ショートヘアの男性にこそヘアオイルを。べたつかない使い方と選び方
「髪が短いから、特別なヘアケアは必要ない」「ヘアオイルは長い髪の人が使うもので、自分が使うとべたつきそう」。ショートヘアの男性の中には、そうお考えの方も少なくないかもしれません。しかし、実はその考えとは逆に、ショートヘアだからこそヘアオイルを効果的に活用でき、その利点を大いに享受することができるのです。髪のお手入れとしてだけでなく、短い髪をより洗練された印象に見せるための整髪料としても、ヘアオイルは非常に優れた品です。ここでは、ショートヘアの男性に向けたヘアオイルの選び方と、失敗しないための正しい使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
ショートヘアにヘアオイルが必要な三つの理由
なぜ、短い髪にこそヘアオイルがおすすめなのでしょうか。それには、明確な三つの理由があります。
一つ目は、髪の質感を高め、清潔感を演出するためです。髪が短いと、一本一本の髪のパサつきや乾燥といった質感が、かえって目立ちやすくなります。ヘアオイルで髪に自然な艶と潤いを与えることで、健康的で手入れの行き届いた印象が高まり、全体の清潔感が格段に向上します。
二つ目は、頭皮環境を健やかに保つ手助けになるためです。髪が短い分、地肌は紫外線やエアコンによる乾燥といった外部からの刺激を受けやすくなります。ヘアオイルが髪を薄い膜で保護することは、間接的に頭皮環境を守ることにも繋がるのです。
三つ目は、自然な動きと束感を作る整髪料として活用できるためです。ワックスのように固めすぎるのは好まないけれど、何もしないと髪がまとまらない、という方にヘアオイルは最適です。作り込みすぎない、さりげなくお洒落な毛流れや束感を簡単に作ることができます。
ショートヘアのためのオイル選びの基準
ショートヘアの方がヘアオイルを選ぶ際に最も重視すべきなのは、その「質感」です。重たいタイプのオイルを選んでしまうと、髪全体のボリュームが失われ、ぺたっとした印象になってしまいます。そのため、さらっとした軽い使用感の「ライトタイプ」と表記されているような製品を選ぶことが、失敗しないための絶対条件と言えるでしょう。また、お手入れと整髪を一度で済ませたい場合は、自然なまとまりを与える効果を併せ持ったタイプのオイルを選ぶと、日々の準備がより手軽になります。
べたつかせないための絶対的な使い方のルール
ショートヘアの方がヘアオイルを使う上で、最も大切なのが使い方です。以下の三つのルールを守るだけで、べたつきの失敗を確実に避けることができます。
一つ目のルールは、使用量を「米粒一滴」から始めることです。ショートヘアに必要なオイルの量は、ご自身が想像するよりも、はるかに少量です。まずは米粒一粒分ほどを手に取り、もし足りなければほんの少しだけ足す、という慎重さを心がけてください。付けすぎが、べたつきの最大の原因です。
二つ目のルールは、手のひらで「透明な膜」になるまで伸ばすことです。手に取ったオイルを、両手のひらから指の間にまで、完全に薄く広げます。この油分の膜を、髪にそっと移すようなイメージで使いましょう。
三つ目のルールは、付けるのは「毛先をつまむ」ようにすることです。髪全体に塗り広げるのではなく、指先を使って、動きや束感を出したい部分の毛先を軽くつまむようにして、的を絞って付けます。髪の根元には決して付けないようにしてください。
まとめ
ショートヘアの男性にとって、ヘアオイルは髪の質感を高め、清潔感を演出し、さらには自然な整髪まで可能にする、まさに万能な品です。その成功の鍵は、「軽いタイプのオイル選び」と、「ごく少量を毛先につまむように付ける」という使い方の徹底にあります。しかし、お客様の髪質や毛量に合わせた最適なオイルの種類や、正確な使用量を見極めるのは簡単なことではありません。私たち理容師は、お客様の髪をプロの目で診断し、最適な製品とその使い方を鏡の前で直接お伝えすることができます。オイルへの不安を、サロンで「格好良くなる」という喜びに変えてみませんか。ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。