ヘアオイルで髪は柔らかくなるのか?ごわつく髪をしなやかにする秘訣
「自分の髪は生まれつき硬くて、ごわごわしている」「年齢と共に、髪が硬く、言うことを聞かなくなった気がする」。このような、髪の硬さやごわつきにお悩みの男性は、決して少なくありません。この硬さが、髪のまとまりのなさや、思い通りの髪型にならない原因となっていることもあります。そんな、強くて硬い髪をしなやかで、扱いやすい柔らかな髪へと導くために、「ヘアオイル」が非常に有効な役割を果たすことをご存知でしょうか。この記事では、ヘアオイルがなぜ髪を柔らかくするのか、その仕組みと効果的な使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
なぜ、私たちの髪は硬くなってしまうのか
髪が硬く、ごわついて感じられるのには、いくつかの原因が考えられます。生まれつき髪一本一本が太く、しっかりとしているという髪質的な要因もありますが、後天的な要因として最も大きいのが、髪の「乾燥」と「ダメージ」です。
髪は、その内部に適切な量の水分と油分が保たれることで、しなやかさと柔らかさを維持しています。しかし、日々のドライヤーの熱や紫外線、度重なる毛染めやパーマなどによってダメージが蓄積すると、髪の内部から水分と、髪の柔軟性を保つために不可欠な油分が失われてしまいます。潤いを失った髪は、乾燥して硬くなり、ごわごわとした手触りになってしまうのです。
ヘアオイルが髪を「柔らかくする」仕組み
では、なぜヘアオイルがこの硬くなった髪を、柔らかくすることができるのでしょうか。その答えは、ヘアオイルが持つ優れた「保湿効果」と「柔軟効果」にあります。
ヘアオイルは、乾燥して水分が逃げやすい髪の表面を、薄い油分の膜で覆います。この膜が、髪の内部に残っている水分がそれ以上蒸発するのを防ぐ、強力な「蓋」の役割を果たします。
さらに、ヘアオイルは、ダメージによって失われた「油分」そのものを、髪に直接補給することができます。良質な油分で満たされた髪は、乾燥して硬くなっていた状態から、再び潤いを取り戻し、本来の「しなやかさ」と「柔らかさ」を取り戻すのです。それはまるで、硬くなった革製品にオイルを塗り込むと、再び柔らかくなるのと似た現象と言えるでしょう。
髪を柔らかくするためのヘアオイルの選び方
髪を柔らかくすることを主な目的としてヘアオイルを選ぶ場合は、その「質感」と「成分」に注目することが大切です。さらっとした軽い質感のオイルよりも、髪に豊かな潤いと油分をしっかりと補給できる、比較的に重さのある「しっとり系」のオイルを選ぶのがおすすめです。
また、髪の内部まで浸透し、内側から髪を柔らかくする効果が期待できるような、保湿・補修成分が豊富に含まれた製品を選ぶと、より高い効果を実感できるでしょう。サロンで扱う専門的な製品の中には、硬い髪を柔らかくすることに特化して開発された、高機能なヘアオイルも存在します。
効果を最大限に引き出す、正しい使い方
選び抜いたオイルの効果を実感するためには、その使い方が非常に重要です。
最も効果的なのは、夜、お風呂上がりのドライヤーで髪を乾かす前のタイミングです。タオルで優しく水気をしっかりと拭き取った後、適量のオイルを手のひらに取ります。それを両手でよく温め、伸ばしてから、特に硬さやごわつきが気になる髪の中間から毛先にかけて、髪を優しく握り込むように、ゆっくりと浸透させていきます。
その後、目の粗い櫛などで全体を優しくとかし、オイルを髪一本一本に均一になじませてから、ドライヤーで乾かします。日々のこのひと手間が、硬い髪を、徐々に柔らかく、扱いやすい髪質へと変えていくのです。
まとめ
これまで、ご自身の硬い髪質を諦めていた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その悩みは、ご自身の髪に合った「しっとり系のオイル」を選び、それを日々正しく使い続けることで、大きく改善する可能性があります。髪を無理やり抑えつけるのではなく、髪そのものを内側から潤し、しなやかな状態へと導く。それこそが、私たちが提案する、大人の男性のための本質的なヘアケアです。お客様の髪質を正確に見極め、その髪を最も柔らかく、美しく見せるための一本と、そのための最適な使い方をご提案するのが、私たち髪の専門家である理容師です。ぜひ一度、サロンでご相談ください。