ヘアオイルで理想の「さらつや髪」へ。男性のための選び方と使い方
清潔感が重視される現代において、髪が与える印象は非常に大きな要素となります。中でも、指通りが滑らかな「サラサラ感」と、健康的で美しい光沢を放つ「ツヤ感」。この二つを両立した「さらつや髪」は、多くの男性が密かに憧れる、理想の髪の状態ではないでしょうか。一見すると、両立が難しいように思えるこの理想的な質感も、実はヘアオイルを正しく選び、効果的に使うことで、ぐっと現実に近づけることができます。ここでは、男性の髪を理想の「さらつや」状態へと導くための、ヘアオイルの秘密と使い方について、理容師の視点から紐解いていきます。
「サラサラ」と「ツヤ」が生まれる仕組み
髪の指通りが悪くなったり、艶がなくぱさついて見えたりする現象は、そのほとんどが髪の表面にある「キューティクル」という、うろこ状の組織の乱れが原因です。ダメージなどによってこのキューティクルがめくれ上がると、表面に凹凸ができ、髪同士が引っかかって指通りが悪くなったり(サラサラ感の喪失)、光が乱反射して艶が失われたり(ツヤ感の喪失)するのです。
ヘアオイルは、この乱れてしまったキューティクルの表面を、ごく薄い油分の膜で均一にコーティングし、滑らかな状態に整える働きをします。表面が滑らかになることで、髪同士の摩擦がなくなり、引っかかりのないスムーズな指通り、すなわち「サラサラ感」が生まれます。同時に、表面が鏡のように平らに整うことで、光がきれいに正反射し、美しい光沢、すなわち「ツヤ感」が生まれるのです。つまり、「サラサラ」と「ツヤ」は、キューティクルを整えるという同じ働きから生まれる、深く関連した効果なのです。
「さらつや」を両立させるヘアオイルの選び方
理想の「さらつや髪」を目指すためには、製品選びが非常に重要です。まず基本となるのは、サラサラ感を損なわないために、重すぎない「軽い質感」のオイルを選ぶことです。べたつきにくく、髪に余分な重さを与えないライトなタイプのものが適しています。
その上で、髪の表面を均一に覆い、光の反射率を高める効果に優れたオイルを選ぶと、より美しい艶が期待できます。軽やかさを保ちながら、最大限の艶を引き出す。この絶妙なバランスを実現するのは、簡単なことではありません。専門家が扱うサロン専売品には、そうした計算された処方で、理想の「さらつや」を追求した製品が多く存在します。
理想の「さらつや髪」を叶えるための使い方
選び抜いたヘアオイルの効果を最大限に引き出すためには、使い方も工夫しましょう。二段階のケアを意識することで、より理想的な仕上がりに近づきます。
第一段階は、お風呂上がりのドライヤー前です。タオルで優しく水気を拭き取った濡れた髪に、適量のオイルをなじませます。これは、髪内部の潤いを保ち、ドライヤーの熱から髪を守ることで、「さらつや」の基礎となる健康的な髪の土台を作ることが目的です。
第二段階は、ドライヤーで髪を乾かした後の仕上げです。もう一度、今度はごく少量(数滴)のオイルを手のひらに薄く伸ばし、髪の表面をなでるようにして軽くなじませます。この一手間が、整ったキューティクルの上につやのヴェールを纏わせ、光り輝くような美しい艶を完成させます。ただし、仕上げの量が多すぎると「ツヤ」ではなく「テカリ」になってしまうため、慎重に行うことが大切です。
まとめ
ヘアオイルは、乱れたキューティクルを整えるという基本的な働きによって、男性が求める「サラサラ」な指通りと、輝く「ツヤ」を同時に実現できる、非常に優れたお手入れ品です。「軽い質感のオイル選び」と「ドライヤー前後での適切な使い方」が、その効果を最大限に引き出す鍵となります。しかし、お客様の髪質によって、最適なオイルの質感や使用量は千差万別です。私たち理容師は、プロの目でそれらを的確に診断し、ご提案することができます。清潔感と品格を宿す「さらつや髪」で、ご自身の印象をさらに高めるためのお手伝いを、ぜひ私たち専門家にお任せください。