ヘアオイルで表現するウェットな質感。上品な濡れ髪の作り方
近年の男性の髪型において、濡れたような艶とまとまりのある「ウェットな質感」は、一つの定番として定着しています。さりげない色気と洗練された雰囲気を演出できるこの髪型は、実はヘアオイルを使うことで、ご自宅でも手軽に再現することが可能です。ここでは、理容師の視点から、ヘアオイルを使って上品なウェットヘアを作るための基本的な方法と、製品選びの要点について解説いたします。
ヘアオイルがウェットな質感作りに適している理由
ヘアオイルがウェットな質感の表現に適しているのは、その主成分である油分が髪の表面を均一に覆い、光を美しく反射させるためです。これにより、まるで髪が水分を含んでいるかのような、自然で潤いのある艶が生まれます。整髪料のように固めすぎることなく、髪本来の柔らかさや動きを生かしたまま、まとまりのある髪型を作れるのがヘアオイルの大きな利点と言えるでしょう。
ウェットな髪を作るためのオイル選び
ウェットな質感を長時間保つためには、ヘアオイルの選び方が重要になります。さらっとした軽い質感のオイルよりも、ある程度しっとりとした、重さのあるタイプのオイルが適しています。製品を選ぶ際には、「まとまり」や「しっとり」といった言葉を目安にすると良いでしょう。重めのオイルは、髪の広がりを抑え、濡れたような質感を一日中保つのに役立ちます。どのようなオイルがご自身の髪質や目指す髪型に適しているか、専門家である理容師に相談するのも良い方法です。
上品なウェットヘアを作るための手順
ここでは、実際にヘアオイルを使って髪を整える際の基本的な手順をご紹介します。
まず、完全に乾いた髪よりも、少しだけ水分が残っている状態の方がオイルはなじみやすくなります。乾いた髪から始める場合は、霧吹きなどで軽く髪を湿らせておくと良いでしょう。
次に、通常の保湿ケアで使う際よりも、やや多めの量を意識してオイルを手に取ります。ただし、一度に多く付けすぎると修正が難しくなるため、最初は少量から始め、足りなければ足していくという方法が安心です。
手に取ったオイルは、すぐに髪に付けるのではなく、両方の手のひらから指の間まで、透明になるまでしっかりと伸ばしてください。このひと手間が、仕上がりの均一さを左右します。
オイルをなじませる際は、髪の表面からではなく、髪の内側に手を入れるようにして、毛先から中間にかけて手ぐしを通すようになじませていきます。最後に、手に残ったごく少量のオイルで、前髪や髪の表面の質感を整えます。指先で毛束を少しずつつまむようにすると、立体感のある動きを表現できます。
より良い仕上がりのための注意点
ウェットな髪を作る際に最も注意したいのが、根元へのオイルの付けすぎです。頭皮に近い根元部分にオイルが多く付着すると、時間の経過と共に頭皮の皮脂と混ざり、清潔感を損なう原因になりかねません。オイルは必ず、髪の中間から毛先を中心に付けることを心がけてください。上品なウェットヘアとは、べたつきとは異なる、あくまでも「濡れたような艶」であることを意識することが大切です。
ご自身の髪質に合ったオイルの選び方や、より高度な整髪技術についてお知りになりたい場合は、ぜひお気軽にサロンの理容師までお尋ねください。お客様一人ひとりに合わせた最適なご提案をさせていただきます。