいサロンの店先に、このサインポールが設置され、くるくると回転しているのであれば、そこは間違いなく「理容院」です。このサインポールは、理容師法に基づいて営業を行う「理容所」であることを示す、世界共通のシンボルマークなのです。逆に、サインポールが設置されていないお店は、美容院である可能性が非常に高い、と判断することができます。
お店の「名前」や「表示」に隠されたヒント
サインポールが見当たらない場合でも、お店の看板や入り口の表示に、その答えが隠されていることがほとんどです。
「理容室」「理容院」「床屋」「バーバー」という名称
お店の名前に、これらの言葉が含まれていれば、そこは理容師が営む理容院です。「BARBER」や「BARBER SHOP」といった英語表記も同様です。これらはすべて、同じく「理容所」を指す言葉です。
「美容室」「美容院」「ヘアサロン」という名称
一方で、「美容室」「美容院」あるいは「ヘアサロン」といった名称が使われている場合は、美容師が営む美容院となります。「HAIR SALON」や「BEAUTY SALON」といった英語表記も、美容院を示します。ただし、「ヘアサロン」という言葉は、稀に理容院でも使われることがあるため、他の要素と合わせて判断するのが賢明です。
店内の様子から見分ける、さりげないポイント
もし、お店の外から中の様子をうかがうことができるのであれば、そこに置かれている「椅子」にも、大きなヒントが隠されています。理容院の施術椅子は、お客様に本格的なお顔剃り(シェービング)をご提供するため、背もたれが深く、ほぼ水平になるまで倒れる、重厚なリクライニングチェアが設置されていることが特徴です。
見分け方の先にある、本質的な「違い」を理解する
さて、ここまで見分け方について解説してまいりましたが、本当に大切なのは、単に見分けることそのものではございません。なぜ、見分ける必要があるのか、その理由である両者の「本質的な違い」を理解し、ご自身の目的に合ったお店を選ぶことです。
その最大のポイントは、やはり理容師にのみ法律で許可されている「お顔剃り(シェービング)」を受けたいかどうか、という点に尽きます。眉毛を整え、産毛を剃り、肌のコンディションまで向上させたいとお考えであれば、選ぶべきは間違いなく「理容院」です。
また、男性の骨格を熟知した、ミリ単位で創り上げる緻密な刈り上げや、清潔感あふれるショートスタイルを求めるのであれば、メンズカットの専門家である理容師がいる理容院が、あなたの期待に最も高いレベルで応えてくれることでしょう。
見分けることは、あなたにとって最高のサロンと出会うための、最初のステップです。その違いを深く理解し、ご自身の「なりたい姿」を叶えてくれる、誠実な理容師との出会いを見つけてください。