パーマでヘアカラーの色が抜けるのはなぜ?正しい順番とプロの対策法
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せっかくお気に入りの色に染めたのに、イメージチェンジのためにパーマをかけたら、髪色が抜けて明るくなってしまった。そんな、少し悲しい経験をしたことはありませんか。あるいは、これからカラーとパーマの両方を楽しみたいと考えている方にとって、パーマによる「色抜け(褪色)」は、大きな不安要素の一つでしょう。パーマをかけるとヘアカラーの色が抜けてしまうのには、実は避けられない化学的な理由があります。しかし、正しい知識とプロの技術によって、その色抜けは最小限に抑えることが可能です。
Contents
なぜパーマをかけると髪の色が抜けるのか?
パーマの施術工程で使われる薬剤が、髪の内部に定着しているヘアカラーの染料に直接影響を与えてしまうことが、色抜けの主な原因です。
髪の内部で起こる化学反応
- パーマ液に含まれる「アルカリ剤」の働き
パーマをかける際に使う1剤には、髪の表面のキューティクルを開き、髪の内部の結合を切断して柔らかくするための「アルカリ剤」という成分が含まれています。 - ヘアカラーの染料を分解・流出させてしまう
このアルカリ剤が髪の内部に浸透する際に、既に定着しているヘアカラーの染料(酸化染料)を分解し、開いたキューティクルから髪の外部へと洗い流してしまうのです。これが、パーマによって髪色が明るく抜けてしまう現象の直接的な原因です。 - 特にアッシュ系などの寒色カラーは抜けやすい
ヘアカラーの中でも、特にアッシュ(灰色)系やマット(緑)系といった寒色系の染料は、ブラウン系の染料に比べて髪の内部から流出しやすい性質があります。そのため、これらの色に染めている方がパーマをかけると、より色抜けをはっきりと感じやすくなります。
色抜けを最小限に!カラーとパーマの正しい順番
では、どうすればパーマによる色抜けを最小限に抑えることができるのでしょうか。最も重要で、かつ最も効果的な対策は、施術の「順番」を正しく守ることです。
どちらを先に行うべきか
- 結論は「パーマが先、カラーが後」が鉄則
ヘアカラーの色抜けを最も効果的に防ぐための基本的な順番、それは「先にパーマをかけ、その後にカラーリングをする」ことです。これは、多くのプロの理容室・美容室で採用されている、最も合理的で安全な順番です。 - その理由
先にパーマの施術を終わらせ、髪にしっかりとカールを定着させます。その後にカラーリングを行うことで、パーマ液がカラーの染料に影響を与えるということが一切なくなります。結果として、パーマのカールも、カラーの色味も、両方を美しい状態で仕上げることができます。 - 最も理想的なのは「1週間ほど期間を空ける」こと
もしスケジュールに余裕があれば、パーマをかけてから1週間ほど期間を空けてカラーリングをするのが、最も理想的です。パーマをかけた直後の髪は、まだ内部構造が完全に安定していません。1週間ほど置くことで、パーマのカールが髪に完全に定着し、髪のコンディションも落ち着くため、その後のカラーの染まり具合や、色持ちもより一層良くなります。
理容室だからできる、色抜けを抑えるプロの技術
施術の順番を守ることは大前提ですが、プロの理容師は、それ以外にも様々な専門的な技術を駆使して、お客様の大切な髪色とパーマスタイルを守ります。
薬剤とケアで髪を守る
- ダメージを抑えた薬剤の選定
そもそも髪のダメージが少ないほど、キューティクルが整っており、染料は髪の内部に留まりやすくなります。プロは、お客様の髪質を正確に診断し、パーマもカラーも、数ある選択肢の中から最も髪への負担が少ない薬剤を選定します。 - 施術中の栄養補給(中間処理)
パーマの施術中に、髪に必要な栄養分(タンパク質など)を補給する「中間処理」を行います。これにより、髪の体力を維持し、その後のカラーリングによる色抜けやダメージに耐えられる、健康な状態を保ちます。 - 染料を髪にしっかり閉じ込める「後処理」
カラーリングが終わった後、専用の処理剤を使って髪を健康な弱酸性の状態に戻し、開いたキューティクルを強力に引き締めます。このプロならではの工程が、染料を髪の内部にしっかりと閉じ込め、色抜けを防ぐための重要な鍵となります。 - お客様に合わせた最適なプランの提案
お客様のなりたいスタイルや髪の状態を総合的に判断し、「今回は同時施術でも大丈夫です」あるいは「最高の仕上がりのために、1週間だけ期間を空けませんか」といった、髪の状態を第一に考えた、正直で最適なプランを提案できるのがプロの価値です。
まとめ
パーマをかけるとヘアカラーの色が抜けてしまうのは、パーマ液の化学反応によるものであり、特にカラーリングの直後にパーマをかけるとその影響は大きくなります。そのため、色抜けを防ぐには「パーマを先、カラーを後」という順番を守ることが最も重要です。そして、髪へのダメージを最小限に抑え、パーマもカラーも最高のクオリティで仕上げるためには、薬剤知識と専門的なケア技術を持つプロに任せるのが最善の選択です。お気に入りの髪色も、動きのあるパーマスタイルも、どちらも諦める必要はありません。
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