メンズのくせ毛対策にヘアオイルを。理容師が教える選び方と使い方
ご自身の髪のくせが原因で、朝の整髪に時間がかかってしまったり、雨や湿気の多い日には髪が広がってまとまらなかったりと、悩みを抱えている男性は少なくありません。扱いにくいと思われがちなそのくせ毛ですが、実はヘアオイルを正しく活用することで、悩みを軽減するだけでなく、洗練された個性として魅力的に見せることも可能です。ここでは、くせ毛とヘアオイルの良好な関係と、その効果を最大限に引き出すための選び方・使い方について、理容師の視点から詳しく解説いたします。
なぜヘアオイルがくせ毛の男性におすすめなのか
くせ毛の方が特に湿度の高い日に髪が広がったり、うねったりする主な原因は、髪の水分バランスが乱れることにあります。くせ毛は直毛に比べて、髪の構造が不均一なため、ダメージを受けやすく、水分を保ちにくい性質があります。乾燥して傷んだ部分が、空気中の余分な水分を吸い込むことで、髪が膨張し、くせがより強く現れてしまうのです。
ヘアオイルは、その油分で髪一本一本の表面を均一に覆う働きをします。このオイルの膜が、外部の湿気が髪の内部に侵入するのを防ぐ、いわば防水膜のような役割を果たします。同時に、髪の内部に必要な潤いが逃げるのを防いでくれるため、髪の水分バランスが安定し、湿度の影響を受けにくい、まとまりのある状態を保つことができるのです。
くせ毛の男性のためのヘアオイル選びの基準
くせ毛の悩みを解決するためにヘアオイルを選ぶ際は、いくつかの基準があります。まず最も重視すべきなのは「保湿力の高さ」です。髪の乾燥はくせをさらに強くする原因となるため、髪に潤いをしっかりと与え、それを維持してくれる能力の高いオイルを選びましょう。
その上で、質感としては「しっとり系」の、ある程度重さのあるオイルがおすすめです。ぱさつきや広がりを効果的に抑え、髪に落ち着きを与えてくれます。さらっとした軽い質感のオイルだと、くせの持つ力に負けてしまい、時間が経つと再び広がってしまうことがあります。どのような製品がご自身の髪質に適しているか、専門家である私達理容師にご相談いただくのが最良の選択です。
「くせを抑える」ための効果的な使い方
ご自身のくせを落ち着かせ、まとまりの良い髪型にしたい場合は、髪を洗った後の「ドライヤーで乾かす前」にヘアオイルを使うのが最も効果的です。まず、タオルで髪を優しく押さえるようにして、しっかりと水気を拭き取ります。次に、適量のオイルを手のひら全体に伸ばし、髪の内側から手ぐしを通すようにして、まんべんなくなじませてください。そしてドライヤーで乾かす際に、くせが気になる部分の髪の根元を手で優しく引っ張りながら温風を当てることで、くせが伸びやすくなり、収まりの良い仕上がりになります。
「くせを活かす」ための効果的な使い方
一方で、ご自身のくせをパーマのような自然な動きとして活かしたい場合は、乾いた髪、あるいは半乾きの状態の髪に使うのがおすすめです。オイルを手のひらに伸ばした後、髪全体を優しくくしゃっと握るような動作を繰り返しながら、もみ込むようになじませていきます。これにより、くせがまとまり、立体感のある自然な束感が生まれます。仕上げに、指先で毛先の動きを整えることで、無造作でありながらも計算された、魅力的な髪型を演出することができます。
まとめ
ヘアオイルは、くせ毛に悩む男性にとって、そのくせを「抑える」ことも「活かす」こともできる、非常に頼もしい味方です。その効果を最大限に引き出す鍵は、ご自身の髪質に合った保湿力の高いオイルを選び、目指す髪型に合わせた正しい使い方を実践することにあります。お客様一人ひとりのくせの特性や、なりたいイメージは千差万別です。私たち理容師は、それらを正確に見極め、あなただけの最適なケア方法と整髪の仕方をご提案します。くせ毛でお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。