パーマをかけると「はげる」は本当?髪と頭皮を守るための正しい知識
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パーマをかけて、おしゃれなヘアスタイルを楽しみたい。しかしその一方で、「パーマ液は強い薬剤だから、髪や頭皮に悪影響があって、はげる(薄毛になる)のではないか」。そんな、男性ならではの深刻な不安から、パーマに一歩踏み出せずにいる方も少なくないでしょう。巷で囁かれるこの噂について、多くの誤解が広まっています。今回は、パーマと薄毛の本当の関係と、髪と頭皮の健康を守りながら、安全にパーマを楽しむための方法について、プロの視点から詳しく解説します。
Contents
結論:パーマが、薄毛の「直接的」な原因にはならない
まず、多くの方が最も心配されているであろう、「パーマをかけると、薄毛(AGAなど)が直接的に進行するのか」という点について、結論からお伝えします。
薄毛のメカニズムとパーマの作用
- 男性の薄毛(AGA)の主な原因
成人男性の薄毛の悩みの多くは、AGA(男性型脱毛症)によるものです。これは、遺伝的な要因や、男性ホルモンの影響が主な原因とされており、髪の成長サイクルが乱れることで、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう状態を指します。 - パーマ液が作用する場所
一方、パーマ液は、髪の毛(毛幹)と、頭皮の表面(表皮)に作用する化学薬品です。髪の毛を作り出す、毛根のさらに奥深くにある「毛母細胞」にまで直接浸透し、その働きを停止させてしまうような力はありません。 - 科学的な根拠について
現状、「パーマの施術が、直接的にAGAを引き起こしたり、その進行を早めたりする」という、明確な医学的・科学的な根拠はありません。ですので、「パーマをかける=はげる」と、過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
では、なぜ「パーマではげる」という噂が立つのか?
ではなぜ、「パーマをかけると抜け毛が増える」あるいは「はげる」といった噂が、まことしやかに語られるのでしょうか。それには、パーマが髪と頭皮に与える、いくつかの「間接的」な影響が関係しています。
頭皮環境の悪化と、髪のダメージ
- リスク1
頭皮への負担による「抜け毛」の増加
パーマ液に含まれるアルカリ剤などの化学物質が頭皮に付着すると、それが刺激となり、頭皮が炎症を起こしたり、乾燥したりすることがあります。健康な髪は、健康な頭皮という土壌から生えてきます。この土壌である頭皮環境が悪化することで、髪の成長が妨げられ、一時的に抜け毛が増えてしまう、という可能性は否定できません。 - リスク2
ダメージによる「切れ毛」
パーマによるダメージで髪がもろくなると、シャンプーやブラッシングといった日々のわずかな摩擦で、根元から抜けるのではなく、髪の途中からプチプチと切れてしまう「切れ毛」が増えます。この切れてしまった短い毛が、シャワーの排水溝などに溜まるのを見て、「抜け毛が増えた」「薄毛が進行した」と誤解してしまうケースも非常に多くあります。 - セルフパーマという、最大のリスク
特に、ご自身の頭皮や髪の状態を診断することなく、市販の強力な薬剤を使い、頭皮の保護も行わないセルフパーマは、これらの頭皮トラブルや髪のダメージを最大限に引き起こし、「はげる」という不安を、より現実的なものにしてしまう、最も危険な行為です。
理容室だからできる、頭皮と髪を守るパーマ
これらの、抜け毛に繋がる間接的なリスクを徹底的に管理し、安全に、そして安心しておしゃれなパーマスタイルを楽しむ。それこそが、プロの理容師が提供する、専門的な施術の価値です。
専門知識に基づいた、徹底的なリスク管理
- 施術前の的確な「頭皮・毛髪診断」
プロの理容師は、パーマをかける前に、まずお客様の頭皮が健康な状態にあるか(炎症や傷がないか)、そして髪がパーマの施術に耐えられるだけの体力を持っているかを、必ずチェックします。頭皮に何らかのトラブルが見られる場合は、お客様の安全を第一に考え、施術をお断りすることもあります。 - 頭皮を守る、徹底した保護技術
施術前には、頭皮全体を専用の保護オイルでコーティングしたり、薬剤が頭皮に極力つかないように根元ギリギリから塗布する「ゼロテクニック」を駆使したりと、頭皮への刺激を最小限に抑えるための、あらゆる工夫を凝らします。 - 髪と頭皮に優しい、最適な「薬剤選定」
お客様の状態に合わせて、刺激の少ない化粧品登録の「コスメパーマ」や、髪の健康な状態に近い弱酸性の領域で作用する「酸性パーマ」など、数あるプロ専用の薬剤の中から、最も負担の少ないものを選択します。 - ダメージの原因を髪と頭皮に残さない「後処理」
施術後、髪や頭皮に残留して、炎症やダメージの原因となる化学物質を、専用の処理剤を使って完全に除去します。 - 頭皮ケアという、根本的なアプローチ
パーマの施術と同時に、頭皮の血行を促進し、毛穴の汚れをすっきりと除去する「ヘッドスパ」を組み合わせることも可能です。抜け毛を予防し、健康な髪の育成を促すという、根本的なケアを同時に提案できるのが、理容室の大きな強みです。
まとめ
パーマが、AGAなどの薄毛の「直接的」な原因になるという科学的根拠はありません。しかし、不適切な施術は、頭皮環境を悪化させたり、切れ毛を増やしたりして、「抜け毛が増えた」と感じる「間接的」な原因にはなり得ます。このリスクを最小限に抑え、安全にパーマを楽しむためには、お客様の頭皮と髪の状態を正確に診断し、徹底した保護とケアを行いながら施術できる、プロの技術が不可欠です。「はげるのが怖いから」と、おしゃれを諦めていませんか。その不安、正しい知識とプロの技術で解消できます。
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