メンズヘアオイルは寝る前が鍵。翌朝の髪が変わる夜の習慣
日々の髪のお手入れとして、ヘアオイルを取り入れている男性は増えています。多くの方が、朝の整髪の際に使われることが多いかもしれませんが、実は、その日の髪を整える朝のケアと同じくらい、あるいはそれ以上に重要となるのが、「寝る前」の夜のケアです。一日の終わりに行うこのひと手間が、髪の健康状態を左右し、翌朝の準備を格段に楽にしてくれる、まさに鍵となる時間なのです。この記事では、なぜ男性にとって寝る前のヘアオイルが重要なのか、その理由と正しい使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
なぜ「寝る前」のヘアオイルが重要なのか
夜、眠っている間、私たちの髪は自分自身が思っている以上に過酷な環境に置かれています。その最大の原因が、枕と髪との間で起こる「摩擦」です。睡眠中の無意識な寝返りによって、髪は枕の生地と擦れ合い、表面の組織(キューティクル)が傷ついたり、剥がれたりする原因となります。これが、翌朝の髪の絡まりや、切れ毛、そしてまとまりのなさにつながるのです。
寝る前にヘアオイルを髪になじませておくことは、この睡眠中の摩擦ダメージから髪を守るための、非常に有効な対策となります。オイルの滑らかな油分が、髪一本一本をコーティングし、潤滑剤のような役割を果たします。これにより、枕との摩擦が大幅に軽減され、髪が受ける物理的な負担を最小限に抑えることができるのです。
髪のゴールデンタイムを活かしたダメージ補修
寝る前の時間は、単に摩擦から髪を守るだけでなく、一日の活動で受けたダメージを「補修」するための絶好の機会でもあります。多くの方が、夜、お風呂上がりの髪を乾かした後に就寝されることでしょう。この、髪を洗った後の清潔な状態の髪にオイルをなじませることで、日中に浴びた紫外線や、乾燥といったダメージ要因によって失われた油分や潤いを補給することができます。特に、ドライヤーで乾かす前の濡れた髪に使えば、補修成分が髪の内部まで浸透しやすくなり、より高いお手入れの効果が期待できます。
翌朝の髪が変わる、驚くほどのまとまり
寝る前にヘアオイルで髪を整えておくことの、もう一つの大きな利点は、翌朝の準備が驚くほど楽になることです。夜のうちに髪の水分と油分のバランスを整え、摩擦から守っておくことで、朝起きた時の髪の広がりや、厄介な寝癖がつきにくくなります。髪そのものが素直で扱いやすい状態になっているため、朝の整髪にかかる時間を大幅に短縮することができます。忙しい朝に、ほんの少しのゆとりをもたらしてくれる。これも、夜のヘアオイルケアがもたらす、嬉しい効果の一つです。
寝る前の正しいヘアオイルの使い方
その効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方が大切です。お風呂上がり、まずはタオルで優しく髪の水気をしっかりと拭き取ります。次に、適量のヘアオイル(短い髪の方であれば米粒一粒程度)を手のひらに取り、指の間まで薄く均一に伸ばします。そして、最も乾燥やダメージが気になる毛先を中心になじませ、最後に手に残ったごくわずかなオイルで髪の表面をなでるように整えます。根元に近い部分に付けすぎると、べたつきの原因になるため注意しましょう。その後、ドライヤーで髪を完全に乾かしてから、就寝してください。
まとめ
男性にとって、寝る前のヘアオイルは、単なる髪のお手入れ以上の意味を持ちます。それは、睡眠中の見えないダメージから髪を守り、一日の疲れを癒し、そして翌朝の自分を最高の状態でスタートさせるための、未来への投資とも言える習慣です。お客様の髪質やライフスタイルによって、最適な夜用のヘアオイルは異なります。その最高の一本と、最も効果的な使い方を、ぜひ私たち髪の専門家にご相談ください。