パーマ液の種類と役割、知ってる?髪とスタイルで選ぶプロの選択
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メンズパーマをかける上で、そのスタイルの仕上がりを決定づける最も重要な要素、それが「パーマ液」です。しかし、多くの方にとって、その正体は謎に包まれた化学薬品、というイメージではないでしょうか。実は、パーマ液には様々な種類があり、それぞれに異なる特徴と役割があります。このパーマ液の基本を理解することが、あなたの髪を守り、理想のヘアスタイルを手に入れるための第一歩となるのです。
Contents
パーマ液の基本。1剤と2剤の役割
一般的なパーマ(コールドパーマ)は、「1剤」と「2剤」という、二つの異なる役割を持つ薬剤を使って、髪にカールを記憶させます。この二段階のプロセスが、髪の形状を変化させるための化学反応です。
髪の形を変える化学反応
- 1剤(還元剤)の役割
結合を「切断」する
まず、髪に塗布されるのが1剤です。この薬剤には、髪の主成分であるタンパク質の内部にある、形状を維持するための頑丈な結合(シスチン結合)を、一時的に切り離す働きがあります。これにより、髪は形を自由に変えられる、柔らかくしなやかな状態になります。 - 2剤(酸化剤)の役割
結合を「再固定」する
1剤で柔らかくなった髪をロッドなどで巻き、理想のカールの形を作った後に塗布されるのが2剤です。この薬剤には、切り離されていたタンパク質の結合を、新しい形(カールの形)のままで、再び強力に結びつける働きがあります。これにより、カールが髪に記憶され、パーマスタイルが完成するのです。
全て同じじゃない。パーマ液の種類と特徴
一言で「パーマ液」といっても、その主成分によって、カールの強さや髪への負担は大きく異なります。プロの理容師は、お客様の髪質やなりたいスタイルに合わせて、これらの薬剤を使い分けています。
仕上がりのイメージとダメージで選ぶ
- チオグリコール酸系
最もスタンダードで、古くから使われている種類のパーマ液です。リッジの効いた、しっかりとしたカールやウェーブを創り出すことを得意とします。ただし、比較的パワーが強いため、髪質の見極めと適切な時間管理が求められます。 - システイン系
髪のタンパク質を構成するアミノ酸に近い成分を主成分としており、チオグリコール酸系に比べて、非常にマイルドな作用が特徴です。大きなカールや、ごく自然なクセ毛のような、柔らかな質感のパーマをかけるのに適しています。髪への負担が少ないため、ダメージが気になる方にもおすすめです。 - コスメパーマ
法律上「化粧品」に分類される、非常に優しい薬剤を使用したパーマです。髪へのダメージを最小限に抑えながら、ごく自然な毛流れや、スタイリングをしやすくするための、さりげないニュアンスをつけたい場合に最適です。 - 酸性パーマ
髪が最も安定する健康な状態に近い「酸性」領域で作用する、特殊なパーマ液です。髪の膨潤を最小限に抑えるため、ダメージが非常に少なく、カラーやブリーチを繰り返した髪にも対応できる場合があります。
なぜプロが選ぶパーマ液は違うのか
市販のセルフパーマ液も存在しますが、プロがサロンで使用する薬剤と、それを扱う技術には、決定的な違いがあります。
診断と調合という名の技術
- 施術前の的確な毛髪診断
プロの理容師は、パーマをかける前に、まずお客様の髪質(硬いか、柔らかいか)、太さ、現在のダメージレベル、そして水を弾きやすい髪質かどうかなどを、指先や目で正確に診断します。この診断結果が、どの種類のパーマ液を選ぶべきかを決定する、最も重要な情報となります。 - あなただけのためのオーダーメイドの薬剤調合
プロは、ただ一つの薬剤を使うだけではありません。お客様の髪の状態と、創りたいスタイルに合わせて、異なる種類の薬剤をブレンドしたり、トリートメント成分を加えたりして、ダメージを最小限に抑えながら、最も効果的なカールを生み出す、あなただけのためのオーダーメイドの薬剤を調合します。 - 髪と頭皮を守るための専門的な処理
薬剤を塗布する前に、髪のダメージ部分を保護する「前処理」や、施術後に髪や頭皮に残留してダメージの原因となるアルカリ成分などを除去する「後処理」といった、専門的なケアを行います。これが、髪の健康を守り、パーマの持ちを良くするための秘訣です。 - セルフパーマの危険性
これらの専門的な知識や診断なく、ご自身の判断で強力な化学薬品であるパーマ液を扱うことは、思ったようなカールにならないだけでなく、髪に深刻なダメージを与えたり、頭皮にかぶれなどのトラブルを引き起こしたりする、非常にリスクの高い行為です。
まとめ
パーマ液は、あなたの印象を自在に変えることができる魔法の液体ですが、その正体は、髪の内部構造に直接働きかける、専門的な知識が不可欠な化学薬品です。薬剤の種類によって、その効果や髪への負担は全く異なります。あなたの髪質と、なりたいスタイルに本当に合ったパーマ液を選び、ダメージを最小限に抑えながら理想のヘアスタイルを叶える。それこそが、髪と薬剤を知り尽くしたプロの理容師の仕事です。
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