ウィッグにパーマはかけられる?知っておきたい基本とプロに相談すべき理由
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ご自身のヘアスタイルをより楽しむため、あるいは様々な理由から、ウィッグを愛用している男性は少なくありません。そして、ウィッグを使い続ける中で、「このウィッグにパーマをかけて、少し雰囲気を変えられないだろうか」と考えたことがある方もいるでしょう。結論から言うと、ウィッグにパーマをかけることは可能ですが、それには正しい知識と、素材に合わせた適切な判断が不可欠です。安易な自己判断は、大切なウィッグを台無しにしてしまう可能性があります。
Contents
ウィッグのパーマで最も重要なこと。それは「素材」の違い
ウィッグにパーマをかけられるかどうかは、そのウィッグが何でできているか、つまり「素材」によって全てが決まります。ご自身のウィッグの素材を正確に把握することが、全てのスタートラインです。
素材による違いを理解する
- 人毛ウィッグ
その名の通り、人間の髪の毛で作られたウィッグです。基本的には、人の髪と同じようにパーマをかけることが可能です。ただし、ウィッグになる過程で様々な化学処理が施されているため、地毛よりもデリケートな状態であり、薬剤の選定や施術には細心の注意が必要です。 - 人工毛(ファイバー)ウィッグ
合成繊維(ファイバー)で作られたウィッグです。多くの場合、これらの繊維は熱に弱く、一般的なパーマ液と熱を加えると、溶けたり、チリチリに縮れたりしてしまいます。そのため、原則として、通常のパーマをかけることはできません。 - 耐熱ファイバーウィッグ
人工毛の中でも、一定の熱に耐えられるように作られた特殊な繊維のウィッグです。しかし、これも一般的なパーマ液(アルカリ性の薬剤)には対応していません。カールをつける場合は、ヘアアイロンなどを使い、指定された温度を守って慎重に行う必要があります。 - ミックス毛ウィッグ
人毛と人工毛(または耐熱ファイバー)を混ぜて作られたウィッグです。それぞれの毛が薬剤や熱に対して異なる反応を示すため、パーマをかけるのは非常に難易度が高く、専門的な知識と技術が求められます。
ウィッグのセルフパーマに潜むリスク
「人毛ウィッグなら、自分でパーマをかけられるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、地毛にかけるのとは全く異なる、ウィッグならではのリスクが存在します。
プロへの相談が推奨される理由
- 取り返しのつかないダメージ
地毛であれば、万が一失敗しても、時間をかければ新しい髪が生えてきます。しかし、ウィッグは一度ダメージを受けてしまったら、二度と元には戻りません。薬剤の選定ミスや、放置時間の誤りは、高価なウィッグを完全にダメにしてしまう可能性があります。 - 薬剤反応の予測不能性
ウィッグとして製品化されている人毛は、見た目はきれいでも、消毒や染色といった複数の化学処理を経ています。そのため、パーマ液に対してどのように反応するかを正確に予測するのは、プロでなければ非常に困難です。 - 施術そのものの難しさ
ウィッグスタンドに固定して、絡まないように髪を分け取り、均一に薬剤を塗布し、ロッドを巻くという一連の作業は、ご自身で行うには極めて難しいものです。塗りムラや、根元部分の不自然な折れなどの原因になります。
プロのサロンに相談するという選択肢
ウィッグのパーマに関する悩みは、髪と薬剤の専門家であるプロの理容師に相談するのが、最も安全で確実な方法です。
専門知識と安全な施術
- 的確な素材の判断
プロは、お客様がお持ちのウィッグの素材を正確に見極め、そもそもパーマがかけられる状態にあるのか、どのようなリスクがあるのかを、正直に、そして的確に判断します。 - 最適な薬剤の選定
ウィッグのデリケートな髪の状態に合わせて、数ある薬剤の中から、最も負担の少ない優しいものを選定します。ダメージを最小限に抑えながら、理想のカールを目指します。 - カットを含めたトータルデザイン
パーマは、あくまでヘアスタイルの一部です。パーマをかけた後に、お客様の骨格や雰囲気に合わせてカットを施し、全体のバランスを整えることで、初めて自然で格好良いスタイルが完成します。この「カットとの連動」こそ、プロに任せる最大のメリットです。 - スタイリングや日々のお手入れのアドバイス
パーマをかけた後のウィッグの正しい洗い方や、カールをきれいに保つためのスタイリング方法、そして保管方法など、大切なウィッグを長く愛用するための専門的なアドバイスを受けることができます。
まとめ
ウィッグにパーマをかけることは、あなたのヘアスタイルの可能性を広げる、魅力的な選択肢です。しかし、その施術は、素材の見極めや薬剤の知識、そしてカット技術が求められる、非常に専門性の高いものです。大切なウィッグを失敗のリスクから守り、本当に似合う、自然でスタイリッシュなパーマスタイルを手に入れるために、ぜひ一度、経験豊富なプロの理容師にご相談ください。
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