ヘアオイルの正しい塗り方。効果を最大限に引き出す4つの基本
今や男性の髪のお手入れにおいても定番となったヘアオイル。多くの方が日々の生活に取り入れていらっしゃいますが、その一方で、「なんとなく自己流で塗っている」「付けすぎてべたつかせてしまった」など、その真価を引き出せていない方も少なくないように見受けられます。どれほど高品質で優れたヘアオイルであっても、その塗り方が正しくなければ、効果は半減してしまいます。この記事では、髪の専門家である理容師が、ヘアオイルの効果を最大限に引き出すための、最も重要かつ普遍的な「正しい塗り方」の基本について、徹底的に解説いたします。
基本その一:目的を意識した「タイミング」
ヘアオイルの効果は、いつ塗るかという「タイミング」によって、その役割が大きく変わります。まず、この目的の違いを意識することが、正しい塗り方の第一歩です。
最も重要なケアのタイミングは、夜、お風呂上がりのドライヤーで髪を乾かす前です。この時の目的は、髪の「補修と保護」です。濡れて無防備な状態の髪をドライヤーの熱から守り、開いたキューティクルから補修成分を浸透させる、髪の健康の土台を作る時間です。
そしてもう一つが、朝の整髪時です。乾いた髪に塗るこの時の目的は、髪を「美しく見せ、日中の刺激から守る」ことです。髪に艶やまとまりを与えて髪型を整えると同時に、紫外線や乾燥といった外部のダメージ要因から髪を保護する役割を担います。
基本その二:失敗を防ぐ「適量」
ヘアオイルを塗る際に起こる失敗で、最も多いのが「量の付けすぎ」によるべたつきです。髪を美しく見せるためのオイルが、逆に不潔な印象を与えてしまっては本末転倒です。適量を守ることは、正しい塗り方における絶対的なルールです。
髪の長さ別の一般的な目安としては、短髪の方で米粒一粒から二粒程度、肩につかない程度の長さの方で一円玉大、それ以上の長さの方で十円玉大ほどです。しかし、これはあくまで目安に過ぎません。髪の量や毛質、そして使用するオイルの質感によって最適な量は変わります。最も大切なのは、どのような場合でも「常に少量から試してみて、足りなければ少し足す」という習慣を身につけることです。
基本その三:効果を集中させる「場所」
オイルを髪のどこに塗るかという「場所」も、効果を左右する重要な要素です。基本の原則は、「毛先を中心になじませ、根元は避ける」ことです。
髪のダメージは、根元から最も遠い毛先に集中して現れます。そのため、補修と保湿を最も必要としているのは毛先です。逆に、髪の根元や頭皮に近い部分は、ご自身の皮脂によって天然の油分が分泌されているため、ここにオイルを過剰に塗るとべたつきの原因となります。髪全体に付けたい場合でも、まずは毛先にしっかりとなじませ、そのあと手のひらに残ったごく少量を髪の中間や表面に広げる、という手順を守りましょう。
基本その四:均一になじませる「塗り方」の技術
最後の基本は、適量を正しい場所に、いかに「均一に」なじませるかという技術です。まず、手に取ったオイルを、両方の手のひらから指の間にまで、透明になるまでしっかりと伸ばしてください。この一手間が、オイルが一部分に固まって付いてしまうのを防ぎます。次に、髪の表面からいきなり付けるのではなく、髪の内側に手を入れて、手ぐしを通すようにしながら全体に優しく広げていきます。最後に、手のひらに残ったオイルで髪の表面を軽くなでるように整えると、美しい艶とまとまりが生まれます。
まとめ
ヘアオイルの効果を最大限に引き出すには、これまでご説明した「タイミング」「量」「場所」「塗り方」という四つの基本を正しく理解し、日々実践することが不可欠です。自己流を卒業し、この基本を身につけるだけで、あなたの髪は見違えるように美しい状態へと変わる可能性を秘めています。そして、この基本をお客様一人ひとりの髪質や状態に合わせて完璧に最適化する、その「微調整」をお手伝いさせていただくのが、私たち髪の専門家です。正しい塗り方を身につけ、最高のヘアケアを始めませんか。ぜひサロンでご相談ください。