メンズのスタイリングを変えるヘアオイル。自然に決まる選び方と使い方
これまでの男性の整髪料と言えば、ワックスやジェルでしっかりと髪型を固めるものが主流でした。しかし近年、髪を固めることなく、潤いのある自然な質感で髪型を表現する「ヘアオイルでのスタイリング」が、多くのおしゃれな男性たちの間で新たな定番となりつつあります。髪のお手入れをしながら整髪ができる手軽さや、作り込みすぎていない、さりげなく洗練された印象が叶うのが、その大きな魅力です。この記事では、スタイリングにおすすめのヘアオイルの選び方から、具体的な整髪方法まで、理容師の視点から詳しく解説いたします。
ヘアオイルで作る、二つの代表的な髪型
ヘアオイルを使ったスタイリングと一言で言っても、その表現は様々です。ここでは、代表的な二つの髪型をご紹介します。
一つ目は、髪本来の動きや柔らかさを活かした「ナチュラルスタイル」です。頑張りすぎている印象を与えず、ごく自然なまとまりと健康的な艶感を髪に与えます。風に揺れるような軽やかさも表現できるため、清潔感のある、飾らない雰囲気を好む方におすすめです。
二つ目は、近年の流行でもある、濡れたような質感が特長の「ウェットスタイル」です。艶やかな束感が、髪型に立体感と色気を与え、少し個性的でモードな印象を演出します。パーマをかけた髪の動きを際立たせるのにも適しています。
スタイル別・おすすめのヘアオイルの選び方
目指す髪型によって、使用すべきヘアオイルの種類は全く異なります。この選び分けこそが、スタイリングを成功させるための最初の鍵となります。
「ナチュラルスタイル」におすすめなのは、さらっとした軽い質感のオイル、いわゆるライトタイプです。髪に余分な重さを与えることなく、自然な動きを邪魔せずに、指通りとまとまりだけを向上させてくれます。
一方、「ウェットスタイル」を作るためには、ある程度しっとりとした重さのあるオイルが必要です。髪にしっかりと留まり、濡れたような艶と、時間が経っても崩れない束感を維持する力のあるオイルが適しています。
ヘアオイルを使った基本的な整髪の手順
ここでは、ヘアオイルを使った基本的な整髪の方法をご紹介します。
まず、目指すスタイルに応じた適量を手のひらに取ります。次に、そのオイルを両方の手のひらから指の間にまで、均一に、そして薄くしっかりと伸ばしてください。これが、仕上がりにムラを出さないための最も重要な工程です。
そして、髪の表面から付けるのではなく、髪の内側に手を入れるようにして、根元を避けながら中間から毛先にかけて全体になじませていきます。最後に、手ぐしで全体の毛流れを整えたり、指先で毛束を優しくつまんで動きを出したりして、理想の形へと仕上げていきましょう。
ワックスとの併用で表現の幅を広げる
ヘアオイルだけでは、求める動きや髪型の維持が少し物足りないと感じる場合は、ワックスと組み合わせて使う方法もおすすめです。その際は、まずヘアオイルを髪全体になじませて、艶とまとまりのある髪の土台を作ります。その上から、少量のワックスを使って、毛先の動きや立体感といった、より細かな部分を補強するように仕上げます。この手順により、ワックス特有のぱさつき感を抑えながら、艶と動きを両立させた、より完成度の高い髪型を作ることができます。
まとめ
ヘアオイルは、髪を固めずに自然な質感を活かす、現代の男性のスタイリングにおいて、非常におすすめの品です。求める髪型によって最適なオイルの種類や使い方が異なり、その的確な選択が、仕上がりの質を大きく左右します。最高のおすすめの品とは、流行の製品ではなく、お客様ご自身の髪質と骨格、そしてなりたいイメージを完璧に理解した専門家が選ぶ一本に他なりません。私たち理容師は、製品選びだけでなく、ご自宅でご自身で再現できる整髪の方法まで、責任をもってご指導いたします。ぜひ一度、サロンでご相談ください。